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だいたい十冊感想文

2019.06.13 20:35|読書感想文
◎ネタバレ注意◎

・ジェフリー・ディーヴァー「ソウル・コレクター」


途中であれ?なんか時間飛んでない?ってなってシリーズ一作飛ばしてることに気付いてちょっと萎えたけど最後まで読んだ。
今回の事件は本当にどうしようもないというか、こんなんされたら一般ピープルはどうやって対処したらいいのか…。真犯人がライム達に狙いを付けた直後はもうあっちのやりたい放題になってたし。サックスが犯人に辿り着いたのも偶然でライムはサックス危機に陥ってその場所を見つけることで犯人見つかったようなもんだしあんまりスッキリしなかった。ずっとサックスの尾行やってた医者が有能だった。いや医者のせいでちょっと混乱したところもあったけど。

武器商人がどうのの話は前の巻の話なんだろうか?ちょっとよくわからんかったのでとりあえずキャッセルに痛い目見せてほしい。パムは一番最初の「ボーン・コレクター」でサックスが救ってその後失踪した娘っぽいし一作飛んでる間にプラスキーがかなり成長してたっぽいので早く読みたい…。よりにもよってかなり重要な巻を飛ばしちゃった感…。

・島田荘司「溺れる人魚」


ミステリというより歴史と科学(生物学?)の勉強パートが多かったけど面白かった。
ロボトミー手術のことは某映画で知ったけど、あそこの職員さんは主人公が手術受けないで済むようにものすごい手を尽くしてくれてめっちゃいい人だったんだな…と思った。

・川上弘美「七夜物語」


作りは児童書みたいな感じなのでダレずに読めるかな?と不安だったけど全然大丈夫だった、というか面白かっためっちゃ良かった。
児童書というよりかは大人が子供に戻って読むファンタジー、大人が子供の視点を覗かせてもらうファンタジーって感じだろうか。最後の「一番小さなものを救おうとした」っていう台詞にぐっときました。読んで良かった。挿絵も可愛いし色んな人に読んでもらいたい本。

・島田荘司「魔神の遊戯」


なるほどな~~っていう種明かしだった。言われてみたら首や腕を「引きちぎる」、女の首と犬の体を繋ぎ合わせる、そういったものを危険を顧みずあまりに無造作に配置する、このあたりの行為はいかにも子供のブロック遊びという感じがする。だから「遊戯」なんだね…。
でもこの子供の遊びを実際にやってしまう犯人の仕事量すごい。超人的。いや魔神的というべきか。作中でも言われてたけどこのエネルギーを別のところに使えばなんでもできそうだと思ってしまった。
ロドニー親子の村での様子は、結局どちらが本当だったのかは気になるところ。どちらも少しずつ嘘はあるんだろうけど、やっぱ母親は殺されたんじゃないかと思ってる。リンダがざっくり話したところではとにかく憎まれてたってだけで自殺する動機なかったし…。

・ジェフリー・ディーヴァー「ウォッチメイカー」


改めて一番読む順番間違えちゃいけないとこでやらかしちゃったなって…。犯人が逃げおおせるのを知ってたせいで大どんでん返しが個人的に小どんでん返しくらいになってしまった。これほど手強い相手なら、「ソウルコレクター」で片手間に相手するくらいじゃそりゃ負けちゃうよねって感じ。
キャサリン・ダンスは名前の響きからしてなんか素敵だしこれからも登場してほしいな。喋るだけでどんどん情報引き出しちゃうチートキャラだから扱い難しそうですが…。

・森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」


黒髪の乙女が可愛かった。黒髪の乙女目線だと先輩がなんだか知的でユーモアもあって影で努力するイケメンに見える不思議。先輩視点を見るとかなりの落差があるんだけど、でもなんだかんだ気が合いそうなのも不思議。
森見さんの話は「もてない大学生男子が青春を嫌悪しながらも青春に憧れなんやかんや頑張る男臭い話」というのが多い気がしてるけど、その中でも主人公がかなり報われてる方に見える。古本市に行きたくなった。

・有栖川有栖「白い兎が逃げる」


久しぶりの火村先生シリーズ面白かった。
「苦痛なく安楽死できる薬です!」という触れ込みの薬に「実際に使ってみました!とても楽に死ねたので☆5です!」なんてレビューある訳ないしな…と妙に納得してしまった。まさに売り逃げというかなんというか。

・原田マハ「デトロイト美術館の奇跡」


一枚の絵に対してこれほどまで思いを込めて描写できるんだなあと思った。たしかにちゃんと表紙の絵を見てみると、ところどころ淡いピンク色が散らしてあって地味なのに優しい感じがする。実物はどんな感じなんだろうな…。

・有栖川有栖「モロッコ水晶の謎」


「助教授の身代金」のタイトルで火村のことだと誤解されそうな「助教授」を使ったのは、犯人のミス(盗聴していたために「先生」等のワードや会話の内容で勘違いしてしまった)ことを示唆してるのかヘェーって思ってたらあとがきで「ふと思い浮かんだだけ」と書いてあって深読み乙だった。
「推理合戦」の雑なネーミングはあるあるだと思うのでちょっと笑った。「推理しただけですけど?」みたいにドヤってたけど実際は推理もくそもない感じだったのも大人げなくて可愛かった。

・風野真知雄「紀尾井坂版元殺人事件」


久しぶりに風野真知雄。
このへんは歯抜け状態で店頭にあるものを買ったので続きものだったらどうしよう…と不安だったけどちゃんと一冊で完結してくれてよかった。やんごとない身分の人が絡んだり上からの圧力があるとやっぱりストレス。というか坂巻とおゆうは未だにすれ違ってるのか…何やってんだ…。

◆という感想文でした。
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GWにだいたい10冊感想文

2019.05.04 17:30|読書感想文
◆ネタバレ注意

・荻原規子「レッドデータガール4.世界遺産の少女/5.学園の一番長い日/6.星降る夜に願うこと」

またしても面白くて一気に三巻読んでしまった…。そして終わってしまった…。
秘密を守るのには限度があるからチームで世界遺産登録!という落としどころは面白かった。しかもなんか楽しそう。でも思ってたより一巻あたりで進む時間が遅く、まだ学校卒業してもいない状態なのは意外だった。キリがいいところではあるけどガチで俺達の戦いはこれからだ状態なのでこの先も読みたい…。

みゆき君は3巻あたりから分かりやすく嫉妬してくるの可愛かったです。まゆらの誘いに「そういう選択をしたのが自分の父なんだと思う」みたいなこと言って断った時はいやそれだけじゃないやろと思ったけど、どうにも掴めない雪政の真意とか目的とかがやっとわかった気がしてちょっと切なくなった。もしかしたら雪政さんと紫子さんも、お互いの気持ちを悟りながらあえて今の関係を選んだのかなぁ…。二次創作が捗りそうですね…。

・皆川博子「影を買う店」


全然知らない人だけどよく「み」の棚で見かけるので気になってた。短編集があったので借りてみたけど真ん中くらいで挫折。
ちょっと難解でほの暗く、不思議で独特な雰囲気は好みだったんだけど、個人的には好みより難解さの方が勝ってしまった…。
全体的によく分からない話が多かったけど、オチでドキッとさせられる話もけっこうあって面白かった。「沈鐘」の終盤とか特に好き。「使者」のお堅く狂ってる感じや「柘榴」にずっと漂う悲劇的な雰囲気も好きだし、「陽はまた昇る」は詳しい人考察解説よろしくお願いしますって感じです。

・乙一「天帝妖狐」


トイレのラクガキの話面白かった。ホラーテイストでありながらも生身の人間でもぎりぎり実現可能ととれる絶妙なバランスが怖面白い。
前川先生はめっちゃ怪しかったけど最後にあ~そっちだったか~~ってなってちょっといい話だった。主人公と謎のきずなが芽生えそう。

妖狐の方は話的には結局何も解決してないけど、一時の希望と別れの物語って感じなのかな。スッキリとはしないけど切ない別れの場面が美しかった。
この体を取り換えていく「早苗」っていうのは何か元ネタの妖怪とかいるんだろうか?見た感じかなり大物っぽいんだけど。気になる。

・「20の短編集」

20人の作家による20の短編アンソロジー。それぞれ短いからサクサク読めるかと思ったけど意外とダレてしまった…。
やっぱり20人=尺の都合があるからかな?「結局どういうこと?」「えっこれがオチなの?」と消化不良で終わる話が多かった。こういう時「よく分からなくても雰囲気で読ませる」というタイプの文章を書く人は強いなと思ったし、なんだかんだ言われても伊坂幸太郎のしっかりオチを付けるスタイルは好きだなと思った。
全体的にはあんまり満足できなかったけど、「この人の話もっと読みたい」と思える人が何人か見つかったのでよかった。

・三津田信三「はえだまの如き祀るもの」


久しぶりの東条シリーズ!相変わらず漢字が難解!
不気味な伝承や村の秘密、最後の犯人の動機も異様なものがあって面白かった。「蓬莱さん」になってしまった二人が出会った怪異は本物だったんだろうか。こうなると「物見櫓の怪」の坊さんのその後も気になるんだけど、彼は別の寺に戻ったから寺的なパワーで無事だったのか、それとも初代蓬莱が坊さんを追い出すために一芝居打ったってことなのかな?なんで東条が蓬莱の正体を突き止めたのか分からない。登場人物が限られてるから、っていうメタ推理だけじゃないよね?

村人海賊説は初出の時面白いなと思ったけど、真相は餌が罠にかかるのを待つっていうよりエグい感じに…。「はえだま様」の岩のあたりはよく魚が獲れるってのも納得だしそりゃその岩たたられるよって感じ。
最後のあれは現代になって飢える心配がなくなり、忌まわしい風習が過去になってもまだ口を噤み、「人口を減らすため」という狂った理由で再び人を殺め始めた村人に対してついに「はえだま様」の天誅が落ちたって感じなのかなぁ…。
正直おじいちゃんもそんなことで殺しちゃうの?と思ったし、食中毒のやつなんかもってのほかだし、山道の怪もへたしたら普通に死人出てたよね。人口を減らすため、人を追い出すためのただの嫌がらせだったとしてもやり方が荒っぽすぎる。昔の風習の秘密を守っているうちに、他人を犠牲にすることへの抵抗が薄れていったんだろうか。

・東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇蹟」


思ってたより物騒な出だしだと思ったら、思ってたよりファンタジーだった。ナミヤさんと丸光園の不思議な絆。
「悩み相談をしてくる人は本心では決めてて背中を後押ししてほしいだけ」説をよく聞くけどまさにそんな感じだし、大事なことを伏せたまま相談されて逆ギレされても知らんがな!!…っていう、匿名相談のめんどくささを感じた。
印象に残ってるのはビートルズ少年。結果的に両親の退路を断ってしまうことになったけど、あんなふうにネチネチ嫌味言われたらそりゃ愛想尽かしもするし父は大人げなかったよなと…。そもそも夜逃げするまで追い詰められる状況を作った親にも責任はあるんだし少年は悪くないよと言いたい。

・三津田信三「犯罪乱歩幻想」


乱歩そんな読んだことないのにまた乱歩がテーマ(?)の話借りちゃうやつ。こういうの読むたび「早く原作も読まなきゃな」という気持ちになってるのにずっと伸び伸びになってますね…。今回は読んでる途中で気になり過ぎたので「赤い部屋」だけ青空文庫で読みました。
各話は乱歩を取り上げるだけじゃなく、それぞれで筆者の過去ネタや作風を取り入れる感じにしてるのかな?おなじみ刀条シリーズの神戸地方、死相探偵の事務所が入ってるらしきビル、しつこいほど「これを読んだあなたにも障りがあるかもしれない…」と脅してくる実録風、作者本人パロ(?)等々、小ネタが色々あって楽しかったです。でも最後の「影が来る」はやたらSFファンタジー臭がするというかこんな話も書いてたの?気になる。いい加減乱歩ちゃんと読まないとな(一年ぶり十数回目)

・森見登美彦「四畳半神話大系」


有名なので名前だけは聞いたことがあった。実際読んでみるとへ~こんな話だったのか~という感じ。
文章自体ふざけ気味だしほんとに阿呆なことばっかやってるんだけど、真面目に解釈すると「どんな選択を選んでも運命の黒い糸で結ばれている相手も赤い糸で結ばれている相手も変わらないんだから、あの時ああしていれば…なんてクヨクヨするのは無駄なんだよ」って感じでしょうか。ジョニーとの攻防面白かったです。

◆という読書感想文でした。
四月は全然読めなかったから五月いっぱい読みたいなー。

久しぶり10冊感想文

2019.04.11 10:48|読書感想文
◎ネタバレ注意◎

・畠中恵「ちょちょら」

面白かったんだけど読むのに時間がかかってしまった。やっぱちょっと「江戸留守居役」っていう役職が難しいというか感覚的に掴みにくかった。でもこの「誰が味方で誰が敵なのか??」って全然分からないところがまさに新太郎の心境だったのかもしれない…。千穂さんは本当にあれでいいのかなとは思うけど、この時代の武家の娘っていうと結婚も仕事の一つみたいなもんなんだろうな。

・島田荘司「セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴」

エカテリーナに関する歴史の勉強面白かった。ハリウッド~の次作だからかしてクローンの話題がまた出てたけど、「アダムの骨からイブが生まれたなんてまんまクローンのことやん、聖書の内容が違っていればクローンに対する今の倫理観ももっと違っていた」っていう説は興味深かった。

・ジェフリー・ディーヴァー「石の猿」

シリーズの中でこれだけ閉架にあったのは差別描写が多いからなのかな…?チャン家やソニー・リーの攻防も面白かった。ウィリアムはちょっとひねくれてるけど根はいい子ぽいのでこれから幸せにやってってほしい。
ゴーストの正体については意外な人物だったけど、いかんせん「石の猿」が最初にライムの部屋に持ち込まれたきっかけが唐突過ぎたので「ああ、それで…」みたいな感じだった。でもリーが死ぬ間際石の猿を砕いてにやりと笑ったというのは滾った…。自分が死んでもサックスならこれを見つけ出すしライムなら意味が分かると信じたんだな…。
リーのおかげでライムも自分の体を受け入れ、今後手術のことで揉めることもなくなりそうでよかった。

ゴーストの真の目的は、最初の船沈める段階で「えっなんで爆弾??殺すの??殺??え??そういうもんなの??」と私はめちゃ混乱してたので「誰も疑問に思わなかったこと」と言われるとちょっと違和感があった。そういやチャンは安く船に乗せてもらえたとか言ってたなと納得するとこもあったけど。悪い人は何考えてるのか分からん悪い人の世界こえ~…でなんとなく流してたけど「移民や船員は目撃者だから殺す」ってやっぱムリあるよね?密入国成功してもそこから全員捕まらないとは限らないし目撃したってだけなら結局殺すよね??

・風野真知雄「慕情の剣」

女だてらシリーズ五巻。え~小鈴パパついにゲロっちゃうの…ここで吐いたら夫としても父親としてもダメなのに革命家としてもダメになるんじゃないか…?あんま悪く言いたくないけど覚悟が足りないまま危ないとこに手出しちゃったのかなっていう感じ。ここからどうにかしていいとこ見せてほしい。これで小鈴がしょっぴかれたらまじでダメ男やぞ…。

・L.M.モンゴメリー「虹の谷のアン」

七巻。アンの子供たち、というか牧師館の子供たちが中心の話だった。
エレンのめんどくさい約束のおかげで無駄にこじれたけどうまいこといってよかった。自分が口説かれたらやっぱ約束なしでいいよ、とか言い出すのは何だこいつ…ってなったけど、妹が一人で残ると言ったら自分も辞めると言い出すあたりものすごい厄介な頑固者って感じなんだろうか。
牧師館の人々がアンに相談しよう…→ちょうど出掛けてしまって他の人と話すことに、という流れが二回くらいあって今回アンの出番少ないなあと思ってたけど、結果的にこれで二組のカップルがくっついたんだから今作もアンは無自覚にキューピット役をやりとげたということになるんだろうか。

・荻原規子「レッドデータガール3はじめてのお化粧/4夏休みの過ごし方」

面白かったので二冊続けてもりもり読んでしまった。
西の善き魔女でも思ったけどやっぱ正統派少女小説!特別な女の子!って夢があっていいと思います。宗田きょうだい、というか宗田家に今回めちゃめちゃでかい貸しを作ることができたしここから徐々に和泉子&深雪ペアが台頭してくるんだろうか。
RGDが具体的にどんな存在なのかも未だに明らかになってないので気になる。レッドデータブックからそのまま持ってくるなら「絶滅する恐れのある動物の情報をまとめた少女」ってことになるけど、今んとこ憑依体質と人外を見抜く能力くらいしかはっきりしてないし。そのわりに姫神は過去を遡れるっぽいし物騒なこともいうしで簡単に言うと予知能力があるってことなんだろうか?続きもどんどん読みたい。

・中山七里「おやすみラフマニノフ」

さよならドビュッシーが面白かったので借りてみた。話とか犯人の思惑とかは今作も面白かったんだけど、どうも全体的に台詞が芝居がかってるのがちょっと苦手かな…。漫画とかアニメとかにした方が合いそう。

・ジェフリー・ディーヴァー「魔術師」

奇想天外なトリックのおかげでいつもの「誰を信じていいか分からない」状態がさらにパワーアップしてわけわからん状態だった。カーラの手品(特に終盤のやつ)とか本当に訳分からなくて何回も読み直してしまった。全体的に派手で華やかだから映像で観てみたいなあこれ。
バルザックのことは大丈夫だろうと思いつつも疑ってたのでいい師匠として別れられてよかった。門外不出の技を持つ集団はどうしても秘密主義になるんだろうけど、マジシャンは職業柄さらに秘密を極めて師弟関係にのめり込みやすいのかなと思った。そしてカーラの本名は一体何だったんだ…。

・ジェフリー・ディーヴァー「12番目のカード」

誰を信じればいいか分からない…って違うんか~~い!!みたいな話だった。
まあでも父も大変だったんだよね、落書きは軽犯罪を自慢する若者みたいなノリで娘からしたらめっちゃキツいけど頭は良さそうな感じがするというか…。
ナーバスになっちゃったロンとサックスの関係良かったし、デルレイの変装芸はやっぱり見てて楽しくてテンション上がりました。
トマスボイドは「無感覚」のまま死んでいくのかというのは気掛かりではある。捜査をかく乱するために置いただけのはずの「12番目のカード」に足元を救われるというのは間抜けに見えるんだけど、こういう何気なく選んだものに犯人の個性が現れるということなのかもしれない。

◆という読書感想文でした。

ここで10冊感想文

2019.02.18 18:24|読書感想文
◎ネタバレ注意◎

・村田沙耶香「コンビニ人間」


サイコパスが頑張って人間を演じる話。…なのかもしれないけど、誰も彼も少なからずこういうところはあるし、こうやって無害に頑張ってるのならそれでいいんじゃない?と思ってしまう。普通に考えたら「異常」なんだけど、でも異常ってどういうこと?これでもいいんじゃん?…っていう、こっちの価値観を揺さぶるような作品が多い人なのかな。

・中山七里「さよならドビュッシー」


以前から名前だけは知ってたので読んでみたかったやつ。…が、たぶんこれドラマ化かなんかされてましたよね?ちゃんと見てはいなかったんだけど、ピアニストの少女が実は~っていうラストの重要な種明かしの部分だけを見てしまってたので序盤の伏線(体形も血液型も同じ、左手は不浄)の時点であっ…って察してしまった。二時間ドラマかなんかか忘れたけど今度はちゃんと頭から観たい。ピアノに打ち込む遥の姿にはたびたび涙腺がゆるんだ。

・風野真知雄「夢泥棒」


女だてらシリーズ三巻。
源蔵は岡っぴきとして活躍するし星川も立ち直って秘剣糞おやじ(爆)を習得するしで楽しくなってきたんだけど、日之助は未だに泥棒続ける満々なのが危なっかしい。もう今でいう窃盗症?みたいな感じの病気なんだろうけど。
最後は「林って誰だっけ???」ってなっちゃったけど最初に出てきた同心かー!「心配性」で大塩の大砲の話をしたのはそういうことだたのね…。

・村上春樹「東京奇譚集」


面白かったし読みやすくてするする読んでしまった。村上春樹の作品って私みたいな深い考察するの苦手勢からすると「結局どういうことなのー??」みたいな話が多いんだけど、びっくりするくらい読みやすいしカチッとハマる比喩がいっぱい出てくるのが面白い。今後も短編集から読んでいく作戦でいきたい。

・原田マハ「太陽の棘」


戦争が終わった直後に、こんな逞しいアーティストが沖縄にたくさんいたのか~~~。ということにまず驚いた。表紙の絵も、作中の人物の名前見ても全然分からなくて、国内のことなのにまったく知らなかった自分が情けない。
タイラの元ネタになった人の作品を検索してちょっとだけ見たんだけど、たしかに何かキラキラしているというか、眩しさに目を細めてしまう魅力があった。
なんというか面白さとかそういうのは関係なく、この本は「読むべき」だと思ったな…。

・島田荘司「暗闇坂の人喰いの木」


久しぶりの御手洗シリーズ。とんでもなく不気味で意味不明な事件で面白かった。譲が語る死刑のあれこれはさすがにちょっと気持ち悪かったけど、同時に残酷なエピソードは強く人を引き付けるというか…。
紐を渡して死体を運搬するというのはむちゃくちゃっつーか一人くらい目撃者いないの??って感じですが、そこんとこも曰く付きの楠が隠れ蓑になったってことなのかな。実際犯人は何回も失敗してるけど、なんだかんだ毎回うまくいってしまったというところにまた人智を越えた何かを感じる。

・荻原規子「RDGレッドデータガール はじめてのお使い」


見るからに少女小説だな…とわかるのでスルーしてたんですが、以前読んだ西の善き魔女も面白かったしサクサク読めそうだったので借りてみた。
やっぱり平凡だと思われてた女の子が実は特別な女の子で、イケメンと出会い云々というのは永遠の憧れだし面白かったです。続きももりもり読みたい。

・風野真知雄「涙橋の夜」


だんだん人間関係やおこうの過去が分かってきた四巻。大塩平八郎も本格的に動き出してるしこっからどうなるんだろう?日の介もそのまま正義の盗みのためにちょっと手を貸す程度にとどまってほしい。

・L.M.モンゴメリー「アンの愛の家庭」


やっと借りれた六巻。前回からちょっと間が開いたのもあって、いきなりアンが子だくさんになってて「なんか読み飛ばした??」とびびりました。5→6の間に6年くらい経ってるのか?
アンを取り巻く人達、というよりかは今作はアンの子供たちの冒険が中心で、1巻のアンの少女時代を思い出して懐かしくなった。しかし話の規模が本当に日常レベルなので、一気に話にのめり込んで読むというよりほのぼのした家庭や美しい描写を楽しむのを目的にのんびり読んだ方がいい気がしてきた。

・島田荘司「ハリウッド・サーティフィケイト」


暗闇坂からここまでの間に何があったのか、レオナほんとにヤバイ人でワロタ…キヨシに振られ続けて女に走ったのか…。御手洗の出番は電話で講義するくらいで、あとは傍若無人なスーパースター・レオナの派手な探偵物語って感じだった。個人的には手品みたいに謎が解ける御手洗の活躍を期待してたのでちょっと拍子抜け。
イアンについては最初の方でジョアンが「イアンなんて実在しないのよ」とか言ってるところでは??ってなったので最後の種明かしで色々腑に落ちた。あそこでほぼネタバレなんだけどどういう意図であんな台詞を入れたんだろう。記憶を失い、子宮を失った女として女性ホルモンを注射されていたから結果的に体のバランスがとれ、平穏な気持ちでいられたというのはなんとも皮肉である。

◆という読書感想文でした。
グラブルは古戦場真っ最中だしとうらぶは新刀種くるしでソシャゲが忙しい。

もう2月だよ10冊感想文

2019.02.02 22:45|読書感想文
◎ネタバレ注意◎

・原田マハ「アノニム」


一言で言うと「オーシャンズイレブン美術品バージョン」みたいな感じ?
ふんわりとイメージでしか知らない近代アートや「オークション」を経営する会社という世界を知れて面白かった。いやオークションって言ったらそのアレじゃないですか…なんかこう悪い貴族がなんか色々やるみたいなそんなイメージくらいしかないじゃないですか…。面白かったけど今回のミッションで自分の得意分野・専門知識をがっつり生かして活躍したアノニムメンバーは数名だったのでそこはちょっと拍子抜けた。ヤミーとオブリージュは金持ちってだけだしエポックは人当たりがいい配達のオッサンって感じだし。続編でちょっとずつスポットあてるキャラを変えていくとかそういう予定なんだろうか。今回はネゴ回みたいな。

・内田康夫「平家伝説殺人事件」


久しぶりに浅見シリーズ。最初の方があったから借りてみたんだけどもうこの時点でいつものお約束は確立されてたんですね。ただ浅見さんが思ってたより積極的というか、普通に佐和にちゅーして恋人とまで呼んでるのに最終的には特に理由もなくこれっきりで…みたいに別れるのはわりとクソだなと思いました。ご当地ヒロインは男の夢っつーかこれもまたお約束なんでしょうけど。両想いで両家族の印象もよく故郷も捨てられるって言ってんだから別れる理由なくない??あと「女性は自然体(すっぴん)の方が美しいのになぜ化粧で塗りたくるんだろう」とかいう素の女性を愛するオレを気取ってるけど実はただの面食い童貞みたいなこと言うのもちょっと。まあ浅見さんは高望みっつーか本人ハイスペですが。トリック自体は面白かったです。

・有栖川有栖「赤い月、廃駅の上に」


鉄道にまつわる不思議な短編集。やっぱ鉄道・駅っていうと死出の旅って連想がポピュラーなんだろうか。ほぼ全部人の生き死にが絡んでたような。
「シグナルの宵」では人によってはすぐ幽霊!って騒ぎそうなところを「指紋が残ってない?焼いたんだ!犯罪の匂い!」ってなるところに推理作家ぢからを感じた。「最果ての鉄道」では渡し船からフェリー、鉄道と冥界の通行手段も進化してってるのが面白かった。

・村田沙耶香「消滅世界」


がっつり繋がってるのかは分からないけど、「殺人出産」よりちょっと前のパラレル世界って感じなんだろうか?
「結婚相手にはちゃんと恋人もいて」とかナチュラルに狂ってるワードがぽんぽん出てくるどう考えてもヤバイ世界なんだけど、これで皆幸せにやってるならわりといい世界なのでは?…とも思ってしまう。殺人出産制度とか産刑まで行くと怖いけど、性犯罪はほぼなさそうだしこの世界。男も女も産休や育休取るのが普通で、二次元に恋することが普通で、堂々と推しの話したりグッズ持ち歩ける世界…素敵やん…?

まあでも「消滅」とタイトルにある通り、実験都市の中では家族や個人という単位がぼやけ、繁殖を目的とした動物のような世界に感じたな…。「『子供ちゃん』は皆の子供だから皆で育てる」というのは一見理想的な社会に見えたけど、主人公が流産した時の「あなたが産めなくても他の人が産むから」という空気はぞっとするものがあった。個人の悲しみが軽減されるとも言えるけど、女王が産んだ子を集団で育てる蜂社会みたいだなって…。
でも樹里の話(人間は皆進化の途中とか、一夫多妻制が正常とされていた時もあったとか)はすごい正論だったし、ヤバイと感じはするけど「これはこれでいいのでは?」と否定しきれないこの感じが怖いんだろうなと思う。

・内田康夫「菊池伝説殺人事件」


「菊池」という秘密主義に覆われているものを外からつついているうちに、いつの間にか全部終わってしまった…みたいな事件だった。菊池寛が「菊池」という苗字にコダワリがあった(菊地と誤字られると怒ったとか)ってエピソードはなんとなく聞いたことあったけど、実際の菊池一族の皆さんもこんな感じで菊池姓にプライド持ってたりするんだろうか。学生のころクラスにいた「キクチ君」は菊池と菊地どっちだったっけ…とふと思った。

・中山七里「テミスの剣」


有名なシリーズがあるそうなのでその前になんか単発のないかな~と思って借りてみた。これも前日譚的な話だったみたいだけど普通に読めました。
過去の冤罪事件を洗うっつったってもうこれ以上何を??って思ってたんですが、最後に予想外の人物が出てきてアチャーって感じだった…。
最後も前途多難なオチだったけど、主人公が苦悩しながらも内部告発して膿を出してるぶん以前読んだ貫井徳郎の「灰色の虹」の結末よりかはずっと希望があった。でも嫁には逃げられて当然だったしむしろなんで結婚したの感すらあった。

・三津田信三「禍家」


久しぶりの三津田信三。自分の家が怖いシリーズ。
ホラー描写がちょっと怪物的というか派手なので、レナに可愛い子役持ってきて映画化とかしたら映えるんじゃないかと思った。レナと二人で謎に迫っていくところが面白かった。序盤の終わりあたりに出てくる謎の子供のことは気になってたので最後のやつは怖かった…。この感じだと主人公がもっかい戦うっていうか今度は主人公・祖母・嫁が殺されて子供だけ生き残るパターンになりそうで不穏すぎる。

・風野真知雄「銀座恋一筋殺人事件」


「恋」シリーズの最終巻だったらしいんだけど間を読んでないので、一つ一つの謎は面白かったけどちょっとよく分かんないところも多々。おゆういつの間に帰ってたんだよ…。君がややこしい事情抱えてるのは知ってるからさっさとくっついてやれよ…。
耳袋シリーズはこの後もいくつか購入済なんだけど飛び飛びなので、また続き物になってたらちょっとやだなあ。

・畠中恵「えどさがし」


久しぶりのしゃばけシリーズ。外伝だけど。
太郎君の話がすごい神様っぽくて面白かった。国造りの神話みたいな。
「えどさがし」は明治の世に転生した若だんなを探す話ってことだけど、若だんなが長崎屋で死んだあと妖怪たちはどうしてたんだろう…と思うとつらい。というか明治妖モダンか何かも妖が警官やってたけどなんで妖の間で警官やるのが流行ってるんだろう…?

・東野圭吾「むかし僕が死んだ家」


正確には「僕が死んだ家」が舞台じゃなかったけど、過去の謎を解いていく感じが面白かった。クノッソス宮殿の話も興味深かった。

◆という読書感想文でした。
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プロフィール

早

Author:早
飽き性。めんどくさがり。
名前は「ゆう」「早(はや)」どちらでも。
とび森住人のきろく
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趣味や日常の雑多垢です

(2013.5.21-)

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