畠中恵率が多い十冊感想文

2018.02.10 00:10|読書感想文
◎ネタバレ注意◎

・島田荘司「アルカトラズ幻想」


島田荘司はもうシリーズとか調べず目についたものから読んでるんだけど、「ネジ式~」を既に読んでたためパンプキン王国のくだりはなんとなく察してた。
それはそれで不思議な雰囲気が面白かったんだけど、なんつーか「猟奇事件+論文」パート、「刑務所」パート、「パンプキン王国」パート、三つが独立してて繋がりが薄いというか…いや確かに繋がってるし段階は踏んでるけどどんどんジャンルが別物になっていくので、(猟奇的殺人事件もの→スリリングな刑務所脱獄もの→象徴的な謎の世界)、あんまり伏線回収!みたいな爽快感は感じなかったかな…。
刑務所→パンプキンは明確に繋がってるし、動機である恐竜への興味が地底国への興味へ繋がるのも分かるんだけど、最後まで読むと最初の刑事目線の事件パートだけすごい浮いてるきがする。
「知的好奇心が旺盛すぎるためとんでもない事件を犯して刑務所に投獄されたが本質的には善人で優秀な若者」という人物を作るために必要だったんだな…という制作側の都合を感じさせるというか。失語症の少年とか刑事の憂いとかは本格的だっただけに、余計に「最初とはずいぶん違うところに着地したなあ」って感じ。

・畠中恵「ゆめつげ」


しゃばけシリーズ既刊ぶんをそろそろ読み終わりそうなので別のシリーズや単発も手を付けていくことにした。
タイトル通りの「夢占いの力がある神主の話」という不思議系ファンタジーかと思いきや、しゃばけシリーズより少し後の攘夷やらが盛んになる江戸時代が舞台らしく、物騒な展開が多かった。その合間合間で急に夢に取り込まれるシーンもあるのであれ?ここ夢?現実?と読みながら混乱することもちょこちょこあった。
弓月は物腰柔らかだけど頭がよくて夢告の実力はあるっていうしゃばけの若だんなに似通うとこあったし、それを諫めるしっかり者の弟の組み合わせはなかなかに萌えるものがあった…。特に最後に弓月がオトリになるって言って別れるとこらへんのシーンとか…。
しかしそんなおっとりしたお兄ちゃんの実力を認めてドサクサに紛れて京に連れていこうとする有能彰彦さんも美味しかったです…腐っててすいません…。

ピンチの時に夢告を暴走させる→自分と身内は慣れてる(知ってる)から軽症で済んだけど敵側は慣れてなくて被害甚大!という自爆特攻は、薬にだけは慣れてる若だんなを彷彿させてちょっと笑いました。若だんなもそういうことあったよね…?w

・百田尚樹「フォルトゥナの瞳」


面白くてがーっと読んでしまった。
しかし主人公がつくづくお人よしで自己犠牲の精神に溢れた善人で、正直見ていて痛ましかった…。私なら見ず知らずの他人のために命かけるなんて馬鹿げてる、っていう黒川の主張に同意するんだけど、でも実際本当に見えてしまったらどう思うかわかんないなあ。
葵については主人公目線を本当に最後の最後らへんまで読んだところで「あれ、そういえば葵って…」と思ってようやく気付きました。が、黒川の存在を考えればもうちょっと早く気付いてもぜんぜんよかったですね…大量に分かりやすい描写があったわそういえば。葵が「他人のために生きることができる人だから」と言ったのもかなり分かりやすく指摘してたんだな…。
自分を抱くことで主人公の腕が消えていく瞬間を目の当たりにした葵の心境といったら絶望しかなかっただろうな…つらすぎる…。
「フォルトゥナの瞳」については「神様の作ったバグみたいなもの」としか言われてないけど、これが神の意志によって与えられたものなら残酷としか言いようがない。
でもなんだかんだ黒川と主人公が人を助けて死に、葵は苦悩しながらも生き残ってるらへん、こういうのは女の方が生き残るもんなのかなあ…とちょっと思った。葵も主人公を助けようとはしてるけど、なんだかんだ主人公の助言してくれた黒川と違って自分の能力のことは言わなかったし。なんというか男の方がヒーローになりたい願望強そうな気がするし、女は自分と自分の身内(家庭)を守るためなら心を鬼にできるっていうイメージ。母は強し的な。

・畠中恵「おおあたり」


けっこう大きな事件はちょくちょくあったけど、若だんなが直接危ない目にあうケースがあまりなかったからかのんびり読めた気がする。
「長崎屋の怪談」の話は切なかったし、栄吉はドンマイって感じだけど…。いや私も栄吉一行らが長崎屋に乗り込んできた時から、なんでお千夜は黙ってんの??って思ってたけど…。借金があって~とか困った事情はないんだからお千夜が断ればいいだけの話じゃん?熱烈に求愛されてときめいちゃったの?みたいな。
でも最後の「暁を覚えず」は珍しく若だんながほのぼの一人勝ちして微笑ましかったです。栄吉のメシマズ度に磨きがかかってるのがアレでしたが。

・前川裕「クリーピー」


隣人がどうのというよりサイコパスの犯罪者がなんやかんやで無双する話だった。世界仰天ニュースとかでたまに一家全員洗脳事件とかあるし、やろうと思えばやれるのかなあみたいな感じ。
主人公が(事件に対しては)わりとちゃんとしてる方なのではらはらしながらも割と安心して読めた。が、ごちゃごちゃ言い訳しながら女子大生と何度もデート行くのはやっぱ若い女に弱いスケベオッサンだなと思った。こまめに罪悪感を覚えてる描写はあるけど結局会いに行くのではいはい言い訳乙って感じでちょっと鬱陶しい。
この女子大生パートいる?とか、澪がピアノやってたって言及することはなんか後々なんかあるの?とか色々思ってたので、最後には「へーこういうふうにしてくるのかー」って感じだった。

この方の本は今回初めて読んだんですが、なんか文章が独特というか読点が多くて個人的には読みにくかった。息がつっかえるというか、テンポが阻害されて文章が逆に無機質に感じられるというか。感情移入しにくい文章でした。

・畠中恵「つくもがみ貸します」


付喪神の力を借りながら謎を解く、しゃばけの雑貨レンタル屋バージョンかと思いきや、付喪神たちはしゃばけの妖怪たちよりかなり意地悪な様子。おたえさんや若だんなは特別な血が流れてるから妖怪からも大切にされるけど、損料屋のきょうだいは普通の人間だから丁重に扱う必要ナシってことかな。
一話完結で事件を解決しつつ、裏ではずーっと「蘇芳」にまつわる話が動いてて、このへんの色恋沙汰で最初はお紅が若干鬱陶しいなと思ってた。いつまでも昔の男引きずってるなよ的な。…が、最後まで読むとずーっと踏み込めずにうじうじしてたのは男の方だったんだなあ…。そりゃお紅だって自分に箔付けるために単身雲隠れするような男より、つらい時にずっとそばにいて支えてくれる清次の方がいいよね…。つーか私だったら相手の無事を祈って苦労して用意した香炉を己のプライドのために何の躊躇もなくガッシャンされた時点で「は???」ってなるし、戻ってきたと思ったら同じ型の香炉を探すまで会いに来ないとか言われると「一度は自分で壊したくせに何言ってんの?今更香炉とかどうでもいいしあんたのプライドなんてもっとどうでもいいわ」ってなるわ確かに。

・島田荘司「ゴーグル男の怪」


序盤からゴーグル男=事故に巻き込まれた3人目というミスリードがガンガン入ってもうそうとしか思えなくなってたし、でもゴーグル男(?)視点だと夢遊病みたいになってるしこのオチだとつまんないな…と思ってたら見事きっちり謎が繋がって解決してスッキリしました。被爆した人の描写がすさまじくエグかった。

・畠中恵「つくもがみ、遊ぼうよ」


しゃばけシリーズみたいにちょっとずつ時間が経つのかと思いきや、いきなり子世代になっててびっくりした。
でも子供相手だと付喪神達もあんまり意地悪できないみたいだし、等身大の友達みたいに仲良くやってて可愛かった。

・恒川光太郎「夜市」


ホラーというより幻想的でちょっと不気味なファンタジーって感じで良かった。世界観が好き。

・内田康夫「佐用姫伝説殺人事件」


浅見光彦シリーズをテレビでちょっと見たことある程度で全然読んだことなかった人。
基本シリーズものは順番に読みたい派だけど浅見シリーズも量が膨大なので、もうここまで来たら逆にどこから読んでもいいだろ、と思って棚にあるものを借りてみた。
こういう殺人事件に伝説とか絡むの大好きなので他も色々読みたい。

◆セブンスドラゴンもやりたいけどまた特別貸し出し期間だからしばらくがっつり読書かもー!
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一月読書感想文

2018.01.25 22:24|読書感想文
つっても今年読んだのはまだ5冊。
◎ネタバレ注意◎

・江國香織「ちょうちんそで」


実は初めて読む江國香織。この人の名前を聞くといつも桃井かおりの顔が思い浮かぶ。いや名前に引っ張られてるだけだけど。
この人の話も雰囲気や文章を楽しむ感じなのかな?視点がぽんぽん変わってほとんど交わらないまま一章が終わったので、「え??これで終わり??」と思ってるうちにだんだん繋がりが見えてきたけど、でもお話として明確なオチとかはなかった気がする。文章は好きなので他にもいくつか読みたいです。物騒な殺人事件ばっかり読んでると合間にこういうの挟みたくなるんですよね。

・スティーブン・キング「シャイニング」
 

映画は見てないけどあらすじで「幽霊屋敷で逃げ回るホラーパニック系なのかな」と思ってたら、意外と本番(ホテル)に入るまでの前置きが長かった。でもこの両親(というか父)の危うい精神状態や家族の雰囲気をジワジワ描きつつ、何度も引き返すチャンスを与えられながらも自らの意志によってホテルに残ることを決める…っていう引きはぞくぞくしました。
ウェンディにも問題はあったのかもしれないけど、それは純粋に息子を愛する母ゆえの思考って感じで個人的には特に悪いことだとは感じなかった。そりゃあの状況じゃジャックを疑ってもしょうがない。
けどジャックは、っつーかアル中は救えないなっていう印象。海外の人ってけっこう気軽にファッキンとか言う(偏見)からそういう文化?なのかもだけど、序盤のまだ落ち着いてるうちから内心妻をクソッタレとか汚い言葉で罵ることが多くてそのへんからどうも良い印象が持てないよね~…。学校をやめる経緯は同情するけど…。でもしょっぱなから「気に入らない」という理由だけで面接官を挑発する段階で「何この人??プライド高すぎて馬鹿なの??」と思ったし思えば最初から印象悪かったな。やっぱアル中はアカン。

ジャックがいなくなったエピローグでは、「ホテルから生還した」ということ以上に「ジャックというアル中男から解放された」ということにホッとした。ジャックはプライドのためにホテルの管理人にしがみついてたけど、母息子二人で慎ましく生きるぶんにはそこまで仕事に拘らなくてもどうとでもできるよね。若いんだし。

・島田荘司「透明人間の納屋」

おどろおどろしい装丁にぎょっとしながらも借りてみたら、これあのシリーズだったんですね。擬態児童書。いや正確には「かつて子供だったあなたと少年少女のためのミステリーランド」ってやつらしいですが、麻耶雄嵩の「神様ゲーム」といい良い意味で悪趣味なシリーズだと思ってます。良い意味で。
透明人間のくだりは私はまるっと真鍋さんに騙されてました。へ~島田荘司ってこういうファンタジーぽいのも書くんだ的な。後から偽札とか脱北者とかってワードが出てくるとじわじわ察してきましたが…。

冒頭で真鍋さんが語っていた「誰にも評価されない何物でもない人間=透明人間」は工作員だった真鍋さん自身のことだった、というのは作中で説明されたけど、もう一つ語っていた「当然のことと信じていたことの方が実は間違っていた」という地動説の話も、後々の真鍋さんのことだったな…でもこの時の真鍋さんは自分がそうだとは思ってなかったんだよな…という皮肉な話だった。

・畠中恵「すえずえ」


しゃばけシリーズはサザエさん方式でずーっと若だんなと愉快な妖怪の仲間たちを見守りたいのに、話の節々で着実に時間が過ぎているのをヒシヒシと感じさせられるのが切ないとこだと思う。
今すぐにどうこうなるという訳でもないし時間の経過はすごくゆっくりなんだけど、今回で栄吉も若だんなも婚約者が見つかって、また一歩終わりのようなものに近づいたんだな、という感じがする。
最後の山童もあの場に若だんながいたら絶対助けてくれたと思うけど、誰も彼も助けてたら若だんなの心労が増えるばかりと、妖怪たちが若だんなの命を大事にしようとしてるのが切なかった。

・柚木麻子「ランチのアッコちゃん」


なんというかお話として面白いというより、新しい商売とか何か新しいことを始めようと思ってる人向けのお話って感じがした。
東京ポトフのゆくえは気になるのでこの後のシリーズも追いかけたい。

・今邑彩「卍の殺人」


コートのボタンが強調されるとこらへんからして明らかに部屋の交換がある(あった)んだろうな、とは思いつつ見取り図を見てトリックを考える気にはならず普通に最後まで読んで驚いてました。いやでも亮子も「女性は方向音痴が多い」「地図を見ても目的地にたどり着くのに難儀することがある」って言ってたし…。わたし見取り図とか見てもムダなんで…。
終始シッカリ推理してたように見える匠だけど、最後まで読むとやっぱり匠も一族の「弱い男」だったんだなあという気がする。目の上のたんこぶである兄姉にしたって、どうしてもイヤなら家を出ればいい話だし。実際亮子となら家を出て普通に暮らすことができたのに、宵子と家を出ることができないのは、プライドの高い宵子を説得するだけの力がなかったってことだもんな…。
推理してる時はかっこよく見えたけど、エピローグでは「分かってはいるのにどうしてこっちを選んでしまったんだろう」とウジウジしてる姿が最高にかっこわるかったです。

・東川篤哉「謎解きはディナーのあとで2」


相変わらず面白かった。なんかギャグが1より更にはっちゃけてた気が…。ツッコミが激しくてキャラがすごく動くので、前やってたドラマを改めて見たいな~~~~って思いました。
最後の話で麗子が初めて影山のことを「大切な人」と言ってラブコメの波動を感じたんだけど、これは風祭ルートなのか…?こういう流れになるとなんだかんだ麗子がくつろげるのは風祭の方なのでは?なんて気になったんだけど、この恋路が3で決着を迎えることはあるんだろうか。割とどうでもいいっちゃどうでもいいけどこっそり期待しときます。

・畠中恵「なりたい」


なんかテーマ的にもしかして最終巻??とか思ったんですがまだ続きあるようで良かった。どれもいい話だった~。
生まれ変わってもまた見つけてみせる、ってロマンだよな…。あの手代コンビなら若だんなのことならまあ見つけられるだろうなと思うけど、個人的には「猫になりたい」の猫一行が気になる。仔猫のうちに見つけて大切に保護して猫又にしてやる、ってめちゃめちゃロマンだと思う…。想像するだけで可愛い…。
「りっぱになりたい」のオチはすごいいい話だったけど、お千幸とその相手はちょっと先走りすぎなのでは…とはずっと思ってた。身分違いの恋じゃなく互いにそこそこいい条件なんだから、いきなり駆け落ちするんじゃなく相談すればいいのに。別に反対されてたわけでもない、というか好きな相手がいることすら隠してたのに。一人残された跡取り娘が兄の葬式のその日に出奔するっていくらなんでも酷いでしょう…。親が心労で兄を追うように死んでも不思議じゃないぞ…。

・高田大介「図書館の魔女」
  

な…長かった…!
本格ファンタジーと思いきや、巨人みたいなちょっと異常な進化を遂げた生物はいるけど魔法や錬金術みたいな不思議パワーはなく、基本的には中世くらいの文明と思っていいのかな?上の終盤で巨人が出てきて「あっそういやこれファンタジーだっけ」と久しぶりに思い出した。あのあたりからようやく話が大きく動き出して面白くなってきた感じ。
キリヒトとマツリカの手を繋いで行われる二人だけの特別な手話、というのは萌えるものがあったし双子座屋敷の互いを補う共闘は燃えた。
ただどうも万事において説明パートが多すぎて、かなりかっ飛ばして読んだ部分も多かったです。怪しい二人組の特殊な方言から出身地を探るくだりとか、錬金術秘宝の発禁書という名目と文章力の低さのギャップを指摘するパートとか、確かに実際そういうのあるよね、というニュアンスは伝わるんですが、どうも「架空の言語のお勉強」をさせられているようで。読んだ後で作者は言語学者というの知って納得。架空の言語って言っても西洋と東洋をくっつけたような世界観だったし、モデルになってる言葉があるんでしょうけど。
レビューで高評価してる人も「飛ばしたところ多い」と言ってる人多いし自分だけじゃなかったと思うとちょっと安心…。でもまあ「言葉」が重要な物語だから、不必要なとこをごそっと切る訳にはいかないんだろうなというのも同感です。ニザマでのキリンの説得なんかもめっちゃ長かったけど、会話の間で微妙に変わっていく関係を言葉遣いから読み取るのも面白いとこだと思うし。

ラスボスかと思われてたミツクビはとっとと遁走して、双子座関連がメインで終わったのはちょっと拍子抜けた。続編あるぽいから、タイキらが探してた隠し子とかと合わせてそっちで大団円になるのかな。
マツリカ様はツンデレ、と一言で表現できるような方じゃないんですが、

――どうしたキリヒト。(傲慢)そばを離れないでよ。(甘える)

みたいなギャップが可愛かったです。
いやでも皆黙ってる時でも二人で手を繋いで会話してるのはほんと美味しいよなあ…。マツリカがずけずけ言いまくるもんだから翻訳させられるキリヒトの方が気まずい、という図も可愛かったです。

・三津田信三「わざと忌み家を建てて棲む」


実録系ホラーは怖いからもう読まない!って決めたはずなのに借りてしまった…。
話はタイトルそのまま、「わざとヤバイ家を建てて住まわせる」というヤバイ試みの記録が中心になってるんですが、この試み自体はすごく面白いと思ってしまった。でもこの本は徹底的に実録として描かれてるので、これを素直に「面白い」と言っていいのかギモンである…。
私は前作(どこの家にも~)の感想を「創作なんだろうけど限りなくリアルで怖い、参考文献載として作中作を載せたり最後まで芸が細かい」みたいな感じで書いてたんですが、「わざと~」の最後では「あれを創作だと思ってる読者もいるみたいだよ。作中で扱った『〇〇』や『××』は実在するのにね」みたいな会話があってドキッとしました。すごい釘刺された感じで。笑
でも怖いので私は作中作が実際あるかどうか調べませんしぐぐりません!これは創作だと思い込みます!!!

◆という読書感想文でした。

※1/30追記
質問箱の運営元が変わってからだんだん痛ましくなってきたので利用停止しました。
私は本来の意図とは違う使い方をしてたので規約が変わっても特に困ることはないとは思うんですが、かといって無理して使い続ける理由も特になかったので。
今後おすすめの本があればコメントor拍手で教えていただければさいわいです。

休館期間前にいっぱい読みたい読書感想文

2017.12.18 00:16|読書感想文
◎ネタバレ注意◎

・麻耶雄嵩「貴族探偵対女探偵」

女探偵がやられっぱなしで可哀そうだな~と思いながら読んでたんですが、最終的にはなんだかんだ髭×愛香、依子×愛香がおいしかった。百合萌え属性ないのに…。
主人公が失敗と経験を重ねながら、最後にはそれらを生かして大成功!というのは王道パターンなんですが、女探偵の場合失敗や経験から得た知識というのがほぼ髭探偵の個人的な情報(潔癖症とかマニアックな手遊びとか)だったのが萌えポイントでした。
女性の前では煙草を吸わないという髭探偵が、愛香の前では平然と吸う(=女扱いしない)ところにも萌えの気配を感じます…。なんつーかこう、跡部様的な二次元キャラ×夢小説のヒロイン的な趣があった…。
依子も恋愛観だけはぶっとんでるけど、それ以外は普通に良い子で可愛い人だったので好感度高かったです。恋人達の好きなところはだいたい体の一部だけど、愛香だけは性格の一部ってのも萌えポイントだった。
まさか麻耶雄嵩作品でこんなに萌えることがあるとは思わなかった…。

・畠中恵「たぶんねこ」

冒頭に「若だんながちょっと元気になりました」と書かれてたので、今度の若だんなは活動的になって頑張るのかな?と思ったけど、最初の稼ぎ勝負以外はだいたいいつもの若だんなだったような…。
でも最初の「跡取り三人」はいつもと違って頑張って商売してる環境が面白かったです。「みどりのたま」は記憶喪失の謎の男目線で始まったので、「まさかこれ若だんなじゃないよな!?若だんなだったら風邪ひく!早く手当してあげて!!」とヒヤヒヤしてたけどスリをひっとらえたところで「あ、違うな」と安心しました。

・大山淳子「猫弁と透明人間」

猫弁シリーズ二作目。事務所のメンバーやその他レギュラーキャラの情報が入ってるぶん視点が動きまくっても一作目より読みやすかった。ただ雰囲気がすごいほのぼのしてるので途中で眠くなること多々…。癒されたい時に読むべきシリーズなのかもしれない。

・歌野晶午「Dの殺人事件、まことに恐ろしきは」

明らかに乱歩の原作を読んでから読んだ方が面白いだろうな、とは思ったけどそんなこと言ってたらいつになったら読めるか分からないので借りてみた。見るからにエグそうだし物騒な話を読みたい気分だった。結果いい感じにえぐくて面白くて良かったです。最後の話はちょっとだけほんわか要素もあって良かった。
冒頭にちょっとだけ書かれてる原作あらすじがそれだけでめちゃめちゃ面白そうで読みたくなった…けど、「『お勢登場』を読んだ男」でちょっとだけ引用されてる文章を見るとやっぱ私には読める気がしないなぁ…。

全ての作品で現代特有のネットやSNS事情などが利用されまくってたのも興味深かった。乱歩の作品を現代の視点から描くんだからあえてそういう要素を詰め込んだんだろうけど、乱歩がこの時代に生まれてたらこういう作品を書くんだろうか、どんな作品を書くんだろうか、とそんな夢みたいなことも考えた。乱歩読んだことないくせに…。

・小泉喜美子「弁護側の証人」

タイトルやあらすじからして証人の正体が重要になってくるのかと思いきや、ミステリ部分は割と単純でシンプルだった。タイトルにまでなったってことは純粋に証人の勇気や正義を称えてのことなのかな。
上級階級によくある泥沼殺人事件なのに、主人公の語りがあまりにも綺麗で詩的で物騒な感じがあまりなく読後感もさわやかだった。この人の本もっと読みたいけど図書館にはこれくらいしかないんだよな…。

・柚木麻子「本屋さんのダイアナ」

とても良かった…。二人のヒロインが良い子なのはもちろんだけどティアラと彩子の両親もいい人で安心して読めた。貴子さんも昔なんかあったのかな。そんでダイアナはこんなにも武田君に一途に想われて幸せだね…。最初はいじめっ子だった武田君となんだかんだ仲良く大人になる幼馴染の恋憧れる。
はっとりけいすけの正体は割と最初の方で察することができるんですが、これで絵に描いたような繊細な美青年だったら綺麗すぎるよなぁ…と思いつついざ会ってみるとダイアナと一緒にちょっとがっかりしてる自分がいた。いやダイアナの失望はハンパなかったけど。まあでも完璧な人間なんかいない!っていう主張はその通りだ、うん。
二人のヒロインについては希望のあるEDだったけど、個人的には途中でグレてしまったみかげちゃんが気になる。小学生時代はすごいイヤな子だったけど、みかげがグレたとこらへんでちょうど「名前の意味」についての話をしてたとこだったから、どうしても哀れに見えちゃうよね…。みかげちゃん…。

・島田荘司「ネジ式ザゼツキー」

難しい話もちょくちょく出てくるのに一気に読んでしまった。めっちゃ面白かった。
地元の図書館には島田荘司の本があんまりないんでシリーズの順番は無視して二番目に読んだんですが、いつの間にか御手洗さん海外に行ってたんですね。でもこの人の会話のノリが元々外国人ぽいから全然違和感はなかった。というか外国人とやり取りしてる方が性に合いそう。
謎の童話から事件の真相を導く、みたいな暗号めいたやつが元々好きなので研究室パートと童話パートは面白かったんだけど、「ゴウレム」パートはよくわかんなかった。ラウル視点ってことは分かるけど、最後にいつもルネスが出てくるとこ見るとこの人の見てた悪夢ってことなのかな?グロいとこは流し見したけどユダヤ人やら宗教やらのあれこれは興味深かった。

・風野真知雄「妖談うしろ猫」

初めて読む人なので不安だったけど私でも読みやすかった。「耳袋」のお奉行様は宮部みゆきの姉妹屋シリーズにも出てくるので前から気になってたんですよね~。
読んでみると妖ものというより一見不思議だけど実は…っていうガリレオ系捕物帖で、どっちかというと別の方向のファンタジー(闇の者とか忍者とか)の方が濃かった。まだ想像できる範囲ではあるけど、あさのあつこの「弥勒の月」くらい暗躍するようになったらリタイヤするかもしれない…。でもまあしばらくは追いかけたいシリーズです。
「あの越後屋の三井だって、やがては立ち行かなくて住友と手を組むこともないとは言えぬ」って台詞の遊び心に笑いつつ(もっと古い本かと思えば意外と2010年初版なんだねこれ)、改めて江戸時代から名前が残る会社ってすごいなあと思った。

・東野圭吾「仮面山荘殺人事件」

物騒な話が読みたいと思って借りてみたけど、どっちかというと緊張感が常にびりびりしてる話だった。
私が思ってたのがせいぜい明美殺しの犯人は雪恵なんじゃないか、程度だったのでラストの展開は素直に驚いた。改めて明美が哀れすぎるし高之はアカン…色々な意味で…。半端な浮気心で半端な殺意抱いたばっかりに自殺させるなんて一番残酷だわ…。

・小野不由美「鬼談百景」

さっと目次を見た限り短編~掌編サイズの怪談×100詰め合わせって感じだったので、気楽にさくさく読めるかな~と思って借りてみた。
読んでみると本当に「町の人100人にあなたの知ってる怖い話聞きました!」みたいな感じのちょっとした怪談ばかりだったんだけど、それだけに素朴で身近な怖さがあるというか、本当に修学旅行で友達と怪談してるような気分になるというか…。この本を最後まで読んだら何かあるのかもしれない、という「一人百物語」してるような気分になりました。
基本修学旅行のネタにするにはぴったりのちょい不気味な話で構成されてるけど、「密閉」の彼女のタフさと「不評」のオチにはちょっと笑いました。

あと短い話100個だからすぐ読めるだろ、と思ってたけど短いスパンで次々新しい話、別の人物が出てくるので一気に読むと意外と疲れる。いくつかの長編を読む合間にちまちま読むことでなんとか最後まで読みました。

◆という読書感想文でした。
さっそく質問箱使っていただいてありがとうございます!
書くの忘れたんですが質問箱と言っても基本的には返信はしないし、読んで感想を書くことがあっても「これはおすすめしてもらったやつで~」みたいな前置きもしないつもりです。リプやコメントや記名拍手ですすめてもらったものならともかく、質問箱の方はとにかくお互いに気を遣わないこと、を重視したいので。決して悪意をもって無視してる訳ではないのでそのへんよろしくお願いいたします。

そういうかんじなので引き続き気軽によろしくお願いしまーす!→おすすめ本箱
もうこれ読書感想文には毎回リンクはっとこうかな。

12月だよ10冊感想文

2017.12.04 23:37|読書感想文
◎ネタバレ注意◎

・高田郁「残月」

しばらく忘れてた佐兵衛の話。というか佐兵衛の話が出てくるたび何やっとんじゃーーー男ならさっさとご寮さんに会いにこんかーーーーーー!!!と佐兵衛のうじうじっぷりにイライラさせられてたんですが、今回ようやく一段落して良かった。
又次さんのことがあったけど、つる屋全体の風向きが段々いい感じになってきて、澪の未来もはっきりして目的も定まってきて、周りもどんどん後押ししてくれるような環境が整ってきて、いよいよあとは突き進むだけだなという雰囲気。今まではずっとご寮さんの店が…つる屋が…のえちゃんが…小松原さまが…と捨てられない選択肢だらけでしたからね…。小松原さまのことは本当に残念だったけど、あっちもあっちで腹くくって幸せになろうと努力してるらしいので、これ以上想いを募らせるのは野暮ってもんですね…。げんさい様澪を幸せにしてやってくれ…。

・三津田信三「作者不詳」

実録系ホラーかなと思ったけど、今回は明らかに創作だったのであんまり怖がらずに読めた。
三津田先生カガクシ村もサギリも好きね~~~~本当に!読んでる最中は「どんだけヤバイ地域なんだよカガクシ村とその周辺…」「このサギリは『まじもの~』の事件の後なのか?」とか色々考えてたけど、最後まで読んでみると本当に三津田信三が好きだったからという理由だけで取り上げたんじゃないのか、と思わんでもない。
いわくつきの同人誌に載ってる不気味でホラーな話パートと、その謎を解決していく探偵(?)パートという構成は面白かったんだけど、「謎を解かなければ怪異に襲われる」という時限要素?パニック要素がどうもホラーにしてはあからさま過ぎて、また毎回キッチリ謎が解けすぎて、その点で実録ホラー感より創作っぽさのが勝ってたんだと思う。「謎を解かなきゃ怪異に呑まれる」というのも訳ワカランしね…。例えば恨みで悪霊になった人に「実はあんたが恨んでるあの人にはこういう事情があってね…」と霊本人でさえ知りえなかった真実を突き止めて怪異が収まる(成仏する)というのなら分かるんだけど、この話の場合だいたい怪異本人(?)が知ってる情報を明かすので「正解!オメデトウ!」ってクイズ感覚で収まってるように見えてシュールでした。

そんな感じで謎解き中心に読んでたんですが、終盤から「三津田信三」が浮かび上がってきて、最終的には「狂ってたのは主人公=作者だった」というオチでいいの…かな?そう思うとカバーの折り込みのとこに書いてる「迷宮草子をお持ちの方は~」という思わせぶりな「作者の声」がまったく別の意味を持ちだしてくる怖さ。話にレギュラーキャラとして出てくる友人は明日香の方なのに、ここのカバーのとこに出てるのは祖父江なのなんでだろう?明日香は死ぬのかな?とか思ってましたが、そういうことね…。

・高田郁「美雪晴れ」

とりあえずは芳の再婚がうまくいってよかった。つる屋の後継者も無事見つかって、周囲も澪が旅立つ準備を整え終わり、後は稼ぐだけ!というとこまで来た。
もうすっかり恋愛系の話は遠ざかったけど、げんさい様とは特に何もなく終わるんだろうか…。小松原様の助言も助かったけど、げんさい様の助言も最初からずーっと澪の支えになってたんだけど、そこ澪は特に何も思ってないんだろうか…。
あとオマケに出てくる「琥珀寒」って、もしかして「銭二貫」に出てきたやつかな?

・東川篤哉「謎解きはディナーのあとで」

「密室の鍵~」のノリが合わなかったんだけど、ドラマが評価良かった気がする(見てない)ので読んでみた。
コミカルな作風は「密室の~」と同じ感じだったんだけど、お嬢様にボンボンに失礼な執事と個性的なメインキャラと噛み合ってるというか、普通にギャグとして楽しめました。影山も有能クール毒舌執事と思いきや、意外と愛嬌があって可愛い。面白かったです。
シリーズ全部読みたくなったし、ドラマも見たくなった。トリックみたいなギャグミステリー好きなんだよね~。

・阿川佐和子「残るは食欲」

小説じゃなくておいしい食べ物に関するコラム?エッセイ?って感じなんだろうか。おいしそうでした。次は小説も読んでみたい。

・高田郁「天の梯」

あ~~~~~~ついに終わったーーーーーーーー!!!
最後の最後で富三とか酪のあれこれとかトラブル持ち込んでくんじゃねーよ!と思ってたけど、その最後のあれこれでようやく佐兵衛も本当の意味で落ち着いて全部丸く収まってよかった。
げんさい様との恋はもう本当に「やっとか!!!!」としか言いようがない。長かったねげんさい様…。でも私は最初からずっとげんさい様派だったから…。小松原様もいい男だったけど、澪の職業的にも理想的にもげんさい様の方ががっちり噛み合ってましたからね~。小松原様は真逆だったから…。
でも二人の恋がさっぱり進まなかったのは、澪が料理バカってのもあるけどげんさい様も奥手すぎたのもあるよ…。男なら一発きめてくれ!とずっと思ってたので、本当にようやく言ってくれた感。

主要キャラ皆魅力的だったけど個人的に上位に入るのは清右衛門さんですね…可愛すぎる偏屈頑固ツンデレ親父…。大阪での店の名前でありタイトルにもなってる「みをつくし」をちゃっかり命名しちゃう可愛いオッサン…。終盤になると皆も扱いに慣れてきててまた可愛い。けしからん!!!!と文句言いながら無言で「ぬっと」空になった椀を差し出す、というくだりが一体何回あったのか。誰かカウントしてくれ。

・スティーブン・キング「夜がはじまるとき」

そろそろ海外小説も読みたくなったので、取っ掛かりとして言わずと知れた巨匠S・キングの短編集を借りてみた。…けど、4つ読んだくらいで挫折。
これはホラー中心でしかも短編集だからなのかな…?「魔性の猫」は普通にグロ怖いだけでそのまま終わったし、読んだ話はどれも最初の雰囲気そのままで、特にひっくり返ることもなく終わった感じ。怖さやグロさの描写、過程を楽しむ感じなのかな。雰囲気を楽しむタイプのホラー自体が私には合わないのかもしれない。元々ぐろいの苦手だし。
でもキングはたくさんある長編の方が圧倒的に有名なので、これでリタイヤせず次は長編(でもあんまり長すぎないやつ)に手をつけていきたい。子供のころ読んだ「ドラゴンの眼」っていうファンタジーは普通に読めたから、文章自体が受け付けないってことはないと思うんだよなあ。いや文章は翻訳した人にもよるのか?よくわかんないけど。

・小川洋子「最果てアーケード」

ずっと前に買ったまま積んでた文庫。まだ読んでなかったのかこれ!と思いながら読んだんだけどとても良かった…。すごく良かった…。いつもの不思議で繊細な小川洋子ワールドがあるのはもちろんだけど、主人公の「私」についても興味深くて最後の方は一気に読んでしまった。そしてちょっと涙ぐんだ。この余韻がいいんだよなぁ~…って思うから買って良かった…。
読書メーターで登録しようとしたら同名で漫画化されててびっくりした。小川洋子作品で漫画化ってあんまりなくない?こっちもいつか読みたいな~。

・近藤史恵「タルト・タタンの夢」

食べ物系日常ミステリというと前読んだ「和菓子のアン」もそうで、ちょっと嫌な予感もしたけど面白かったです。
和菓子のアンではどうも店長の推理が鼻につくというか、有能でいい人なのは確かだけどなんかいや~な気がしてたんですが、客が話をする前から買ったものや服装なんかで勝手に推測し始めてるところが詮索好きの野次馬っぽく見えてイヤだったんだと思います…。パ・マルのシェフは客が話をしてから自分の考えを言うって流れだったし、服装とか見た目での推理部分が少なかったためかそのへんの「なんかイヤな感じ」がなかったと思う。
ま~こぢんまりしたレストランのシェフと、デパ地下の店長では客との距離が違う(前者の方が気楽に話できそう)ので、後者は積極的に野次馬しなきゃいけなかったのかな…とは思う…。

謎解き自体はシンプルで「へ~」で終わることが多かったけど、基本的にほのぼのした話が多かったし何より美味しそうでした。

・宮部みゆき「三鬼」

お待ちかねの三島屋シリーズ四作目。全部面白かった~!
ひだる神のほのぼの美味しい話も良かったし、おくらさまの不気味な家神信仰もめっちゃ好き。表題作の三鬼も迫力があってすごかった~。
貧しい村で弱者の間引き、というのは昔話ではよくある話だけど、そのために村を二つ分けるという徹底ぷりがいかに厳しい状況なのか物語っている。皆…というか知ってる一部の人達はもともとそのつもりで暮らしてる、ってことだしね…。悲劇が常習化してるというかなんというか。
短気でヤンチャだった同僚がちゃっかり志津を娶っていったっていうエピソードだけはほっこりしたけど、それ以外は徹底して暗くてオチもすごく…好みでした…。
人を殺める仕事を率先して請け負う鬼だけど、決して血を啜って生きるような猟奇的な悪霊ではなく、村人の悲痛な悲しみが具現化して肩代わりしてくれた鬼だったんだな…。

「三鬼」が色々好みすぎて書くの忘れそうになってたけど、おちかの恋路も意外とあっさり終わってしまった…ってことなんですよね?浪人先生本人の過去は実はあんまり覚えてないんですが(確か三島屋シリーズじゃなかったよね?)、確か幼馴染の許嫁が強欲な殿様にほとんど殺されて逃げ出したとかいう話でしたっけ。峠を越える時に幼馴染を想って泣いた、みたいなシーンが印象的だった…気がする。
おちかとの恋は明らかにお互い意識してるけど行動に移せないうら若き二人って感じでほのぼのしてたけど、そういう甘酸っぱい恋はちんたら浮かれてる間にこういう外部のきっかけで呆気なく終わってしまうんだよなあ…という妙なリアルさが…。でもこの貸本屋さんと将来くっつくことになるのかな。続きも楽しみだー!

◆という読書感想文でした。
11月は10冊しか読めなかったので12月は特別貸し出し期間中にがっつり借りて冬の休館中にたっぷり読みたい。

猿のように本を読んだ10月

2017.11.07 12:40|読書感想文
◆猿が本を読むかどうかはさておき。
10月はリアルでちょっと病気というか怪我というか、とにかく体調不良で2~3週間ほど通院しなきゃいけなくなって色々と鬱で、能動的な趣味をやる気になれなかったのでひたすら娯楽を享受する側に回ってました。そしたらちょうど図書館で特別貸出期間も始まって、特に10月後半はアホみたいに本を読み漁ってた…。
というわけでもう10冊溜まったので感想文です。ちなみに今はもうほぼ完治してます。
◎ネタバレ注意◎

・百田尚樹「モンスター」

整形手術にのめり込む女。って前にも読んだことあるしテレビのドキュメンタリー番組とかでもよくあるけど、こういうの見ると結局そういう人間を作り出すのは周囲なんだなあ…という感じがする。
「豊かになると美の価値が上がり美が多様化する」「すべての女性が美のランキングに強制的に参加させられる」という心理学の先生の話はしみじみ納得してしまった。昔は美は一部の地位と金を持った人間の嗜好品だったのに、階級がなくなって自由結婚ができるようになると庶民にも手が出せるようになった。男はなるべく美人の嫁がほしいし、そうするとなるべく多くの男に「美人の嫁」がいきわたるように美の範囲が広がり多様化した…というくだりでは、「結局男なんか~い!」ってなりました。でもすごい納得してしまうのが悲しい。

和子の稼ぎっぷりや復讐はちょっと引いちゃうとこもあったけど(それブサイク時代に自分がされて嫌だったことじゃ…的な)、きれいになったからってここまで堂々と振る舞えるのは正直羨ましい。学生時代は虐げられてばっかりだったけど、最初の整形あたりからズケズケ反撃しまくるとこはスカッとした。もともと気は強いし向上心も行動力もあるし努力も惜しまない人なんだよね。整形に頼りっきりになるんじゃなくスクールに通って所作を身に着けたりするのもそうだし、いくらいかがわしいお店でもトップに立つためには話術や気配りもいるだろうし、レストラン経営だって「オーナーの顔が綺麗」だけじゃなくお店のノウハウ必要だろうし…。全体的に観察眼が鋭いと思ったし、与えられたアドバイスを素直に吸収して生かしていくのもすごい。美人とは言わなくても、普通レベルに生まれてたらまっとうな道でバリバリ働いて出世してそうなだけに惜しい。崎村さんの告白はグッときた…。

・小川糸「あつあつを召し上がれ」

みおつくしシリーズと食堂かたつむりを読んで以来、ご飯系や料理ものに興味が沸いてる。おいしいご飯の描写って、面白いとかじゃないけどなんか読んでてホッコリするよね…。

・宮部みゆき「幻色江戸ごよみ」

ちょっと不思議な短編集。個人的には鬼子母火、器量のぞみ、庄助の夜着、首吊り御本尊が好き。
「器量のぞみ」に出てくる幽霊のあけすけな感じと、物おじしないお信のやり取りが面白かった。

・東野圭吾「白馬山荘殺人事件」

美人のナオコとイケメンのマコトの女子大生コンビによる謎解きが新鮮で面白かった。どっちもそれぞれ武器を持っててスイスイ真相に近づいていくのが見てて楽しい。
マザーグースの謎解きについては私は丸投げ状態でしたが、ヒントは各所に散りばめられてるから自分で謎解きしたい人にもいいかもしれない。マザーグースの謎めいたちょっと不気味な雰囲気とオチも素敵でした。

・坂木司「和菓子のアン」

和菓子×日常ミステリーもの。
仕事仲間が全員ギャップ系個性派で、特に立花さんは普通にクール系イケメンだったと思ってたので、素になってからもイメージが固まらずけっこう混乱してました。なんつーか、脳内イメージが定まらないというか…そこが面白いんですけど。こう、「やなやつやなやつやなやつ!」のみみすば系ラブコメをイメージしてたので…実際は女子会だったんですけど。
和菓子にまつわる日常ミステリーは「はぇ~すっごい」という感じで普通に楽しんでたんだけど、謎解きをする椿店長に若干のドヤ感があるというか鼻につく印象はあったかな…基本的にはいい人だと思いますけど。

・宮部みゆき「堪忍箱」

いつものちょっと不思議な短編集かな~と思ったけど、今回はより人間の情念や誰しも裏に抱えてる秘密や思いなんかに焦点が当てられてた気がする。結末がぼんやりしたまま終わる話が多かった。面白かったです。

・夏樹静子「Wの悲劇」

一族+春生の工作パートを見てる時はすごくうまくやってるように見えるのに、警察の捜査パートが始まると穴が次から出てきてガバガバじゃねーかやっぱ悪いことはできないんだな…と思ってたらそれすら仕組まれた罠だった。と思ったらまた罠が…という感じで目まぐるしく状況が変わっていく終盤が面白かった。
色々推理小説読んでると、エラリーやらドイルやら横溝正史やら古典ミステリ作家の名前がしょっちゅう出てくるので、そのうちこのへんも読んでいきたいなあ…とは思ってるけどなんやかんや後回しにしちゃうね…。絶対知ってる方が面白くなると思うんだけど。

・高田郁「夏天の虹」

前回のラストでお断りするんだろうな、とは分かってたけどやっぱきつい…悲しい…。
美緒が励ましにきた時はもしかして、と思ったけどそんな都合よくいかないよね…。このへんで揺れ動く澪は、ずっとウジウジしててみようによっては身勝手なんだけど、その気持ちは分かりすぎるので責める気にはなれない…。いくらすっぱり諦めたと言っても、いざその相手が正式に結婚するってなったら落ち込むよな…シンドイよなぁ…。
でもって指を切ったと思ったら今度は味が分からなくなるという不幸の連続。正直げんさい様から「辛いことを忘れるくらい幸せなことか、もっと辛いことがあれば治るかもしれない」と言われた時点で不穏な気配はプンプンしてました。この作者なら絶対後者の展開に持ってくに違いない…!と思ってたので又治さんのとこは「くるべき時がきたか…」という感じでした。せっかく仲良くなったのに又治…。
この後三巻をまとめて一気に借りられたんだけど、なんとなく表紙が明るい感じなので今後反撃のターンが来ると信じてます。

・麻耶雄嵩「貴族探偵」

この作品の存在を知って読みたいな~と思った直後にドラマが始まったので、なかなか借りることができなかった。先日棚にあるのを発見したのでようやく読めました。
ドラマ放送中は「麻耶雄嵩の作風をテレビで流していいのか!?」「誰がそこまでやれと言った」みたいに黒い方面でよく話題に上ってたので期待してたんですが、改めて読んでみると別にそこまで…黒くなくない…?「さよなら神様」みたいに最後の最後で探偵のゲス行為が明らかになったりするのかと思ってたので、本当に「女を口説く以外何もしない探偵」のまま終わったのはちょっと拍子抜けました。使用人に投げっぱなしの貴族探偵という設定や、謎解き自体は面白かったです。思ってたより黒くなかったけど美容室のトリックはなかなかに猟奇的だった。

・大山淳子「猫弁」

のんびりした文章であっちこっち登場人物が現れては視点が動くので、正直かったるいなと思いながら読んでたんだけど、中盤から段々人物同士が繋がり始めて面白くなってきました。
百瀬先生もぽや~っとしててたまにバカっぽいんだけど、敏腕弁護士らしく依頼人とのやり取りになると強気でかっこいいし察しが良い。でもとにかく人が好いからイヤミにならなくて好きなキャラでした。自分の悲惨な出生にも捨てられた猫達についても、人が良すぎて愚直なほどだったけれど、テヌーと出会うシーンでの「この子は捨てられたのではなく、誰かが愛を持ってここに置いたのだ」「そういう運命だと思えてきた」というところではちょっとシンミリした…。
恋愛的にはまこと先生とくっつくと思ってたので、最後にやってきた人物には驚き!そして感動してちょっと泣けた。
シリーズものなのでこの後も読みたい。

◆という読書感想文でした。
ガルモもやりたいけど貸出期間の都合でちょっと本の方を急いで読まなきゃいけないのでしばらく読書中心です。
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Author:早
飽き性。めんどくさがり。
名前は「ゆう」「早(はや)」どちらでも。
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