夏だし怖いのも読みたいよね色々10冊感想文

2017.07.24 00:50|読書感想文
ゆうほど特別怖いのばっかり読んだ訳でもないんですが。
というよりほぼ通常運転ですが。
以下◎ネタバレ注意◎

・浅田次郎「憑神」

実は初浅田次郎。と書いてしまうと新選組推しを名乗ってるくせに壬生義士伝を読んでないことがバレてしまいますが、このへんの世代の人の文章ってなんか難しそうっていう先入観があって避けてきたというか…。でも最近時代物を色々読んでるのでトライしてみたら、案外読みやすかったしクスッと笑っちゃうようなところもたびたびありました。有名な方なのでこの調子で色々読みたい。

内容は有能なのにお人好しの気性と不運な運命によって燻ってるお侍さんの話。
襲いくる邪神たちを次々タラシていく彦四郎カッコイイ!でもお人好し!個人的には息子とのエピソードが泣けた…。親子ものに弱い…。
家を追われた実の父親より、当主のジジイを慕う息子を叱るのではなく褒めるくだり良かった…。彦四郎からしたらあんなクソジジイの話真に受けやがってクソガキが!とブチギレてもおかしくないのに、血より義を重んじるのが侍であり、「俺は家よりお前たちを愛しすぎてしまった」と反省するところがせつねええ…お人好しすぎんだろ…。
ラストの出陣のくだりも、細かいこと抜きにした「生きよ」というストレートかつ切実な台詞が胸に刺さる。
ただこの作品も私に教養がもっとあったらグッときたんだろうな、という個所がたびたびあった…。他作品はもっとよそで勉強してから読もうかなあとも思ったけど、そんなこと言ってたら一生読めそうにないのでちょくちょく手を付けていこうと思います。

・和田はつ子「雛の鮨」料理人季蔵捕物控

時代物×料理もの×捕物帳のよくばり三セット。
初めて読む方だけど私にも読みやすくて面白かったです。
料理人としての腕は既にそれなりにあって、捕物帳の要素の方が多い印象かな。今回で季蔵は過去の因縁にケリを付けて一件落着、次回作からはいよいよ裏稼業に本腰入れ始める感じなのかな?元が侍だから裏稼業の方も有能で見ていて心配するところがあまりない。個人的にはもうちょい料理人として苦労する話読みたいな~。

・貫井徳郎「愚行録」

インタビュー形式で進む話は、目隠しでがけっぷちを歩かされてるような怖さや不気味さが面白い反面、作者に露骨にヒントを隠され誘導されてるような理不尽さもあって難しいところ。
外面だけ美しい田向夫妻の悪行が次々と明らかになるので、これはこれで皆怪しくて面白いけどどこまで続けるのかなーと思ってたら、冒頭の新聞記事「田中」の名前が出てきたあたりから俄然楽しくなってきました。「尾形」の章からはもう一気って感じ。
妹はもちろんインタビュアーの正体も疑ってかかってましたが、宮村が死んだという話で一気に臭くなってぞくぞくしました。
愚行録というのは誰の記録を指しているのか?悪辣な田向夫婦か、自分だけは火の粉が降りかからないよう予防線を張りながら夫婦の陰口を叩く友人か、それともインタビュアー本人の足跡か。というのを読んでる間考えてましたが、最終的には全員が全員愚かだった、という意味で良さそうですね…。なんともぞっとするオチでした。

・京極夏彦「冥談」

そういえば京極夏彦は塗り仏で挫折して以来読んでないけど他にもいろいろあったよね?と最近になって思い出したので、単体で読めそうな短編集借りてみました。
不気味で不思議な、夏場に読むにはちょうどいいほんのりホラーだったと思います。
印字がところどころ薄くなったり濃くなったりするのは、ちょうどろうそくを囲って百物語をする時のような炎のゆらめきを表現してるのかな?各ページの章タイトルやノンブルの表記も凝っててさすが売れっ子作家は金かけられるなあと思いました。

・和田はつ子「悲桜餅」料理人季蔵捕物控

シリーズ二作目。
前作と引き続き、主人公が隠れ者としてもも料理人としても超有能で、けっこうな巨悪に立ち向かう割にサクサク進み過ぎて物足りない感ある。無辜の民をいいように使ってる悪がのさばりまくってるのに、塩梅屋に集まった客と情報出し合ったり季蔵がちょっと本気出すだけであっさり解決して、それまで何もできなかったお上無能過ぎと言うか…。
やるせない結末は割と好きではあるんですが、だんだん話より江戸の文化とか食生活のお勉強として楽しんでる面の方が大きくなってきた気がする…。

・伊坂幸太郎「チルドレン」

久しぶりの伊坂幸太郎。短編集ということもあってサクッと読めた。
ずば抜けて変人の陣内はもちろんだけど、鴨井君も長瀬もいいキャラだし優子と武藤君もいい人で、メインキャラみんな好きになれた。
陣内は「アイネクライネ~」に部分的に出てきたキャラ(美人の嫁さんを颯爽とゲットした人)とちょっと似てるとこあったんだけど、後者は周囲の評価の割にあんま大したことしてなかったのでいまいちピンとこなかったんですよね。陣内も同じ匂いを感じたんだけど、今作は登場人物が少ないこともあってガッツリ陣内の奇行(奇跡)に焦点があてられて納得できる展開でした。
種は割と読めるとこもあったんだけど、「チルドレン2」のオチは「そう来たか!」とちょっとした感動があった。
家庭環境とか難しいこと抜きにして、「親がかっこよけりゃ子供はグレないんだよ」というシンプル過ぎる答えは真理にかなり近いと思う。まあその何に「かっこよさ」を見出すか、ってのがまた個人差あるとこなんで難しいですけど。

・小川糸「にじいろガーデン」

前情報何も見ずに借りたので同性愛のカップル(レズ)の話だとは思わずビックリした。
この人の話はメインキャラの周りに優しい人が多すぎるというか、かなりの都合の良さも感じるんですが、私も「優しい話が読みたい」と思って読んでるのでそのへんはアリな範囲。現実的なことを言うと(「食堂かたつむり」もそうだったけど)ド田舎の一日1~3組しか客を取らない個人経営の食堂やゲストハウスなんかやっていけんの???とはめちゃめちゃ思いますけど、そのあたりは突っ込まないお約束。
おチョコママの病気あたりからは涙腺がゆるむ場面も多かった…のだけど、登場人物に優しい物語ならソースケの救済もやってほしかったッ…!ご都合でいいから目覚ましてほしかったよ!いちばん優しくて察しのいい人が最後に貧乏くじ引かされて終わるのはどうなのか…。
泉もチョコもいい人だし一生懸命やってるのには違いないけど、ソースケ目線&宝目線に切り替わるとなんか勝手な人に見えてしまう。ソースケにタカシマ家家訓を破らせたのはタカシマ家なんやで…。温かくていい話のはずなのに、最後にしわ寄せが全部ソースケに行ってしまい、そこまで追いつめてしまった人たちは何も気付いてないという、同性愛の理解を示す話なのか同性愛への皮肉なのかよく分からない話でした…。

・伊坂幸太郎「サブマリン」

面白かった~。相変わらず陣内はムチャクチャなんだけど、会話はばかばかしくて思わずクスッとなっちゃうところも多々。
まさに「直接関わるのはイヤだけど遠目に見てるぶんには楽しい」人。いや、永瀬くらいの距離感なら色々新鮮な世界に引っ張りだしてくれそうでちょっとは楽しそう。少年たちにとってもいい相談役。が、武藤みたいにチームになって一緒に仕事するのはすっごいめんどくさそうだな…。
内容は少年法で守られ裁かれない子供たちの罪、という重すぎていくら考えても答えの出ないテーマ。それこそ子供たちの事情はさまざまなんだから、どこをどうやったって完全な正解なんて出ないよね。人が死んでるんだから、どんな罰が下されたってハッピーEDにはなれない歯がゆいジレンマ。それでも若林の希望を感じさせる終わり方はよかったです。
そして闇の中で活躍する永瀬はかっこよかった!こういうハンデを抱えた弱者と思われたキャラが物理的に活躍するのは「砂漠」の超盛り上がるとこ思い出して痺れた!

ただ中盤?か序盤?くらいからずっと気になってたんだけど、鴨井君・・・しんだの・・・・・・??
割と早いうちになんとなく匂わせる描写があって「あれっ?」と思ってたんだけど、永瀬家に若林を連れてった時の「昔の思い出を語る日」ってそういうことだよね…?そりゃあ「チルドレン」の時独身だった武藤が結婚して二人も子供できてるくらい時間が経ってんだから、誰かしら当時の友人知人が亡くなっててもおかしくないですけど…。鴨井君の冷静なさっぱりした切り返し好きだったんだけどなぁ…。

・三津田信三「厭魅の如き憑くもの」

カガクシ家とカガチ家の対立、更に家の中の上下関係に婚姻関係に複数のサギリと、覚える要素テンコモリで「こんなの絶対理解できない!!」と思ってましたが、何度も何度も作中で説明されるうちになんやかんやちゃんと覚えました。サギリの区別なんかは自分でも意外なほどアッサリできるようになった。なんとなく漢字で各サギリがイメージしやすかったんだと思う。
久しぶりの刀条シリーズだったけど、相変わらずのアハ体験でした。確かに読んでる間はなんか時々違和感あるんですよ。「本当は分かってたんだから!><」っていう強がりじゃなくて。でも「そういうモンなのかな?」「あーそうだっけ」みたいな感じで流してると、最後にちゃーんと回収してくれて「あっやっぱり!それ引っかかってた!」ってなるんですよね。

それにしても恒例行事の迷走後の真相はすごかったー!
まあ死んだと思われた人物が実は生きてたとか、カカシ様の中に第三者が入っていた、村内に巡らせたカカシ様の中に入って情報収集していた、というような発想自体はそこまで突拍子ないものではないですけど。というか真っ先に考えるとこだと思います。
でもその布石というか伏線というか、それらの仕込み方がスゴイ。
間取りの位置関係がおかしいとか「白と黒」の記述が「黒と白」になってたとかは全然気づかなかったけど、「誰視点で書いてるんだこれ??」って文章がちょくちょくあったのは気になってたんですよね。刀条も触れてるけど、基本は神視点で書かれてるっぽいのに「~のようだった。」とかいう推測の表現がめちゃめちゃ多いとこが。え?そこそういう表現なの?それでもいいかもしれんけどなんかおかしくない?と思いつつ、(これは刀条シリーズの一作目だから三津田氏もまだ文章書きなれてなかったのかな…?)とかどちゃくそ失礼なことを考えてて申し訳ございませんでしたーーッ!


あと私が読んだのは講談社の文庫本なんですが、画像を見ると分かるように表紙は黒目がちの不気味な美少女(おそらくサギリ)が描かれてます。で、これまた見て分かるように顔は表紙左側に寄せられて少女の右目が途中で切れてるんですが、これはカバーに描かれてるので実際はもうちょいイラスト部分が多めに取られてて、カバーを折り込んだ先にもほんの少しだけイラストが続いてるというか…説明するのムズカシイですけど…。

つまり読んでる間はこういう状態になるんですけど、
mzmn.jpg

おわかりいただけただろうか・・・

mzmn02.jpg

ココ!!!
ここに少女の黒目の部分がチラ見えして、読んでる最中も何か視線を感じてコワイんですよ!!!もう途中から怖くて集中力続かなくなってきたし後半はずっと見ないようにしてました。ただでさえ三津田信三作品の表紙は怖くて表向けて置いとくと視線を感じてイヤなのに、読んでる最中もコワイって嫌がらせか!!
このカバー黒目はみ出しを作中の「いつもカカシ様が見てる」を表現して意図的にやったのなら考えた人はマジ天才だと思うし最高に性格悪いと思います(褒めてます)。

・三津田信三「十三の呪」

絵に描いたような特殊能力持ち無愛想ヤレヤレ系主人公で、刀条シリーズや他作品よりかなりライトな仕上がり。そのままアニメ化できそうな。個人的にはあんまり好きな性格じゃありませんが、コミュ障で真剣に悩んだり終盤謎が解けるとウキウキで種明かしし始めるとこは可愛かったです。
刀条シリーズが過去の話として出てきたり、その内容(ナガボウズとか)も出てきたのはちょっと面白かった。たまたま「まじもの~」を読んだばかりだったから、カガグシ村のその後とか出てきたのはオッってなりました。まあカカシ様の正体がバレちゃったら廃れるよね…。

◆という感想文でした。
結局「殺人症候群」は文庫で購入したんですが、読むのはちょっと先になりそう。次の更新はいつになるのだろう…。

そういえば先日出たハチさんの新曲がすごくツボでこればっか聴いてます…。
でもハチさんの新曲出た!ってツイのトレンドで知ってまず行ったのがゆーちゅーぶで、一日つべリピートで聴いた後「あっそういやニコ動でもアップしてるよね…」と気付いたその時まざまざと「砂の惑星」を実感しました…。あんまりこういうこと言いたくないけどほんとボカロ廃れちゃったねえ…。



あんまり歌詞考察とかするの得意じゃないけど、
「思い出したら教えてくれ あの混沌の夢みたいな歌」
のとこで粗削りではちゃめちゃで色んな曲が溢れてた昔のボカロシーンを思い出してしんみりしちゃいました。最近めっきり見なくなっちゃったけど、素人と時々めちゃめちゃうまい人らが入り乱れてガチャガチャやってる感じが好きだったな~。
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ジャンル色々10冊感想文

2017.07.06 17:58|読書感想文
本当に色々。
◎ネタバレ注意◎

・道尾秀介「向日葵の咲かない夏」

生まれ変わったS君が当然のように受け入れられてる突拍子もない世界観は個人的には好きだし、S君はおろか岩村先生もお爺さんも主人公でさえ信じられなくなっていく過程もすごく面白かった。けどモノもヒトも夏の暑さで腐っていくような汚さがあるというか、臭気が漂ってきそうというか、そういうのが全面に押し出されてて読むのがちょっと辛かった。

「生まれ変わり」については登場人物らがやけに理解があるので、この世界はそういうもんなのかな~とか、転生について深い信仰や伝承がある地域なのかな~とか思って普通に流してたんですが、最後まで読むとS君を受け入れて普通に会話してたのは皆「転生した」人達なんで、つまりそういうことなんですよね…。S君の話していたことも嘘ばかりで、今思うと主人公も知ってる情報から推理を組み立てただけで、新しい情報は何一つなかった気がする。そもそもS君が本当に転生していたのなら、「死んでくれないかな?」の件を言うはずだし。何より転生した人たちは皆主人公に優しい。エピローグでの母親は人が変わってるし、家族揃って話してるのに主人公は「葬式」の後親戚の元へ引き取られることになっている…。

そのあたりを踏まえながらもう一度読み返したらかなりぞっとする場面が多そうですが、やっぱり私は嫌悪感が先に立ってちょっと再読はムリかな。お爺さんの転生先とか本当にムリです。
でも話のエグさは好きでした。エグいの好きな人&ちょっと汚くても平気な人にはいいのかもしれない。

・道尾秀介「片目の猿」

最後の最後で今まで頭の中で描いていた景色に色が付いて全部塗り替えられるような感覚!
ただ主人公もそうだけどアパートの住人の個性が特に強烈で、少年漫画的というかかなりライトなノリなので、がっつり硬派なミステリが読みたい人には合わないかもしれない。まあ漫画的って言っても絶対漫画や映像化はできない作品でしょうけど。

・宮部みゆき「天狗風」

姉妹屋お初捕物帳二作目。今回も面白かった~~~もう鉄が可愛くて可愛くて!
古沢パパも前作ですっかり憑きものが落ちたようで、完全にただの良いパパ上だった。「うちの馬鹿息子が!」をいちいち強調しまくってたけど、一応勘当したってことになってるのに馬鹿息子呼ばわりなんだから、つまりそういうことだよね…ツンデレパパン…。
古沢さまは父ではなく叔父と同じ算術の道に進むことで父の猜疑心がいっそう増すのでは…と懸念してたけど、実際算術の道に進んで好きなことしてた方が捕物っぽいお仕事に身が入るようになったので、パパ上は内心「やっぱり俺の息子」とうれしくなってるのかもしれない。

・小川洋子「不時着する流星たち」

今回もどこか狂気や残酷さが滲むたいへん美しい文章でした…。
「測量」の像の話とおじいさんの音楽、日常的に死に近いせいで常に危うさを覚える「手違い」、少女のコンプレックスと狂気と憧れが見える「若草クラブ」、身勝手な夫婦がリアルな「さあ、いい子だ、おいで」、オチが切なすぎる「十三人きょうだい」が特に好きでした。
「臨時実験補助員」のどこか不気味な感じも好き。この手紙を放置する実験、軽く検索してみたけど特に結果などは出てないみたいなので気になります。確かにロマンのある実験だと思う、今やったら批判されるだろうけど。

・柴田よしき「小袖日記」

平安が舞台のお話だけど、主人公が現代からトリップ(?)したさっぱりしたアラサーOLでサクサク気楽に読めました。主人公の語りが軽すぎて笑っちゃうこともしばしば。
内容は日本人なら誰もが義務教育中に学び、そして多くの人が「こんな軽薄な女泣かせてばっかの男の話のどこがそんな面白いんだ…?」と感じる「源氏物語」が、ちょっとは救われるようになるかもしれない裏話。
個人的には「源氏物語」ではとにかく怖い印象があった「葵」の章と、健全な女性「明石」の章が好きでした。波にさらわれたって表現素敵だな~。
ついでにこの作品で平安豆知識を得られるかなと思ったけど、割と汚かったりえげつない事情が多かったです。

・貫井徳郎「ミハスの落日」

海外を舞台にした短編小説集。
舞台はなんだかどこもロマンチックでエキゾチックでちょっとした旅行気分を味わえるのに、各地で起こる事件はやるせないものやほの暗いものが多く、くすんだセピアのフィルターを通して見てるような気分。
個人的には「サンフランシスコの深い闇」と「カイロの残照」が好きだったな。

・綾辻行人「深泥丘奇談」

ホラーものにオチがどうのと言うのは無粋なのかもしれませんが、割と突拍子もない現象が次々起こるのに主人公のスルースキルがハンパなく、全体的にぼんやり終わってしまった印象。ホラーだとしてももうちょっと秩序がほしかった。
個人的には虫歯の話が面白かったです。最近歯医者に苦しんでたばっかりだったから、どんなに気持ち悪くても「一生モノ」の虫歯予防ができると言われたら縋りついてしまうかもしれない…。

・東野圭吾「秘密」

東野圭吾と言えばやっぱ「ガリレオ」のイメージが強いので、どんなことにもきちんと説明を付ける本格ミステリの人だと思ってたんですが、けっこう超常現象をそのまんま扱うこともあるんですね。「ダイイング・アイ」もちょっとしたオカルト要素があったけど、あれは加害者に強烈な罪悪感が芽生えて…とか死にゆくものの強烈な怨恨が焼き付いて…みたいな感じで説明できなくもないけど、今作はほんとに超常現象だった。
そして個人的な事情で申し訳ないけど今回読む時間がなくてストーリーだけ追いかけるほぼ速読状態だったので、ラストも「あっそうなんだふーん」で終わってしまった…。他の方のレビューを読むと夫婦の愛の形に感動してる人がいっぱいだったので、もうちょっとちゃんと読めばよかった…。

・西條奈加「善人長屋」

話も設定もキャラも面白かったけど、なーんかハマりきれなかったのは、人間関係が過去にすっかり出来上がってて読んでる方からすると蚊帳の外感があったからかもしれない…。
有能な組織が暗躍して俺たちTUEEEEする話は好きなんだけど、その組織に特に思い入れがないうちにやられると逆に冷めるというか…。へーそうなんだ君たちすごいんだね…みたいな…。新しい話のたびにどこどこの組織はその筋で有名で~とか、次々色んな悪党が出てくるのもそれに輪をかけてたような印象。更に「今度のヤマは本当にヤバイから降りた方がいいぜ」という流れになるまでセット。
俺TUEEEものは主人公が好きになれるかどうかでキッパリ評価が別れるけどこの作品もそんな感じでした。
「抜けず刀」のオチや「犀の子守歌」の真相はしんみりして良かったし、お縫が父のために善行を積みたいと思う気持ちとかは好きだった。
文章は私でも読みやすかったので他の話もいくつか読んでみたい。

・小川糸「リボン」

小鳥のリボンが繋ぐハートフルストーリー。
この方の本はまだ二冊目なんだけど文章もお話も温かくて優しくて、今んとこ「泣きたい時に読みたい作家」という認識です…。今回も泣いた…。泣き続けるのは疲れるので、ちょっと間をおきつつ他の本も読みたい。

◆という読書感想文でした。
我ながらジャンルが雑多過ぎて節操なく手出し過ぎ感ありますが、王道のミステリや推理小説はもちろんオカルトも時代物もほのぼハートフル系もどれも読みたいって思っちゃうんだからしょうがな~い!
まあでも人が死にまくる殺伐としたミステリばっか読んでるとなんとなくこっちの気持ちも殺伐としてくるし、色々つまむ方が精神的にいいんじゃない?…と思ったけど、時代物でもオカルトでもほのぼの系でもだいたい人死んでたわ…。
いやでもこう殺人事件中心で刑事が靴底すり減らして歩く系とは殺伐度が違うというか…まあ気持ち的にね、うん…。

時代物にはまってる

2017.06.11 02:51|読書感想文
時代物多め10冊(正確には13冊)感想文。
◎ネタバレ注意◎

・宮部みゆき「ぼんくら」
 

いつもの人情ものほのぼのストーリーかな?と思ったら、これは主人公がお役人ってことでジャンルとしては「捕物帳」になるのかな。やっぱり探偵役の主人公が謎に迫って暴いていくというストーリーはいつの時代でも楽しい。
タイトルから「ぼんくら」言われてる主人公はどんなダメ人間なんだ…って思ってたけど良い意味で「適当」なだけで普通に有能な良いお役人でした。
大親分の茂七や人間ボイスレコーダーおでこもどっかで見たことあるんだけど、前読んだ京都深川なんちゃらかんちゃら~って短編集に出てきた人たちかな?図らずもけっこう良い順番で読んでる気がする。
レギュラーキャラぽい弓之助は将来有望過ぎて今後のシリーズが楽しみ。
佐吉やみすずもみんないいキャラだったけどやっぱおくめさん好きでした…。お徳は中盤くらいまで「九兵衛が出てって佐吉が来たのはオマエラがお露を庇ったからなのに当たるなよ…」って印象悪かったけど、事前に念入りに騙されてたらしょうがないかなという感じはする。それ以外は普通にいい人だったしね。

・綾辻行人「人形館の殺人」

主人公がやたらメンタル弱く、下揃えで時々入る心理描写が「最後の記憶」の豆腐メンタル主人公の心理描写に似てるなあ…って思ってたらそれ以上にヤバイメンタルの持ち主だった。
中盤までは「いくら警察がアテにならないって言っても人死んでんだからいっぺん警察行けや!相談したって実績だけでも作っとけや!」と主人公の軟弱っぷりに疑問を持ってましたが、種明かしを聞くと何かと理由をつけて絶対に警察に行かないところも納得。

犯人=主人公の妄想説は割と早い段階で考えてたのであーねって感じでした。序盤の犯人のモノローグで、「まずは母親を殺さなければならない」っていう「母親」のところが、なんとなく「自分の母親」のことを言ってるみたいな感じがして。
架場への誘導は露骨すぎたのであんまり疑ってませんでしたが、それにしてもおかしな発言もあったし「あっ・・」ってなるオチでした。
「人形館」なのにメインの人形が主が死ぬ数年前にこしらえた妻への愛を示す仕掛けでしかなく、他は普通の屋敷でセイジの屋敷にしては異常度が少ないなあと思ってたらそれすらも主人公の妄想だった、というオチも面白かった。

・宮部みゆき「日暮らし」

ぼんくら同心平四郎の話が面白かったのでさっそく次も借りてきた。今回も面白かったー弓之助がちょっと有能過ぎるとは思ったけど!牢屋で杢太郎やハチマキ親分を転がしてるところはすっごい面白かったけど、事件の真相まで弓之助が解いちゃうんだ?的な。もうこの甥っ子はサブキャラではなく第二主人公くらいの扱いだと思ってた方がいいのかな。

あとは平四郎と同意なんだけど湊屋がクソ過ぎてだな…。というか佐吉に対してひどすぎるだけで、他人様に対しては太っ腹で慈悲深い大商家ってのがまた怒りのやりどころがなくてクソなんですが。
「ぼんくら」で佐吉に対して「親がどういう人物だからと男がそんなことでいつまでもウジウジしては困ります」みたいなことを平四郎に言ってて、それはまあそうなんだけど、それをお前が言うかと。お前の嘘のせいで佐吉は恩義という名の負い目に縛られて言いなりになり、鉄瓶長屋の差配人なんて貧乏くじ引かされて振り回されてんのに、お前がそれを言うのかと!!!
佐吉を追い出すていにして葵んとこで一緒に住まわせるとかできたんじゃないの?言ってみりゃあなた幼い佐吉から母親を取り上げて独り占めにしてた立場ですからね?「親のことなんか関係なく強くなれ」と言うなら、まずお前が佐吉を手放して完全に縁を切ってやれっつーの。騙して恩義に付け込んでいいように使ってるくせに何が「男なんだから~」っていう。

とりあえずこれで湊屋のゴタゴタは本当に終わったのかな。まだ跡目争いやらおふじやらの問題が残ってますが、もうこれ以上湊屋ゴタゴタ引っ張らないでほしい。次の「おまえさん」では別の楽しい話が読めることを期待している…。

・貫井徳郎「私に似た人」

おどろおどろしい装丁とタイトルからしてミステリ系(ドッペルゲンガーとかの)かと思いきや、「あなたも一歩間違えばこうなるのですよ」という警告を発してくる社会派?小説っていうのかな。2013年発行だけあって現代社会の危うさを指摘してて耳が痛い話だった。

・宇江佐真理「幻の声」

「ぼんくら」から捕物帳ジャンルに興味を持ち、人気シリーズらしいので借りてみた。一話完結型なのでなんとか最後まで読めたけど、私にはまだちょーっと読みにくかったかなあ。どこがどう読みにくいかはうまく言えないけど、どうしてもその時代のテンポに慣れてないというか。話は面白かったです。

・道尾秀介「鬼の足音」

ダークな救われないミステリ短編集。(いい意味で)後味の悪いぞっとする話の詰め合わせ。
…なんだけど、それ以上にこの本が不気味なのは全部の話にぼんやりと共通性があるからでしょうね…。話は全部それぞれ独立してて、具体的に共通するポイントと言えば「よいぎつね」と「箱詰めの文字」の「狐」くらいですが、これは「よいぎつね」の最後の主人公の問への回答を念のためにやりました、程度で話自体が繋がってる訳ではなさそう。
それよりもっとぼんやりとして共通してるのが「鴉」と「S」。重要なキャラのイニシャルは必ず「S」で統一され、それが何編にも渡って出てくると、まさに正体不明の狂気の足音がひたひたと迫ってくる感じがしてヒジョーに不気味でした。面白かったです。

・高田郁「八朔の雪」みおつくし料理帖

深夜番組や少年漫画やら、そんなとこに需要あるの?と思うような媒体でもいつの時代でも地味に人気を集めている「料理もの」。
派手なアクションや奇抜なトリックがある訳でもなく、ただただおいしいごはんを並べる料理ものの魅力というのは、分かりやすい面白さではなく「なんだかほっこりするところ」な気がする。

主人公の澪は良い人に巡り合って援助受け過ぎなとこもあるのだけど、澪本人は本当に頑張ってるし素直に報われてほしいので多少のご都合は全然オッケー。だんだん頼もしい仲間(?)が増えていくのが見てて楽しかったです。お寮さんの澪を思う気持ちも泣けたし、のえちゃんとの絆にも泣けた…。
私でも読みやすい文章だったのでこのシリーズは追いかけたいし他作品も読みたい。と思って図書館の蔵書調べてみたら、20冊程度ある本がエッセイやレシピ本除けば全部貸出中でびっくり。相当人気ある人なんだろうか。

・三津田信三「黒面の狐」

どっちかというと戦時中の炭鉱事情や建国大学なんかの歴史のお勉強部分の方が面白かったかもしれない。
ミステリ部分については合里の死体が出てこない時点で既に怪しく、やっと出てきたと思ったら顔が確認できなくて更に臭くなるのでこのへんは定番だったなと。最後の二人の入れ替わりについても、合里が本格的に臭くなってきた時点で疑ってたのであーやっぱりって感じでした。
怪奇としての「黒面の狐」については本当にただの怪奇で終わり、なんの解釈もなかったこともちょっと物足りなかったです。まあこの作品はホラーではなくミステリ重視なんでしょうけど。

・宮部みゆき「おまえさん」
 
あーーーーーー面白かった!!
佐吉のことは好きだったけど湊屋の話題はすっぱり出てこなくなってホッとした。一回だけみすずの嫁ぎ先の話あったけど。
メインの王診膏の殺人から、おきえの話とかサタエの話とか栗林の死因とか仙太郎の富一とかお仲と丸一とか早口先生とか伊右衛門とか、色んな人の人生が絡み合って繋がったり繋がらなかったりしながらどんどん広がっていくのが楽しかったー!!しいて難点を言えば時代柄女性は「お〇」って呼ばれることが多いからメインからそれる人はちょっと忘れちゃうくらいかな!

特に印象に残ってる人はおきえと早口先生かな。
おきえは政五郎目線で見てたのもあっていい印象全然ありませんでしたが、「泥被ろうと世間にどう思われようと自分の幸せは全力で取りに行く。それでお縄になるようなことをやってないなら恥じることなんかなんにもない、これがあたしの人生だ!」と最後に言い切ったのはすごく力強くてカッコイイと思いました。この言葉がもうひと悶着終えてるのにまだビクビクしてるお六と彦一に突き刺さるシーンは見てて楽しかった。

早口先生の、「悪事をするならせめて最後までばれぬようにすることだ」のくだりもかっこよかった…。悪には悪なりに通さなければいけない矜持があるってやつだよなあ。かっこいい。細君の「罪は雪のように消えはしない、一度きれいにならしてしまわなければいけない」からの「罪は広がっていく」も良かった。
でもお前もさたえさんにコロッといっちゃうんか~~い!とは思ったな…。
さたえさんは普通にいい人(というかわきまえてる人)なんでしょうけど、どんな男でも惚れ込んじゃうというのは一体どこまでの美女なのか…。これもまた嫉妬なのか。

弓之助の兄貴の淳ちゃんも好きなキャラでした。もともとこういうネアカキャラ(馬鹿っぽく見えるけど実は有能で女の扱いも慣れてる)好きなので。
お兄ちゃん的には不服かもしれんけど政さんの手下になってゆくゆくは弓之助とコンビ組んでほしいな~絶対面白いだろうから~!

・あさのあつこ「弥勒の月」

あさのあつこも時代もの書いてたんだ!?と喜んで借りてみたんですが、、う~~ん。
なんつーか、黒幕が医者だったから屋敷の奥まで入り込めたし薬で心臓発作も起こせた、暗示をかけて自殺させた、挙句狂気を増幅させ快楽殺人鬼へ仕立て上げ駒にした…と、肝心のトリックが反則×反則じゃないかと。どれか一つならまだ許せるけど、全部合わさるとあまりに安易というか。おりん殺し(?)の説明してる時の台詞やたら長くて、「説明乙です!」って笑っちゃいましたよほんと。

清弥の過去もすごい中二でびっくりしました。いや中二は別にいいんですが、そういうちょっとしたファンタジーは求めてなかったというか。こういっちゃなんだけど凄腕の刺客だったという過去も二次元ではありふれてるし、どうせならおりんとどうやって情を深めていったか、「弥勒」とまで言わしめるおりんとのエピソードを見せてほしかったなあ。なんつーか、要するに「闇社会からの足抜けがうまくいかず組織から報復されただけ」っていう、それ以外の思惑が何もない、あまりにも無意味な連続殺人だったというか…。

信次郎も作中ではかなりの大物のように書かれてますが、個人的には伊佐治と同じであんまりいい印象はない。この二人の親子みたいなやり取りはけっこう好きなんですが、信さんはちょっとチンピラ過ぎるっつーか、ガラが悪いっつーか。もうちょい大人になってくれ。

文章は読みやすかったし、けっこう長いシリーズだから人気っぽいし、もう2~3作は読んでみようと思います。

◆時代物を読み始めた動機はけっこう不純だったんですが、いざ読んでみるとすっごい面白い。

・宮部みゆきの時代物はもうけっこう読みましたが、現代ものより好きかもしれません。宮部みゆきの現代ものは胸糞要素がそのまま放置されてすっきりしないことも多いんでね…。時代物は多少ご都合あってもハッピーで気持ちよく終われるものが多い。時代物で胸糞だったのは今んとこ「孤宿の人」くらいかな。

・時代ものを読んでたびたび思うのは、「着物とか身の回りものとか文化面の知識ほしい・・・」ってとこですかね…。
よく女性を形容する時に「〇色に〇〇柄の〇〇、帯は〇〇で〇糸が織り込んである」とか説明されるんですが、いまいちぱっと想像できなくて入り込めない。色や柄を分かりやすく、更には「南天は『難を転じて福となす』という言葉から縁起の良い柄とされ…」とその意味までちゃんと説明してくれる場合もあるんですが、そうでない場合も多い。「〇〇柄の帯なんて上出来じゃねえか」とキャラが意味深に言っても、こっちは柄も想像できないしその柄が意味することも分かんないんですよね。読書をちゃんと楽しむにはその舞台の文化も知っておく必要があるんだなあとしみじみ思いました。

そう思うと普通の現代ものを読む時でも、前提になってる文化や知識というのが実はたくさんあって、普段は無自覚に理解してるんだな~と思いました。例えば「学生がベンツ乗り回すなんて生意気だなあ!」って台詞があって、これをすんなり理解するってことは、「ベンツ=高級車=普通の学生には無理」って共通認識が読者に備わってるってことだし。これは極端な例ですが。
誰かが言ってたけど、娯楽を楽しむのにも相応の知識が必要ってこういうことなんだな…。

◆という感想文でした。

ミステリ多め10冊感想文

2017.05.20 23:58|読書感想文
◎ネタバレ注意◎

・東野圭吾「手紙」


ミステリではなく受刑者の親族の身に降りかかる苦労をひたすら書き連ねた話だった。
最後はちょっと泣いちゃったけど、つらい。せつない。やるせない。という感想しかない…。
社長の言うことは残酷なんだけど、実際真実に近いんだろうなと否定できない自分もいる。人種とか性別とか先天的なものでもなく、被差別側にも負い目があるし、この差別がなくなるとも思えない哀しい現実…。

・麻耶雄嵩「神様ゲーム」


続編の「さよなら神様」よりエグい、と聞いてたのでこわごわ借りてみた。装幀といい、行間の余白の広さや過剰なふりがな、挿絵など、健全な児童書を偽装してるとしか思えない作りが既に悪趣味で読む前からニヤニヤ。
でも最後まで読んでみると、オチが衝撃過ぎてエグさとか感じる前に「えっ!!!!????」で終わってしまった。これどーいうこと@@???と混乱して考察とか読んでみると、そのまま母親説だよ、いや神様は偽物で父親説だよ、いっそ鈴木が犯人だよ説とか色々論議があったようですね。
私個人は先に「さよなら神様」を読んでしまってるので神様としての鈴木の宣託は疑ってない。なので自動的に母親犯人説(母親が桶に隠れてた説)を支持することになるんですが、そうすると警察(父親)が母親の痕跡を見逃さないんじゃないか?父親は更に母親の共犯・・・?でも父親に電話させるよう誘導したのはミチルだし・・??とかよく分かんないことに。

そこである人が考察してた、「父親は以前から母親の変態趣味に気付いてたけど止められず、ミチルは母親を人質に取るかたちで父親に現場の指揮を取らせて痕跡を消させた」説を見るとけっこうしっくりきました。
「主人公は両親と血が繋がってない」という衝撃の事実はそれ自体が重要なんじゃなくて、「母親が子供を産んでいない」ということを示唆したいのではないか。そこから更に母親処女説や、母親同性愛者(+幼女趣味)説に繋がればミチルちゃんとエッチなことしててもおかしくない。
また猫殺しの件が英樹殺しにまったく関係ないことから、ミチルが更に光一やアキヤカイとも関係を持ってたんじゃないか説も見てゾッ。個人的にミチルと光一の関係は疑ってましたが、そこまで誰彼構わず誑かす少女とか魔性過ぎる‥。

・小川糸「食堂かたつむり」

小川洋子に似た作風の人が知りたい…と思ってぐぐって出てきた人。
似てる…というのはなんとなく感じたけど、それはこのジャンルに共通してるのかこの人が似てるのか分からない。が、そんなことはさておき普通に良い話だったし普通に好きだった!
ちょっと不思議で俗世とはズレてるところもある、王道のハートフルストーリー。これは他の作品も読み漁りたい。
最近物騒な話ばかり読んでたので(好き好んで読んでるんですが)、癒されました。

・城平京「名探偵に薔薇を」


読んだ後に「薔薇でええんか?百合じゃなくていい?」などと野暮なツッコミをしてしまったけど、面白かったです。
小人地獄関連の描写はグロめでウッとなることも多々ありましたが…。名探偵の瀬川みゆきがやたらキャラ立ってるクール美女なので、漫画とかアニメにしたら映えるだろうなと思った。いやアニメで小人地獄の描写はムリか…。
真相は偶然か因果かが招いた悲劇でしたが、個人的には三橋犯人説が闇深くてけっこう好きだったりする…。好きな女を手中に収めるために外堀埋めまくって、挙句好いた女にさえ手を汚させて自分しか見れないようにするという泥沼っぷり大好き。
まあ結局三橋さんはいい人だったんですが。

・三津田信三「怪談のテープ起こし」

実録系はもうやめとこう、、、と思ったのに結局借りてしまった。
以前読んだ作者の怪談収集系「どこの家も~」は最終的に全ての話に共通する真相がきっちり明かされ、実話としては「出来過ぎ」な印象があったけど、今回のは共通性も弱くてオチもあっさり。
「出来過ぎているからこそ創作としての完成度が高い」のか、「共通性やオチが曖昧なまま終わるからこそ逆に真実味がある」のか、実録系はどちらにも良さがあるのでそのへんは好みの問題かなあ。個人的には物語としての完成度が高い「どこの家~」のが好き(怖い)かったかな。けど「怪談の~」も、普通の怪談話集と思えば楽しめるので他にもいろいろ読みたい。個人的には「屍と寝るな」が好きでした。

・小川洋子「ことり」

もう読んだと思ってたらまだだった。
タイトルや表紙からしてほのぼのハートフル系かと思いきや、全然違っていた。ぞっとするほど美しい静けさの中で、あらゆるものに拒絶されながら静かに老いていく「小鳥のおじさん」の一生…って感じだろうか。とにかく静かで美しいのに怖いし狂ってるし、ちょくちょくハラハラさせられる…。かと言ってサイコホラーみたいな犯罪者を見守っているような感じでもない。

・貫井徳郎「誘拐症候群」


前作の「失踪」も面白かったので期待してたけど今回も面白かった~~~~!!
前作でキャラ把握してる状態で読んでるので「倉持?これ倉持じゃね?倉持キター(゚∀゚)!!」「原田キターー(゚∀゚)!!!!」みたいな感じで知ってるキャラが颯爽と登場してくる感じがすごく楽しくてニヤニヤしました。
「失踪」ではいちばん凡人感があってくたびれたお父さんだった原田も、咲子の前に出てくるとこはなんか得体の知れない怖さがあるし、ヤクザに追い出されそうになってる武藤を助けるシーンはかっこいいの極みだった。危ないお店の怖い人が原田の登場で「なんだ原田さんの知り合いですか~早く言ってくださいよ~w」って一転するのが楽しすぎる。

ティッシュ配りの絵本作家が実はお坊ちゃまで「会長が危篤です!どうかお帰りください!!」って爺やとやり合うシーンなんかは古典的過ぎて「まじかよwwww」ってちょっと笑いましたが、そういうのも含めてすっごい楽しかったです。
オチが仄暗く、武藤の貴重な友人が修羅の道へ落ちていく様は心情的にはつらいですが、お話としてはアリかな。
いやー面白かった。三部作らしいけど三作目の「殺人」が図書館には入ってないので、そのうち自分で購入すると思います。
どうも今度「失踪」がドラマ化するらしいですが、「誘拐」は韓国的な問題でドラマ化できないだろうなあ…。

・綾辻行人「水車館の殺人」


館シリーズ二作目。
「十角館」に続き、ベタというか「いかにも」という設定テンコモリなんだけど、こういうベタベタな舞台はやっぱり心惹かれるものがある。
十角館冒頭で学生達が「最近のミステリにはロマンがない!くたびれた刑事が靴底をすり減らして真実を追い求める話の何が面白いのか!科学の進歩などクソくらえだ!ミステリならやっぱり不気味な洋館で不可思議な殺人が起こってこそだ!」みたいな談義で騒いでましたが、このシリーズはそういう「ロマンのあるミステリ」を目指してるのかな。
薄幸の美少女ユリエと死体の入れ替えについては怪しんでましたが、三人の間で入れ替えがあったとは思わなかった~。最後の最後でオチがホラーなのもいい意味でぞっとしたし面白かったです。

・宮部みゆき「震える岩」


短編集「かまいたち」で出てきた姉妹屋お初の話が面白くて、もっとこの話読みたいなと思ってたらこの作品が続編だった模様。
目次からしていつもの短編集かと思ってたけど、不思議な事件から事件が繋がる長編で読みごたえがあった。「忠臣蔵」については私は全然知らない(あーなんか仇討のやつね程度)でしたが普通に面白かったし、忠臣蔵にまつわる謎や因縁を描くだけかと思いきや、最後の最後で「赤穂浪士の討ち入り」の再現があって切なくも燃えた…!
赤穂浪士が描かれた絵には一人だけ背を向けている人物がいる。…という事実からここまで話を膨らませられるのスゴイなと思った。

・綾辻行人「迷路館の殺人」


館シリーズ三作目。
で、出た~~wwwポセイドンとかミノタウロスとか神話系のこじゃれた名前をそれぞれの部屋に付ける奴~~~wwwww
ほんとに毎回これでもかというほど古典的ベタベタミステリな舞台が用意されてて面白くって仕方ないです。パロディ見てるみたいな楽しさ。次はどんな設定出してくるのかなという楽しみがある。

中盤からはすごい勢いで人が死んでいってエエッ(゚д゚)???ってなってるうちにとんとん拍子で解決し、そうなのか…と思ったら最後にまたひっくり返すという目まぐるしい展開で楽しかったです。結局真犯人は逮捕されてないんか…。宮垣憎しで無辜な作家達を巻き添えにしたのは人として最悪ですが、障害がある子供のことを思うと「ちゃんと逮捕されてほしい」とは思えないフクザツなところ。真相が明らかになったら遺産と母親が取り上げられるし、悲惨な未来しか想像できない…。

◆という読書感想文でした。

いろいろ10冊感想文

2017.04.30 15:45|読書感想文
アナログ読書のいいところは、本を閉じるだけで「もうここまで読んだ」「あとこれくらいで終わる」と達成度が視覚でパッと分かるところだと思う今日このごろ。些細なことだけどけっこう大事だと思う。
以下作者ばらばら感想文。◎ネタバレ注意◎

・貫井徳郎「新月譚」


弱く愚かしく惨めな女の強くしたたかで切ない恋の物語。
木ノ内は本ッ当に最低だし「いいからこんな男さっさとこっちからふっちまえ!!!バカか!!!!」とたびたび和子を罵りたくなるんですが、この木ノ内という男が本当に最低なだけじゃないのがニクイ。甘やかして機嫌取るだけじゃなく、実力を認めて誰より作家としての咲良応援し、時に厳しい言葉をかけて背を押してくれる貴重な存在なので、引きずられる和子の気持ちも分かってしまうという…。
女を外見だけで判断しない、女に社会的地位があっても僻んだりしない、という女の地位を認める価値観は普通に尊いものだし。まあその割にバレバレのウソで浮気しまくるのは女を馬鹿にしてる、軽んじてると言われてもしょうがないんですが…でも微妙に違うんだよね和子…。

和子が木ノ内から与えられた幸も不幸も、すべてが彼女の糧となり原動力となり作家として成功したのだから、ベストセラー作家咲良レイカを育てたのは木ノ内と言っても過言ではない…というかまさにその通り。
けどずるずると関係を持ってしまう和子にも最低な木ノ内にも擁護的な目で見守れたのは、今後和子が作家として大成功すると冒頭で知っていたからというのが大きい気がする。これで和子が堕落して不幸になるだけじゃ本当に見てられないですからね…。
木ノ内の結婚や出産など、彼の人生の転機に何度も傷付けられながらも反発を繰り返し、情念を小説に書き連ねていく和子の切なさは見てて痛々しかったし、ちょっと涙ぐみました。

最後に敦子が和子との関係を知ってた…と明かされましたが、個人的には「やっぱりな」という感じ。和子だって季子だって気付いたんだし、ましてや何十年も連れ添った夫婦なら普通は気付くだろう。むしろ木ノ内が最初に和子に説明したのと同じように、敦子にも最初に説明してた可能性も高いと思ってた。
できれば敦子も和子のことを、不誠実な男にどうしようもなく惹かれてしまうがもう引き返せない戦友のように思っていてくれたらいいな…。不倫でも何十年も独身を貫いてたらもう本物だしな…。

・宮部みゆき「かまいたち」

いつものちょっと不思議な時代物シリーズ。
珍しく視点が変わり、陰謀渦巻く表題作「かまいたち」は今までにちょっと見ないタイプで新鮮だった。
あとはやっぱ姉妹屋の二作が面白かったな。三島屋のおちかを思い出したし、不思議話を集める大物まで出てきてますます似通ってた。この姉妹屋シリーズもっと見たい。
「騒ぐ刀」では刀鍛冶の国広の話が出てきて不覚にもにやけました。まああの国広と同一視するつもりはないですが、完璧ゆえに病み気質で乱心する国広と思うとちょっと萌えたヨ…。
それとは別に国信の守り刀としての働きもかっこよかったです。見た目は綺麗なのに刃が立っていなくて何も斬れない。しかし主の危機を察すると匕首などスパンと斬ってしまう。守り刀かっこいい!

・綾辻行人「十角館の殺人」

館シリーズはとにかく人気だったので前から読んでみたいと思ってた。図書館の蔵書には入ってるもののなかなか見つけられず、先日ちゃんと調べてみたら児童書の文庫本のとこにありました。表紙に学生7人のイラストが描かれてるのでキャラが把握しやすかったです。

守須の行動には若干の違和感も覚えつつ(ミステリ好きにはたまらないちょっとした非常時なのにコナンに同行せず趣味の絵に熱中してるとことか)、まったく疑ってませんでしたね…何なら守須が「ヴァン・ダインです」と言った時もまだ分かってなかった。「えっ!?じゃあ館にいたヴァンって誰!!?名前引き継いだの!!?」なんて間抜けなこと考えてました…。
館のヴァンが怪しいと思ったのも終盤も終盤、十一角のカップに気付いた時くらいです。たまたまカップの差に気付いて利用できるような人物。…と言ったら、屋敷を(親族が)所有していて、あらかじめ屋敷をチェックできるヴァンくらいでしたから。それを言い出すと最初のプラスチック板を一番自然に持ち込めたのもヴァンなので、半信半疑でしたけど。
真相に気付いたと匂わせる島田の存在と、最後に下された「審判」、どこか切なさの漂うオチも好みでした。

現実的に考えると、「6人には同行するよう見せかけて、外部には参加しないよう立ち振る舞う」というのはかなり無理があると思いますが、それだけに突拍子もないトリックが面白かったし、守須の台詞にはドキッとしました。
普通の学生なら「今度〇〇に泊まりにいくんだ~」「誰と?」「サークルのAとBとCと…」って会話を至るところでやってても全然おかしくないですしね。この時代はまだPCやメールが普及してないっぽいのでそこはスルーするとしても。

・今邑彩「少女Aの殺人」

まさか少女Aの告発がそのまま犯人=高杉の娘に繋がるとは思ってませんでしたが、加奈子がトコトン怪しくなるまでほとんど分かってませんでした…。
「十角館~」の守須と同様に、加奈子に対しても「自分から少女Aの告発の話題深刻な感じで振ってきたのにあっさり北海道旅行行っちゃうんだ?」とか思った程度でした。でも今思うと登場人物の少なさからしても加奈子しかおらんよね…。最初に教師目線で語られる加奈子の二つの苗字と、ちょっと複雑な家庭環境に着目していればすんなり分かったんだろうな。

不可解な文書と不気味な少女Aパートと、少しずつ謎が解けていく感じが、王道推理小説という感じで面白かったです。

・平山夢明「ミサイルマン」

初めての人なので取っ掛かりとして短編集読んでみたけど、三つまで読んで挫折。
オカルトや精神的にエグい展開は好きだし、一つ目の話のオチも好みなんだけど、物理的なグロやスプラッタが苦手な私には血や人体が破壊される描写はなかなかにきつかった…。私こんなにグロ耐性なかったっけ?って思ったけど、そういや小中学校の時は理科の授業で血管や心臓の構造習ってるだけでも握力なくなるタイプだったわ…。耐性ゼロだったわ…。

・麻耶雄嵩「あぶない叔父さん」

この作品を一言で表現するなら「おまいう」。
ちょくちょくいいことも言ってるのに最終的にはだいたい叔父さんが犯人。それも「うっかり相手を突き飛ばしたら相手が頭をぶつけて死んでしまった」パターンの多いこと!最後の「藁をもつかむ」では突き飛ばすどころか「うっかり踏み台の椅子を蹴飛ばしてしまった」ことになってて笑いました。
唯一おじさんが犯人でない「最後の海」では、「むしろ叔父さんが犯人だったらよかったのに」となるところが最高に皮肉だった。
犯行を黙ってる理由や経緯も…分かるものもあれば「なんでだよwwww」というのもあり…そんな叔父さんを純粋に慕って同情する主人公もうすら寒い怖さがあるし、主人公に対しては叔父さんは本当に「良いおじさん」なのも怖い。
犯行に及んでる際のおじさんは、本当はいったいどんな心境で、どんな表情をしているのだろうか?それが主人公に牙を剥く時は来るのだろうか。叔父さんのいくつもの犯行を知っている主人公は、おじさんにとってはすぐにでも消したい存在でしょうが、いつまで泳がせてもらえるのか…。いやでも叔父さんの言ってることは実は全部本当に事故だったのかも…?と、極限まで怪しいのに曖昧なまま終わってしまうところが一番怖いんだと思います。

ただ残念だったのは主人公の三角関係も曖昧なまま終わったことですかね。「選択しなきゃ…」と何度も言ってたのに結局決められず、「幽霊」の存在でお茶濁し。最後の事件が主人公を取り巻く環境に似てるから、これは「主人公はこのまま選択できず女二人を死なせることになる」という未来を示唆してるんでしょうか。

・五十嵐貴久「リミット」

要するに「数少ないヒントから時間内に自殺予告者を探して救い出せ!」という内容なので、ミステリで定番のショッキングな事件を期待して読むと肩透かしになる。
主人公&奥田といい、捜索に集まったリスナーといい、最後に下された処分といい、あまりにも綺麗すぎて予定調和を感じないこともないのだけど、たまにはこういう綺麗な物語もいいんじゃないでしょうか。私は好きです。
特に好きなのは、捜索隊のリスナーが「まあ気持ちも分からんこともないし」って零すところ。結局深夜三時に熱心にラジオ聴いてる若者なんて、たいてい皆孤独なんですよね。

でもぶっちゃけ奥田のラジオの内容がずーっと同じで(他人が生きようと死のうとどうでもいいけど、俺の五周年を邪魔したことは許さん謝れクソガキ!)、これ数時間ぶっ通しで放送して面白いのか?とは思った。正直私なら三十分くらいで「もうええっちゅーねんはよ次の話いけや」ってなると思う。

・伊藤計劃「虐殺器官」

ちょっと前にツイか何かで話題になってたので借りてみた。
個人的には近未来SFも軍事ものも馴染みがないし、作家は日本人だけど主人公はアメリカンゆえに「なんとなく聴いたことはあるけどちゃんと理解してるわけではない横文字」が多く、目が文章を上滑りする場面も多々。けどしっかり読んでみると、なかなか興味深い話が多くて面白かったです。心理学とか文学とか精神的な話とか、難しい話だったので完全に理解したとは言い切れませんが。良心だとか殺意だとか、あやふやな心の動きを論理的に説明しようとするとこうなるのか~って感じ。個人的には「感情は価値判断のショートカット」というのがすごくしっくり来た。
兵士が弱者を殺す時に躊躇する…という描写はあらゆる映画やアニメ漫画小説で見られますが、その躊躇(良心)を「倫理的ノイズ」と表現するのはあまりにも冷酷というか、戦争屋ならではの発想だなあと思った。

良心の制御もそうだけど、友情を感じる薬とか、痛みが分かるが感じないマスキング機能とか、そのせいで四肢をふっ飛ばされても戦い続けるゾンビ兵士とかはものすごい終末臭が漂ってた。あらゆる感情や感覚を制御して兵士をメンテナンスすることと、「虐殺の文法」を使うことに明確な違いがあるのかと問われるシーンはその通りだなと思ってしまった。自発的かそうでないかの差はあるけど、どっちも洗脳みたいなもんだからね…。

ジョン・ポールの狙い「アメリカをテロから守るために外に火種を撒く」というのは、正直最初の方で統計の話が出た時点で十分予想できた話(なんなら裏表紙のあらすじでもう分かる)だったので、そのまんまだったのはちょっと拍子抜けた。けどこの物語は、そこに至るまでの対話や主人公の心の変化を描写することが重要だったんでしょう。
オチは痛快…と言えば不謹慎になりそうだけど、これしかないという感じ。ずっと主人公が死にそうなオーラ漂ってたので、あっさり死にオチにならなかったのは良かった。でも近い将来死にそうな気もするし、ずっと罪を背負い続けるような気もする、どちらにせよバッドED。

・麻耶雄嵩「木製の王子」

シリーズものっぽいのにうっかり途中から借りてしまった。あらすじの「烏有」って地名かと思ってたわ…。
とりあえず読んでみたけど、主人公らしい烏有も、主要キャラっぽい安城も木更津も香山も、誰も魅力的に見えなくて途中で挫折。これはシリーズ途中から読んだからかもしれませんが。
それにしても主人公の烏有は女子高生を孕ませ結婚を迫られ会社でも公認カップルのような扱いなのに、未だに親に挨拶しに行かずめんどくさがって「家族って何だろう…」と物思いに耽ってる姿にドン引きしたので第一印象最悪でした。過去作でどんな大変な経験してどんな大恋愛したんかしらんけど、高校生孕ませたならさっさと親に頭下げにいけや…。
安城と烏有の取材先のやり取りも、どっちも互いに不満を溜めて内心グチグチ言っててどっちの株も下がっていく。

作中で冒頭(首発見)に戻ってきたとこまで読んで、ちょっと最後まで読めそうにないなと思ったので途中は飛ばしてオチだけざーっとみてきました。
完璧な家系図のために途中で子供を間引いてるんじゃないか、よそから補充してるんじゃないかとは思ってたけど、「魔の者」関連の発想は想像以上にトチ狂ってた。家系図をひっくり返すと何もないところから生じてるから魔!ってのもヤバイけど、ひっくり返すと交わってるように見えるからアウトー死んでくださーい!その下の世代も自動的にアウトでーす!ってすごい。

・道尾秀介「ラットマン」

犯人が分かりやすいタイプでその心理状態とかをじーっと見ていく形式の話かと思いきや、終盤からどんでん返しが3~4回くらいあって面白かったー!!
主人公が犯人→桂が犯人!?→!!!???
父親が犯人→母親が犯人!?→!!!???
という誘導にものすごく普通に乗っかって疑いもしなかった私、ものすごく優良な読者なんじゃないか…。これだけ全部引っかかってくれたら作者言うことないだろうな…。

主要人物の誰も殺人を犯してなかったという結果だけ見ればスーパーグッドEDでしたが、逆に言えば「誰も大切な人のことを信じられなかった」という、色々なところにわだかまりが残る切なすぎる結末。でも殺してなかったからこそ、希望や救いもちゃんと残される結末。
この人の話は過去アンソロ「ストーリーセラー」の短編「光の箱」しか読んだことありませんでしたが、どちらにも言えるのはロジックが繋がっていく爽快感や奇抜なトリックより、登場人物の希望や救いや切なさが心に残る温かいミステリだなーという感じがする。まだ二つしか読んでないので的外れかもしれませんが。

◆という感想文でした。
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プロフィール

早

Author:早
飽き性。めんどくさがり。
名前は「ゆう」「早(はや)」どちらでも。
とび森住人のきろく
マイデザお借りしてます

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twitter@iiyudane
(2013.5.21-)

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