FC2ブログ

下天の華&夢灯り レビュー

2016.09.02 14:57|下天の華
せっかくVita版が発売されるので合わせてレビューしてみるコーナー。
この記事に限ってはネタバレなしで書きますが、これ以外の感想記事はネタバレ満載なのでご注意ください。
なおこの記事で「下天の華」と「下天の華~夢灯り」を比較する時は、便宜上下天の華を「無印」、下天の華~夢灯りを「FD」と表記します。

私がプレイしたのは両方PSP版ですが、これから買うなら追加要素がどうあれVita版の方がお得だと思うので尼リンクはVita版の方をぺたり。

◆まずは無印&FDに共通して言える部分。
・ネオロマのゲームにしては作業が少な目・難易度も低くほぼ乙女主流のノベルゲー。
攻略メモを見てどんどんイベントをこなし、こまめにクイックセーブを挟んでいれば簡単にEDに辿り着けます。基本は一途推奨。ネオロマのゲームってなんか作業とか難しそうだし…と不安な方がいるならその点については心配無用と言っておきます。むしろやり込み要素が少なく乙女ゲー主流の読むだけゲーの方に近いです。

・ストーリーはすっきりコンパクトに、しかし伏線を回収しながら綺麗に完結。
プレイ時間は一周目が3時間程度、二周目以降は既読スキップ使って2時間程度。
ネオロマにしては短めですが、とにかくストーリーの運び方、キャラの見せ方がうまく、恋愛過程は十分。どのルートでも印象的で綺麗な台詞やテーマを2~3個取り上げ、要所要所で出して印象付けつつ、最後には全部まるっと回収する様が素晴らしい。この見事な回収っぷりは惚れ惚れします。一周が短めで、取り上げるテーマも絞られてるので、話がとっ散らからず綺麗にまとまってます。ネオロマが作業少な目のノベルゲーを本気で作るとこうなるのかと感心しました。

・戦闘システムは演出程度。
めちゃめちゃ簡単なのでここで躓くことはまずないと思います。が、特別面白い訳でもない。あくまで「主人公が戦っている」「仕事してる」とプレイヤーに体験させる演出程度。
ただどんなに簡単と言っても、何度も周回を重ねてると共通パートの戦闘はちょっとめんどくさかったです。特にFD。

・疑惑システムは一長一短。
無印とFDでは少し仕様が変わっていて、FDで多少改善した感はありますが、やっぱりもうちょっと練ってほしかった感はあります。
疑惑システムによって、忍者主人公らしさや「常に疑われてる」という緊張感があるのは良かったです。
が、疑惑の数値が関わってくるイベントが、乙女ゲー的にあまり美味しくないのが残念だった。すべてがそうという訳じゃありませんが、特に無印の場合「疑惑専用イベを見るためにわざと疑惑を溜める」という行為をしなければならないのが忍者ものとして本末転倒感ありました。このあたりは無印のレビューで細かく書きます。

・主人公は典型的良い子な聖女ヒロインだけど、共感して応援したくなる普通の女の子でもある。
基本的に「主人公興味ないどうでもいい」な私が主人公を褒めるのだからこれは相当オオゴトだと思ってください!
真面目で、努力家で、恋愛にはちょっと疎くて、すぐ人を信用し、忍びのくせに人を殺すことに躊躇し、土壇場で「やっぱり殺せない!」なんて言い出す、と事実だけ取り上げれば典型的な聖女ヒロイン。…なんだけど、捻くれがちの私でも納得できる「殺せない理由」がちゃんとある。それが普遍的な正義感やご立派な大儀でもなく、極端に言えば「自分のため」でもあるので完全な聖女ではない。共感できるヒロインになってます。
まあどんな理由であろうと任務遂行できないのは忍び失格だろと言われればそうなんですが、そんな声に応えたのかVita版では心を殺して任務をこなそうとするEDが追加されたそうです。発売前なのでここがどう転ぶかは分かりませんが。

また上で挙げた「キャラの見せ方がうまい」からも繋がってる話ですが、この主人公は攻略キャラの本質や長所、魅力を見抜くのがヒジョーにうまい。そしてそれがプレイヤーにもよく見える作りになってます。なので主人公が「○○はこういう人だからこんなことはしないはず」と綺麗事のようなことを言っても、それにプレイヤーも素直に共感できる。聖女ヒロインにありがちな、「よく知りもしない人のことどうしてそこまで信じられるの?」とか「お前が○○の何を知ってんだよ」感がない。プレイヤーも主人公の目線を通して攻略キャラの本質や魅力を発見し、主人公と一緒に攻略キャラに惹かれ、信じることができる。
そして本質を見抜いたうえで、攻略キャラを立てる言葉がつらつらと出てくるのも素晴らしい。こんな風に自分の内面を認められたらそりゃ相手も惚れるわなと納得できます。
攻略キャラを立てて相手の魅力を引き出すが、主人公本人はクセのない性格、でも攻略キャラから惹かれるだけの魅力もある。乙女ゲープレイヤーの目線として理想的な主人公だったと思います。

ヒロインらしくピンチに陥ることもありますが、腐っても上忍出身で基礎能力が高く、変化能力は作中唯一、ココゾという時には攻略キャラのピンチも救える有能ヒロインでした。

◆下天の華(無印)について。

norm01.jpg

・まず当時のネオロマンサーをざわつかせたとかそうでもないとかいう「誘惑」システムについて。
「夜だけできる」「くのいちの誘惑」というとなんだかエロ要素が強い気がしますが、蓋を開けてみると特にそうでもありません。このあたりはネオロマらしく健全です。普段の訪問会話が「主人公がキャラに質問して話してもらう」というのに対し、誘惑は「主人公からキャラにちょっとしたアピールをする」という感じ。内容によっては歌を歌うとか目くばせするとかその程度で終わるものもあります。
エロが苦手な方は特に心配する必要はありませんが、エロバッチコイな方は期待し過ぎないようにしてください。どうしても苦手な方はやらなくても進行上問題ありません。ただ有効に利用できると攻略には色々と役立ちます。

・ちょっと扱いづらい疑惑イベント。
FDとの共通項でも少し書きましたが、キャラのイベントをコンプするためにはあえて疑惑を高める必要があるのが忍者ものとして本末転倒だと感じました。
一応書いておくと疑惑イベはキャラごとに基本二つずつで、疑惑を3溜めることが条件になっています。
一つ目の疑惑イベは疑惑が3溜まった翌朝に発動。キャラが主人公を怪しんでいるというような前振りが発生し、直後にキャラに会いに行くとフォローイベが発生して疑惑が解消されます。要するに疑惑を上げすぎちゃった人への救済イベですね。これはキャラによっては面白いものもあったんですが、一口二口交わすだけでサラッと終わってしまうものも多かったです。
もう一つは疑惑を3以上に保ったまま、本編をある程度進めると本編に挟まれるイベント。これに関しては私は2人しか見てないので確かなことは言えないんですが、これも特別萌えがある訳でもなかった…。

何より疑惑を高めたままゲームを進めていると、普段の訪問会話でも挨拶が微妙にトゲトゲしてたりするのがツライです。疑惑を3で保つことで一周でキャラのイベをコンプすることができますが、訪問会話でもキャラとらぶらぶイチャイチャしたい><という方は結局疑惑は低めでやった方がいいと思います。

・コンプご褒美はあっさりめ。
キャラのイベント(疑惑イベ含む)をコンプするとキャラごとにご褒美イラストがもらえますが、……ネタバレになるので言いませんがあんま大したご褒美じゃないです。イラストにくっついてくるキャラの一言ボイスが聞きたいなら推しキャラくらいはコンプしてもいいんじゃないでしょうか。
疑惑イベ以外は普通にやってればサクサク集まるのでコンプ難易度は低め。ご褒美も大したことないので、「やりたい人だけやればいいし、興味ない人はやらなくていい」選択ができると思います。

◆次に下天の華~夢灯り~(FD)について。

title_250_3.jpg

・無印の「誘惑」が「香」に変更。
要するに「アイテムを消費するが必ず成功する誘惑」みたいな感じです。イベントリストを見ると正確には「キャラからの誘惑」なんですけど。
香を焚くといきなりキャラがソワソワしだしたりするので、香に媚薬効果でもあるんじゃないのかとは初回プレイからめちゃめちゃ思いました。そういうのが苦手な方もいるかもしれませんが、ここはFDだから糖分サービスしたのかなと思ってます。なお無印の「誘惑」と同様にスルーすることは可能。
ただ香イベに限らず全体的に糖度は増してます。さすがに深いチッスや露骨なエロまでは行きませんが、色っぽさや艶っぽさはたっぷり。ネオロマにしてはけっこう冒険してる方だと思います。

・「疑惑」システムは改善したもののやっぱりちょっと惜しい。
キャラ個別から城内全体へ変更。疑惑は高めでスタートし、ストーリー進行中に出てくる曲者を倒せば疑惑解消。放置すれば増加し、そのままMAXまで溜めるとバッドEDという仕様。
「疑惑を高めないと見れないイベント」というのがなくなったので、「イベのために疑惑を高めなきゃいけない」という本末転倒感がなくなりました。やらなきゃいけないのはバッドEDを回収したい時くらい。
疑惑を高めた時の専用台詞というのは一応あるので、「キャラの台詞何もかも聞きたい!!」という人は溜めなきゃいけませんが、特にイベが保存されたりしないので拘らない人は見る必要ないです。その台詞も遠回しに注意される類のものが多いです。キャラによっては心配してくれたりもしますが。

そのあたりが改善されたのは良いことなんですが、逆に疑惑を解消してもあんまりいいことがないのが個人的な残念ポイントでした。曲者を倒すと翌日にキャラが褒めてくれますが、それくらい。せめて疑惑が0になった時にちょっとしたイベントあってもいいんじゃないかなと思いました。
疑惑システムは忍びらしさや緊張感を出す演出としてはきちんと機能してますが、乙女ゲーならもう少し萌えイベントとも絡めてもよかったんじゃないかと思います。

・追加キャラ(黒田官兵衛・竹中半兵衛)は良くも悪くもキーパーソン。
FDの中心になるのは間違いなくこの二人で、両者重要な役割と与えられています。…が、それゆえに立ち回りが派手。損な役回りをすることも多いので、史実の官兵衛&半兵衛に思い入れがある方はちょっと引っかかることがあるかもしれません。私はこのあたりの史実に詳しくないので普通に1キャラクターとして見てましたが、それでもちょっと扱いが不憫だなと思ってました。まあ不憫と言っても恋愛面に関しては他キャラと同等の扱いなのでそこはご心配なく。あくまでストーリー上の役割の話です。
半兵衛は特に貧乏くじを引かされることが多いですが、本人ルートでは作中唯一の気合入った演出もあり、そのあたりは最低限フォローできています。個人的に気持ちよく終わるなら半兵衛をラストに攻略するのをオススメしときます。

・引継ぎ要素が強化され股掛けしやすくなった。でもやっぱ股掛けしにくい。
花全種+香を引継ぎできるようになり、周回プレイで好感度を稼ぎやすくなったオカゲで股掛けしやすくなりました。むしろ股掛けしないとターンが余りまくります。
…が、9人中6人のキャラは二章ラストの共通イベ(お祭りみたいなもの)で二人で過ごすことが攻略条件になっています。終盤まで股掛けできる組み合わせも少数ながらありますが、特に前情報を調べてなければだいたいここで一人に絞ることになります。
ターンが余っても休んでどんどん日付を送ればいいだけなんですが、それでも周回を重ねていると共通パートのスキップがめんどくさくなってくるし、共通パートでの攻略必須イベはもう少し後にするかバラけさせるかして欲しかったな~と思いました。

・コンプご褒美はなくなったけど、ご褒美イラストはめちゃめちゃお手軽に手に入るように。
花と香を一定数集めると、EDの回収具合に関わらずどんどんご褒美イラストがもらえます。さっきも書いた通りターンが余りまくるので、余った時間で修行をやってればモリモリ溜まる。私は二周目で全員のご褒美イラスト回収し終わりました。
ご褒美のためにしなきゃいけない作業が減った・お手軽になったのは良改変だと思います。

・FDから実装されたもう一種の戦闘(いわゆる神経衰弱)は、特に言うこともなく。
まあ普通に神経衰弱です。説明するまでもなく簡単です。香を手に入れるのは5コンボ必要になりますが、「くない」のスキルを育てるとアホほど入手できるようになるのでそのあたりも心配無用です。

◆という感じで、個人的に下天の華無印&FDを☆5で評価するなら☆4~4.5あたりは固いかな。
システム面で多少引っかかるくらいで、ストーリーだけ評価するなら☆5をあげたい。それくらい一つ一つのルートがきれいにまとまっていました。過不足なく必要なぶんだけきちんと描写して、長ったらしくもなくコンパクト。一日一人ペースでサクサク攻略できるので、他ゲーの合間に気分転換がてらに一周するプレイもオススメです。
システムで引っかかると言ってもそこは最近のゲームなので、理不尽にストレスを強いるような仕様はありません。

個人的にはここまで主人公を気に入ることも初めてだったので、そこんところがちょっとした衝撃でした。食傷気味だと思ってた典型的乙女ゲーヒロインも、描写次第ではちゃんと魅力的になるもんですね。

◆スッキリコンパクトな本作品とは裏腹に長ったらしいレビューになりましたが、参考になれば幸いです。
最後にVita版は現時点でバナー見つけられなかったのでPVをぺたり。



つい先日クリアしたばっかだから私はたぶん買わない(買うとしてもかなり後)と思いますが、PV冒頭のヤンデレぽい光秀は罪の花ルートっぽくて面白そうだな~…あと佐吉可愛すぎる…
スポンサーサイト



| 2016.09 |
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
プロフィール

早

Author:早
飽き性。めんどくさがり。
名前は「ゆう」「早(はや)」どちらでも。
とび森住人のきろく
マイデザお借りしてます

◆ご案内◆

更新のお知らせは
twitter@iiyudaneにて
趣味や日常の雑多垢です



ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

最新記事

カテゴリ

検索フォーム

最新コメント

リンク

月別アーカイブ

  • ページトップへ
  • ホームへ