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読書はインドアにて最強

2016.12.12 20:00|読書感想文
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って読書ってインドア趣味としては最強なのでは????なぜ今まで気付かなかったのか??
アッサリ飽きるかもしれないし…と思ってたけどしばらく私の中で読書ブームが続きそうなので、読書感想文カテゴリ作りました。
以下最近の感想文です。当然のように◎ネタバレ注意◎

・小川洋子「琥珀のまたたき」


誰も気に留めないような、世界から忘れられたような、あらゆる生き物、職業、モノ、事象について思いを馳せるいつもの小川洋子の作風と、「世界から隔絶された子供たち」という設定がぴったり噛み合っていた。
壁の中で起こる出来事と、図鑑の中の世界だけが子供たちのすべてで、そんな彼らだからこそ気付けた想いがたくさんあった。設定の勝利。

・米澤穂信「満願」


個人的には「万灯」の絶望感が好きだった。
健康診断ってワードがちらほら出るから警戒してたんだけど、まんまとミスリードに騙された。そっちかー!って感じ。
「満願」はおかみさんが良い人だからこそオチの怖さや狂気が引き立つ。
全体的に「一見なんでもない人に見えても、他の人が予想できない拘りや矜持を持っていて、そのためなら何でもやる」って感じなのかな。「関守」は娘のためだからしゃーない感あるけど、「そんなことで」ってのが多かった気がする。
でも何が地雷になるか分かんなくて、曲げられない矜持も人それぞれってのが人間。それが普通とはちょっとズレてるor極端なだけで、十分異常だけど絶対にあり得ない・理解できないという訳ではないのが怖いところだと思う。

・湊かなえ「境遇」


二人の孤児の女の友情と、陽子と旦那の夫婦愛はキレイで好きだった。
が、いくらなんでも犯人が分かりやすすぎる。
そして「晴美の母親とのエピソードを陽子が絵本にし大ヒットしたら、メディアに出たのが陽子だとしても、絵本に反応するのは普通晴美の母親なんじゃないか?」という当然の発想をスルーして話が進んでいくのに違和感があった。
結局オチはそうなるんだから、すぐにわかる回答を巧妙に隠すのではなく「ただ触れなかっただけ」という印象。
犯人はあえて分かるように書いてたのかもしれないけど、重要なオチが全部見え透いてたのが残念だった。

・綾辻行人「最後の記憶」


主人公のメンタルが鍋でグツグツいってる絹ごし豆腐並みで、ミステリーと言うより幻覚と精神世界パートが多すぎた…。最大の謎である「最後の記憶」の種明かしだけはしてくれたけどそれも精神世界。
主人公が母親の夢の意味を悟っただけで母親は未だ悪夢の中にいるし、「結局あれは何だったのか」で終わった部分はミスリード含めても処理が雑なような。「あいつ」の正体も割と早いうちから察せるし。
雰囲気は良かったけど、本編の長さに比べて明白になったことが少なすぎる。白髪症についてはもうええんか…?
文章は読みやすかったので、他作品も見つけたらもうちょっと読んでみる。

・湊かなえ「夜行観覧車」


元々女のイヤなところを描くのが得意な人だと思ってたけど、それにしたって今作は胸糞悪いキャラが多すぎたような。
綾香は坂道病のくだりのとこは「確かにこの年頃でそういうのツライよね、可哀そうだね」と思ったけど、清々しいまでの「他人の不幸で飯がウマイ」状態で同情する気は完全に失せた。いくらなんでも歪みすぎ。
さと子も意味深な単独パートがあるから「これで最後に旦那殺してるとかないかな」とか思ったらアッサリ改心して拍子抜け。しかしさと子がいなければ確実に真由美は綾香を殺してただろうし、完全に悪役とも言えないのがニクいところ。

ひなこ周辺の友情と、「これから何があっても言われない悪意と家族で戦っていかなければいけない」と結束するところは良い話だったけど、そもそもビラを剥がそうとした啓介の動機もクソ過ぎてだな…。
遠藤家視点で始まるのに、坂道病が軽度の高橋家の方が綺麗にまとまって、重度の坂道病で家庭崩壊気味の遠藤家の方がぼんやりした終わり方でいまいちスッキリしない。格差社会を訴えつつも、結局育ちが悪い方が良い方を殺し、育ちが良い方が上手に立ち直ってる。上流の高橋家は中流の遠藤家を見下したまま。

まあ
「誰しも多かれ少なかれ汚い感情や弱い心を持っていて、最後に皆綺麗に成長して救われるなんてことはあり得ない」
「そんな不完全な人達の集まりでも、純粋な善意や強い心を持ってなくても、それが力になることがある」
「何事も妥協し、折り合いをつけて少しずつ前進していくことが大切」
…ということを伝えたかったのなら、まあ成功なのかなと思う。
ただ多すぎる胸糞パートを堪えに堪えた末がこの結末なので、読後感はあまりよくなかった。
綾香さと子は胸糞の果てに若干良い働きもしたものの、高橋長男の彼女なんて混じりっ気なし純度100%の純然たるクソだった。読んでるだけでムカついた。

・米澤穂信「追想五断章」


面白かった。こういう意味深な作中作を挟みながら一つの謎に迫っていく構成好きだな。最後の一行がシャッフルされてるのではないか、とは予想していたけど実際に入れ替えてみるとなかなかにえげつなくてドキドキした。
けど短編一つ一つの結末が更に悪趣味になっても、そこから導かれる真相には確かに父の愛が感じられるところが良かった。

いやあれは自分の身の潔白を主張するための作品だから、本当に「愛」しかなければそもそも作品は生まれなかったんだけど。
でも原稿を書き換えて真相を隠し、無茶にも思える相手に投げやりに原稿を送り、最後の最後で真相の一行を入れ替えた。そうまでして隠しても自分で原稿を燃やせなかったところが、三吾のどうにもならない板挟みを表現していた。
三吾の行き場のない苦痛、迷い、無言の絶叫が感じられたし、その過程が複雑なほど、結局捨てきれない娘への愛が感じられた。

・宮木あや子「憧憬☆カトマンズ」


世の中の幸せいっぱいでキラキラした「イマドキ女子」から、ちょっとはみでた三十手前の女たちのストーリー。
…ということで最初は親近感覚えつつ楽しく読んでたんだけど、最終的には結局主役の二人もその彼氏もみーんな美男美女で有能でしっかりしてて、結局私とは住む世界が違った。
でも小ざっぱりした中で時々ときめきポイントもちゃんとある、大人の恋愛小説と思えばこういうのもいいのかも。
「好きになった人を、その肩書抜きでも愛せるか?」という問いに対しての答えは、綺麗すぎず現実的でけっこう好き。
肩書含めてその人なんだから、それを過程から何からスッパリ抜くとその人じゃなくなる=愛せないってのはその通りよな。
「そろそろヴィレッジヴァンガードから離れなきゃダメ」とか、「ユーミンでミスチルでグレイな雰囲気」とか、「女子大生コスプレでエブリリトルシングやマイリトルラバーを歌ってた」とか、そのへんの感覚がけっこう分かってちょくちょく笑えた。

・湊かなえ「物語のおわり」


派手な展開や「告白」みたいな毒はないけど、「夢の岐路に立たされた時、もしくは自分の身内がそうなった時、どうすべきか?」という人生で誰にでも降りかかる問題を、北海道の景色を楽しみながら読める気持ちの良い話でした。北海道行きたくなったし、自転車で旅したくなった。いや、ママチャリでちょっとした坂道下るのも恐々の私にそんなことできる訳ないんだけど…。

「物語のおわり」はそりゃ真相が一番良いと思うけど、自分のこととして考えるとカメラマンが一番近いかな。ほぼ一言一句同意。
自分が親ならこうしたい、もしくは自分の親にはこうしてほしかった、ってのならカタナライダー。冷静に理由や動機を話すことで本人の気持ちも整理できるし、計画を見つめ直すことができると思うから。

気持ち的にはあかねさんの、「贅沢な二択で困っちゃ~う☆とか一生困ってろ、こういう愛され女はどっちに転んでも結局幸せになるんだよなあハァー(要約)」という赤裸々な女の本性に笑った。確かに物語じゃなく、リアルの友達がこんな相談持ちかけてきたと想定すると私もそう思いそうである。
あと「空の彼方」の要約には目線の人物ごとに個性がちょこっと出てるけど、あかねさんが唯一おつりの間違いに触れてたのもちょっと笑った。ささやかだけど、「確かに自分は誰かと繋がってる」「過ぎた時間も無駄じゃなかった」という終わり方も好みだった。
…そしてガラスちゃんの結末が気になり過ぎる。

・伊坂幸太郎「マリアビートル」


グラスホッパーと同じシリーズだろうなとは思ってたけどけっこうきちんと時系列繋がってた。
伊坂さんは久しぶりに読んだけど、やっぱこうして読んでみるとキャラクターが濃い!
果物コンビ好きだ~こういうバカっぽいやり取り大好き。最初のやり取りで「おいこれ絶対片方死ぬだろそういう話やめーや(゚д゚)!」とか思ってたら、まさか二人とも死ぬとは思わなかった…惜しい二人だった…。
終盤蜜柑が引用を連発し始めたから「これはキレてるキレてるwwwwよっしゃーやっちまえ~~~~(゚∀゚)」とワクワクしてたのに七尾君のばかッ…!
まあ七尾君はココゾという時にキレる、彼は彼でカッコイイキャラだと思います。
でもお互いの趣味に一切興味なく覚える気ゼロだったコンビが、最後の最後で蜜柑はトーマスのメッセージに気付き、檸檬は文庫本を携帯してたという萌えコンビは惜しすぎた…。
蜜柑が王子をぶっ飛ばすとこも見たかったけど、不幸幸運対決も面白かったのでヨシとします。
王子が舐め腐ってた七尾の「不幸」が、王子の計画を狂わせ混乱させるところとか楽しすぎた。そうそう、七尾の不幸体質は自分だけじゃなく周囲にも及ぼす、ってとこがミソなのよね。自分ひとりだけが幸運な王子とはそもそも規模が違うのだよ…。

木村のじーさんはただ者じゃない(業者っぽい)と思ってたけど、まさか伝説の寝起き屋だとは思ってませんでした。シゲルからかかってきた電話で「お前かよw」と笑いました。
王子に最後に説教するところは「今やっとかなくて大丈夫?芽は早いうちに摘んでおかない?」ハラハラさせられましたが、まだまだ夫婦現役で颯爽と姿を消せたようで安心。とりあえず木村一家は無事ハッピーEDで良かった~。
でも王子の行方がぼんやりしてるのが不安過ぎる。マリアビートルの十年後くらいで続編出てそこで王子が活躍するとかやめてくれよ…王子死んでくれ…。

前作の内容はほとんど覚えてないんですが、鈴木って確か前作主人公の人ですよね?
「なぜ殺してはいけないのか」の回答はシッカリしてて素直に納得できたし、その後木村ジジが「そのくらいの歳の頃には皆聞きたくなる、麻疹みたいなもんだ」と言い切ったのは痛快でした。せやな、私も中学生くらいの頃哲学とか興味持ち始めたよ懐かしいな。王子があまりにもうまく立ち回るので忘れてたけど、モロ中学生だしつまりは中二病ってことやな。
鈴木が鯨っぽい能力を持ってたのは謎だけど、前作でなんかありましたっけ。鯨から引き継いだんでしたっけ。深淵を見て自分で習得したんでしたっけ。よく覚えてない。

・米澤穂信「リカーシブル」


ハルカの境遇が読むほどに辛くなるのに比例して、タマナヒメや閉鎖社会の闇が見えてきて面白い。いや、ハルカにとってはダブルでツライんでしょうが。
いつも周囲の顔色を窺い、学校のヒエラルキーに敏感で、小さなところでも張り合い、つまらないことでもアピールを忘れず、空気を読んで立ち回る。そんなハルカは見ていて苦しかった。でも実際学校ってそういうところなのよね。終盤のサトルに言った「強くないから強いふりをするの!」は、まさにハルカの人生そのものなんだろう。

ママは裏があるんじゃないか裏があるんじゃないかと思いつつホットミルクのくだりなんかは涙ぐんだし、距離があるのは遠慮のせいで基本は良い人だと思ってました。…が、離婚届のところは汚いところが丸見えでドン引きました。
まあママだって人間なんだし、生きていくためにはしょうがないところもあるんだけど…。どうなんでしょうね。ママも苦労してるのは違いないので、ちょっと疲れが出ちゃっただけで根っからの悪人とは一概に思いたくないです。

この後もハルカは「よそ者」としてクラスから疎外されるだろうし、他人になってしまったママとの付き合いは更にギクシャクして、安らげる場所なんてほとんどなくなるんでしょう。中学まではよくても高校のことになると金銭的な問題も増える。「講」の狂信的高速道路信仰も何一つ解決してない。
ただ一つ、今回の一件で得たきょうだいの絆だけは確かなものだから、それを糧にハルカには強く生きて欲しい。
いつかハルカの弱いところをひっくるめて好きになって、ハルカを守ってくれる人が現れたらいいな~と思うけど、それがサトルというのはさすがに夢見過ぎなので妄想はやめておきます。
でもサトルはまだまだ弱っちいけど、「パパが帰ってくるか」と尋ねた時に迷わず「知ってる」「帰ってくる」と答えたのは、今思うとハルカを思ってのことなんですよね…。
サトルを売ったとは言え、もともとママが町を逃げ出したのはサトルを守るためだったんだから、サトルを通してママとも仲良くなる未来はないですかね…。離婚届もまだ出してないらしいし…。
色々片付いたと見せかけ、リンカだけはガチっぽい雰囲気で終わらせるオチは好きでした。

◆…という感じで、最近読んだ10冊の読書感想文でした。
どういう風に書くか、何冊区切りで書くかは別に決めてないので、今後も同じ感じで書いていくかはよく分かりません。
とりあえず今週から地元の図書館で年末特別期間が始まるので、この期間中にいっぱい借りたい。
ゲームもしたいけど、しばらくは読書強化週間でいきま~す。
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Author:早
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