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もう冬だよだいたい十冊感想文

2019.12.02 20:50|読書感想文
12/9までキンドルアンリミテッドが三か月99円らしいので、体験版気分でプライムリーディング(アマプラ会員なら無料で読めるやつ)にも手を出し始めた今日この頃。


30万冊読み放題って言ってもジャンルが多岐にわたるので私が読める小説はゆうほどなさそうだけど、とりあえず地元の図書館に全然なかった高木彬光の神津シリーズがけっこう入ってるぽいので何にせよ登録するつもりではある。
プライムリーディングもキンドルアンリミテッドも探し方がよく分らんので何かおすすめあったら教えてくれると嬉しい。
以下最近読んだやつネタバレ注意。

・乃南アサ「風の墓碑銘」


面白かったー。地道な捜査をコツコツ続け、これという相手が見つかるとあとは呆気ないほど簡単にっていう、地味だけどさっぱりした終わり方。豆腐屋の息子が良いやつだったのが良かったのかもしれない。
奈苗さんの件は本当に乙すぎるというか相変わらず貴子は友人に恵まれない…。でも今思うと自分とこの愚痴をあけすけに話して昴一のこといいな~とか言ってたのは、貴子から「うちの彼氏も最悪なのよ~」って言葉を引き出して自分だけが吹こうじゃないと確認したかったんかなって…。

相変わらず滝沢とは相性いいのか悪いのか。お互い有能だし基本的に相性はいいけどお互い生理的に無理。みたいな感じなんだろうか…。最後にあだ名のこと教える展開くるかなと思ったけどさすがになかった。
昴一のメールは何なんこいつ???って感じだったけど最後は一応元鞘戻ったぽくてよかった。まあ目のことは本当にキツいと思うから同情の余地はある。またどっか飛んでいかないうちにさっさと結婚してくれ。

・風野真知雄「町の灯り」


ついに終わってしまった女だてらシリーズ。
一揆は失敗に終わったけど、まだその時じゃなかったということで比較的穏便に済んだのは不幸中の幸いなのかな…星河さんのことは残念だけど、やっとあの世でおこうさんと一緒になれたと思ったらそんな悲惨な最期じゃなかったと思う。
日の助と鈴音はお互い意識してるふうには全然見えないけど、まあ女将と板前が二人三脚でやっていくなら二人でくっついたほうが色々無難だろうなと思う。父親に対して「あんたが始めたことだろうが!」って言った(思った)のはやっと言ってくれた感。

・ピーター・トレメイン「アイルランド幻想」


全然知らないけどタイトルに惹かれて借りてみた。アイルランド伝承をベースにしたホラーテイストな短編集で面白かったー!
若干歴史のお勉強要素もあるんだけど、複数の話にまたがり順序立ててちょっとずつ説明してくれるのですごく分りやすい。「あっこれ前の話で言ってたやつ!」みたいになる。
個人的には因果応報・勧善懲悪感のある最初の「石柱」が好みだったんだけど、全体的には因果応報というより伝承を軽んじる者、信じず迂闊な行動をとった者が酷い目に遭うという感じで、そういうところが人による善悪など超越した自然現象っぽさがあった。人間のために造られた神様ではなく、あくまで古くからの自然が支配する土地というか。人間は巨大な自然の中に紛れ込んだちっぽけな存在でしかない、みたいな壮大な世界観だった。

・アーサー・コナン・ドイル「シャーロックホームズ全集7恐怖の谷」訳:小林司 東山あかね 注・解説:高田寛


あーまた前半で事件解決して後半で依頼人(?)の過去が明らかになるやつね、と後半はわりと消化試合みたいな感じで読んでたんだけどまんまとバーディ・エドワーズに騙されたって感じだった。普通にやらかして逃げるんだと思ってた…。
唯一「ん?」と思って読み直したところが工場長殺し(家族もろとも殺そうと爆弾しかけたけど不在だったやつ)のくだり。「その後結局殺されたけどマクナードがやった噂だけ」っていうやたら曖昧な書き方だな~と思ってたけど、新聞に書かせただけでどっかに逃がしたってことでいいのかな…?

前半の事件は襲撃で死んだことにした方がその後平穏に暮らせたのでは?と思ってたので、ラストで海に落ちたっていう事故も死んだと思わせる工作なのかなと一瞬思ったんだけど…。解説ざっくり見るに今作はモリアーティの脅威をアピールする話で、たとえ正義のためであっても「恐怖の谷」でやったことは帳消しにはならない、相応の罰が下った=ガチ死亡ってことなんかな。

・西條奈加「千年鬼」


プライムリーディング対象だったのでキンドルでガーッと読んだ。
ふとしたきっかけで鬼になってしまう人間の心を小鬼達が千年かけて見守る物語。「過去を見せる」という力は決して万能ではないし、知らない方がいい過去もある。それでも民が何度も立ち直れたのは、いつも辛い時小鬼が寄り添ってあげたからなんだろうなあ…。
世界は時に残酷で理不尽で神様も大したことできないし融通が利かない、それでも温かい気持ちになれるお話だった。

・大崎梢「配達赤ずきん」


プライムリーディング対象作品。
本屋さんが舞台の日常ミステリ、ということでほのぼの謎解きなんだろうなと思ってたら最初からわりと物騒で面白かった。

・川上未映子「マリーの愛の証明」


プライムリーディング。
文章と雰囲気は好きだけど内容はやっぱよくわからんかった。

・高木彬光「白昼の死角」


プライムリーディング。
法律の穴をかいくぐって次々奇想天外な詐欺を成功させていく悪の天才の物語。
頭悪いし数字はめっぽう弱いので手形やら株やらはよく分らなかったけど面白かった。しかしまあこれだけ派手な演出やってたら、そりゃいつか仲間がやらかすよなあって感じ。
日本人が潜在的に外国人に苦手意識や引け目を感じるという性分を利用するというのは見事だったけど、さすがに外国人、それも騙した相手に挑発的な悪戯を仕掛けるような相手の感情までは読み切れなかったのかなって感じ。あの取引先が詐欺が完遂する前にスペイン語解読してたらどうしてたんだ。

「暴力(というか殺人による口封じ)だけは絶対に使わない」というのが七郎の信条だったのに、最終的には周囲が屍だらけになったのは皮肉というか、犯罪の道を歩むなら結局必然だったということか。七郎はその頭脳と精神力で乗り切れても、凡人は自殺他殺問わず「殺人」という劇薬を使わないと七郎にはついていけないんだろうな。
天才的な頭脳で犯罪に勝利し続けることはできても、自分を慕う周りの人たちのことは誰一人幸せにすることができなかったというのがなんとも業が深い。木島も九鬼も七郎には劣るとはいえ馬鹿じゃないんだし、まっとうにやり直して幸せになる機会はいくらでもあっただろうになあ…。それでも自分から七郎に付いていっちゃうんだから、七郎の与える犯罪は麻薬のようなものだなと思った。

・太田忠司/田丸雅智「ショートショート美術館 名作絵画の光と闇」


半分くらいで挫折。タイトル的に最近よくある本当は怖い絵画的なやつかと思いきや「有名絵画で10のお題」を二人でやっていくみたいな感じだった。
尺的にどうもアイデア一発勝負になりがちで、ハマるネタなら面白いがそうでもない場合は「ふうん…」で終わる。アイデア自体は面白くてもやっぱり尺のせいかところどころ雑というかツッコミどころがちょくちょくある。
まあ軽い読み物としてならいいんじゃないかなとは思うけど、でも「名作絵画の光と闇」っていうサブタイトルはやっぱ私みたいな「怖い絵」に興味ある人を釣りたかっただけに見えて印象は良くない。本当に絵から受けた印象だけで作家が自由に書きました、って感じで絵自体の持つ光と闇は何も出てこないし。作家の作風も光と闇というほどはっきり別れてるわけでもないしむしろ光と闇要素どこ。

・乙川優三郎「闇の華たち」


全体的に仄暗い空気の中、最後にじんわりと希望が灯るって感じの短編集だった。
「悪名」と「冬の華」が好き。

◆という読書感想文でした。
「アイルランド幻想」を読んでるとどうしてもそっち系の音楽を聴きたくなって見つけた曲、めちゃ良いのでケルトやアイリッシュ音楽系が好きな人聴いてほしい…。ほんまにいいから…。
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