夏だし怖いのも読みたいよね色々10冊感想文

2017.07.24 00:50|読書感想文
ゆうほど特別怖いのばっかり読んだ訳でもないんですが。
というよりほぼ通常運転ですが。
以下◎ネタバレ注意◎

・浅田次郎「憑神」

実は初浅田次郎。と書いてしまうと新選組推しを名乗ってるくせに壬生義士伝を読んでないことがバレてしまいますが、このへんの世代の人の文章ってなんか難しそうっていう先入観があって避けてきたというか…。でも最近時代物を色々読んでるのでトライしてみたら、案外読みやすかったしクスッと笑っちゃうようなところもたびたびありました。有名な方なのでこの調子で色々読みたい。

内容は有能なのにお人好しの気性と不運な運命によって燻ってるお侍さんの話。
襲いくる邪神たちを次々タラシていく彦四郎カッコイイ!でもお人好し!個人的には息子とのエピソードが泣けた…。親子ものに弱い…。
家を追われた実の父親より、当主のジジイを慕う息子を叱るのではなく褒めるくだり良かった…。彦四郎からしたらあんなクソジジイの話真に受けやがってクソガキが!とブチギレてもおかしくないのに、血より義を重んじるのが侍であり、「俺は家よりお前たちを愛しすぎてしまった」と反省するところがせつねええ…お人好しすぎんだろ…。
ラストの出陣のくだりも、細かいこと抜きにした「生きよ」というストレートかつ切実な台詞が胸に刺さる。
ただこの作品も私に教養がもっとあったらグッときたんだろうな、という個所がたびたびあった…。他作品はもっとよそで勉強してから読もうかなあとも思ったけど、そんなこと言ってたら一生読めそうにないのでちょくちょく手を付けていこうと思います。

・和田はつ子「雛の鮨」料理人季蔵捕物控

時代物×料理もの×捕物帳のよくばり三セット。
初めて読む方だけど私にも読みやすくて面白かったです。
料理人としての腕は既にそれなりにあって、捕物帳の要素の方が多い印象かな。今回で季蔵は過去の因縁にケリを付けて一件落着、次回作からはいよいよ裏稼業に本腰入れ始める感じなのかな?元が侍だから裏稼業の方も有能で見ていて心配するところがあまりない。個人的にはもうちょい料理人として苦労する話読みたいな~。

・貫井徳郎「愚行録」

インタビュー形式で進む話は、目隠しでがけっぷちを歩かされてるような怖さや不気味さが面白い反面、作者に露骨にヒントを隠され誘導されてるような理不尽さもあって難しいところ。
外面だけ美しい田向夫妻の悪行が次々と明らかになるので、これはこれで皆怪しくて面白いけどどこまで続けるのかなーと思ってたら、冒頭の新聞記事「田中」の名前が出てきたあたりから俄然楽しくなってきました。「尾形」の章からはもう一気って感じ。
妹はもちろんインタビュアーの正体も疑ってかかってましたが、宮村が死んだという話で一気に臭くなってぞくぞくしました。
愚行録というのは誰の記録を指しているのか?悪辣な田向夫婦か、自分だけは火の粉が降りかからないよう予防線を張りながら夫婦の陰口を叩く友人か、それともインタビュアー本人の足跡か。というのを読んでる間考えてましたが、最終的には全員が全員愚かだった、という意味で良さそうですね…。なんともぞっとするオチでした。

・京極夏彦「冥談」

そういえば京極夏彦は塗り仏で挫折して以来読んでないけど他にもいろいろあったよね?と最近になって思い出したので、単体で読めそうな短編集借りてみました。
不気味で不思議な、夏場に読むにはちょうどいいほんのりホラーだったと思います。
印字がところどころ薄くなったり濃くなったりするのは、ちょうどろうそくを囲って百物語をする時のような炎のゆらめきを表現してるのかな?各ページの章タイトルやノンブルの表記も凝っててさすが売れっ子作家は金かけられるなあと思いました。

・和田はつ子「悲桜餅」料理人季蔵捕物控

シリーズ二作目。
前作と引き続き、主人公が隠れ者としてもも料理人としても超有能で、けっこうな巨悪に立ち向かう割にサクサク進み過ぎて物足りない感ある。無辜の民をいいように使ってる悪がのさばりまくってるのに、塩梅屋に集まった客と情報出し合ったり季蔵がちょっと本気出すだけであっさり解決して、それまで何もできなかったお上無能過ぎと言うか…。
やるせない結末は割と好きではあるんですが、だんだん話より江戸の文化とか食生活のお勉強として楽しんでる面の方が大きくなってきた気がする…。

・伊坂幸太郎「チルドレン」

久しぶりの伊坂幸太郎。短編集ということもあってサクッと読めた。
ずば抜けて変人の陣内はもちろんだけど、鴨井君も長瀬もいいキャラだし優子と武藤君もいい人で、メインキャラみんな好きになれた。
陣内は「アイネクライネ~」に部分的に出てきたキャラ(美人の嫁さんを颯爽とゲットした人)とちょっと似てるとこあったんだけど、後者は周囲の評価の割にあんま大したことしてなかったのでいまいちピンとこなかったんですよね。陣内も同じ匂いを感じたんだけど、今作は登場人物が少ないこともあってガッツリ陣内の奇行(奇跡)に焦点があてられて納得できる展開でした。
種は割と読めるとこもあったんだけど、「チルドレン2」のオチは「そう来たか!」とちょっとした感動があった。
家庭環境とか難しいこと抜きにして、「親がかっこよけりゃ子供はグレないんだよ」というシンプル過ぎる答えは真理にかなり近いと思う。まあその何に「かっこよさ」を見出すか、ってのがまた個人差あるとこなんで難しいですけど。

・小川糸「にじいろガーデン」

前情報何も見ずに借りたので同性愛のカップル(レズ)の話だとは思わずビックリした。
この人の話はメインキャラの周りに優しい人が多すぎるというか、かなりの都合の良さも感じるんですが、私も「優しい話が読みたい」と思って読んでるのでそのへんはアリな範囲。現実的なことを言うと(「食堂かたつむり」もそうだったけど)ド田舎の一日1~3組しか客を取らない個人経営の食堂やゲストハウスなんかやっていけんの???とはめちゃめちゃ思いますけど、そのあたりは突っ込まないお約束。
おチョコママの病気あたりからは涙腺がゆるむ場面も多かった…のだけど、登場人物に優しい物語ならソースケの救済もやってほしかったッ…!ご都合でいいから目覚ましてほしかったよ!いちばん優しくて察しのいい人が最後に貧乏くじ引かされて終わるのはどうなのか…。
泉もチョコもいい人だし一生懸命やってるのには違いないけど、ソースケ目線&宝目線に切り替わるとなんか勝手な人に見えてしまう。ソースケにタカシマ家家訓を破らせたのはタカシマ家なんやで…。温かくていい話のはずなのに、最後にしわ寄せが全部ソースケに行ってしまい、そこまで追いつめてしまった人たちは何も気付いてないという、同性愛の理解を示す話なのか同性愛への皮肉なのかよく分からない話でした…。

・伊坂幸太郎「サブマリン」

面白かった~。相変わらず陣内はムチャクチャなんだけど、会話はばかばかしくて思わずクスッとなっちゃうところも多々。
まさに「直接関わるのはイヤだけど遠目に見てるぶんには楽しい」人。いや、永瀬くらいの距離感なら色々新鮮な世界に引っ張りだしてくれそうでちょっとは楽しそう。少年たちにとってもいい相談役。が、武藤みたいにチームになって一緒に仕事するのはすっごいめんどくさそうだな…。
内容は少年法で守られ裁かれない子供たちの罪、という重すぎていくら考えても答えの出ないテーマ。それこそ子供たちの事情はさまざまなんだから、どこをどうやったって完全な正解なんて出ないよね。人が死んでるんだから、どんな罰が下されたってハッピーEDにはなれない歯がゆいジレンマ。それでも若林の希望を感じさせる終わり方はよかったです。
そして闇の中で活躍する永瀬はかっこよかった!こういうハンデを抱えた弱者と思われたキャラが物理的に活躍するのは「砂漠」の超盛り上がるとこ思い出して痺れた!

ただ中盤?か序盤?くらいからずっと気になってたんだけど、鴨井君・・・しんだの・・・・・・??
割と早いうちになんとなく匂わせる描写があって「あれっ?」と思ってたんだけど、永瀬家に若林を連れてった時の「昔の思い出を語る日」ってそういうことだよね…?そりゃあ「チルドレン」の時独身だった武藤が結婚して二人も子供できてるくらい時間が経ってんだから、誰かしら当時の友人知人が亡くなっててもおかしくないですけど…。鴨井君の冷静なさっぱりした切り返し好きだったんだけどなぁ…。

・三津田信三「厭魅の如き憑くもの」

カガクシ家とカガチ家の対立、更に家の中の上下関係に婚姻関係に複数のサギリと、覚える要素テンコモリで「こんなの絶対理解できない!!」と思ってましたが、何度も何度も作中で説明されるうちになんやかんやちゃんと覚えました。サギリの区別なんかは自分でも意外なほどアッサリできるようになった。なんとなく漢字で各サギリがイメージしやすかったんだと思う。
久しぶりの刀条シリーズだったけど、相変わらずのアハ体験でした。確かに読んでる間はなんか時々違和感あるんですよ。「本当は分かってたんだから!><」っていう強がりじゃなくて。でも「そういうモンなのかな?」「あーそうだっけ」みたいな感じで流してると、最後にちゃーんと回収してくれて「あっやっぱり!それ引っかかってた!」ってなるんですよね。

それにしても恒例行事の迷走後の真相はすごかったー!
まあ死んだと思われた人物が実は生きてたとか、カカシ様の中に第三者が入っていた、村内に巡らせたカカシ様の中に入って情報収集していた、というような発想自体はそこまで突拍子ないものではないですけど。というか真っ先に考えるとこだと思います。
でもその布石というか伏線というか、それらの仕込み方がスゴイ。
間取りの位置関係がおかしいとか「白と黒」の記述が「黒と白」になってたとかは全然気づかなかったけど、「誰視点で書いてるんだこれ??」って文章がちょくちょくあったのは気になってたんですよね。刀条も触れてるけど、基本は神視点で書かれてるっぽいのに「~のようだった。」とかいう推測の表現がめちゃめちゃ多いとこが。え?そこそういう表現なの?それでもいいかもしれんけどなんかおかしくない?と思いつつ、(これは刀条シリーズの一作目だから三津田氏もまだ文章書きなれてなかったのかな…?)とかどちゃくそ失礼なことを考えてて申し訳ございませんでしたーーッ!


あと私が読んだのは講談社の文庫本なんですが、画像を見ると分かるように表紙は黒目がちの不気味な美少女(おそらくサギリ)が描かれてます。で、これまた見て分かるように顔は表紙左側に寄せられて少女の右目が途中で切れてるんですが、これはカバーに描かれてるので実際はもうちょいイラスト部分が多めに取られてて、カバーを折り込んだ先にもほんの少しだけイラストが続いてるというか…説明するのムズカシイですけど…。

つまり読んでる間はこういう状態になるんですけど、
mzmn.jpg

おわかりいただけただろうか・・・

mzmn02.jpg

ココ!!!
ここに少女の黒目の部分がチラ見えして、読んでる最中も何か視線を感じてコワイんですよ!!!もう途中から怖くて集中力続かなくなってきたし後半はずっと見ないようにしてました。ただでさえ三津田信三作品の表紙は怖くて表向けて置いとくと視線を感じてイヤなのに、読んでる最中もコワイって嫌がらせか!!
このカバー黒目はみ出しを作中の「いつもカカシ様が見てる」を表現して意図的にやったのなら考えた人はマジ天才だと思うし最高に性格悪いと思います(褒めてます)。

・三津田信三「十三の呪」

絵に描いたような特殊能力持ち無愛想ヤレヤレ系主人公で、刀条シリーズや他作品よりかなりライトな仕上がり。そのままアニメ化できそうな。個人的にはあんまり好きな性格じゃありませんが、コミュ障で真剣に悩んだり終盤謎が解けるとウキウキで種明かしし始めるとこは可愛かったです。
刀条シリーズが過去の話として出てきたり、その内容(ナガボウズとか)も出てきたのはちょっと面白かった。たまたま「まじもの~」を読んだばかりだったから、カガグシ村のその後とか出てきたのはオッってなりました。まあカカシ様の正体がバレちゃったら廃れるよね…。

◆という感想文でした。
結局「殺人症候群」は文庫で購入したんですが、読むのはちょっと先になりそう。次の更新はいつになるのだろう…。

そういえば先日出たハチさんの新曲がすごくツボでこればっか聴いてます…。
でもハチさんの新曲出た!ってツイのトレンドで知ってまず行ったのがゆーちゅーぶで、一日つべリピートで聴いた後「あっそういやニコ動でもアップしてるよね…」と気付いたその時まざまざと「砂の惑星」を実感しました…。あんまりこういうこと言いたくないけどほんとボカロ廃れちゃったねえ…。



あんまり歌詞考察とかするの得意じゃないけど、
「思い出したら教えてくれ あの混沌の夢みたいな歌」
のとこで粗削りではちゃめちゃで色んな曲が溢れてた昔のボカロシーンを思い出してしんみりしちゃいました。最近めっきり見なくなっちゃったけど、素人と時々めちゃめちゃうまい人らが入り乱れてガチャガチャやってる感じが好きだったな~。
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Author:早
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