FC2ブログ

健康的に色々10冊感想文

2017.08.19 14:55|読書感想文
◎ネタバレ注意◎

・綾辻行人「時計館の殺人」

久しぶりの館シリーズ。今回もこれでもかというほどコテコテの古典的ミステリが面白かった。「誰も信用できない!俺は一人で寝る!」のくだりとかニヤニヤしちゃう。極め付けは崩壊する建物に一人残る真犯人…というフィニッシュでアッパレでした。
展開はコテコテの王道だから安心して読めるけど、トリック自体は突拍子なくて面白かった!まさか最序盤に出てきた常緑樹まで伏線だったとは…。生垣の説明とか今回はやけに細かいね?って思ってたらハァーンなるほどね~~~~~~って感じでした。

・貫井徳郎「プリズム」

一つの章で探偵役が犯人を絞り込み、次の章では容疑をかけられたキャラが探偵役になってまた別の推理を立てて絞りこむ…という面白い造りの話でした。結局最後まで読んでも犯人は断定されなかったけど、これは容疑をかけられなかった別の人物が犯人なのか、それとも視点主の誰かが嘘をついているのか…?と、どちらの妄想も面白い。
ただ個人的には視点主の嘘OKってことになると何もかも前提が崩れちゃうから、別の人物説のが好みかな。ちらっと見たところでは初恵犯人説が興味深かった。
正直言うと犯人はズバリ断定してほしいタイプなんだけど、視点が変わるたびにミツコはもちろん探偵役の表情も事件の解釈も次々と変わっていく「プリズム」面白かったです。たまにはこういうのもいいかも。

・高田郁「花散らしの雨」

シリーズ二作目。今回もおいしそうで面白かった。
ただお店はかなり順調になって客とも信頼関係でき始めてるから、今後はのえちゃんやげんさい先生や小松原様との三角関係(四角関係?)やらの人間関係が中心になってくるのかな。
個人的には結婚するなら絶対げんさい先生だと思うし先生からしてもみおみたいな家庭的料理上手の嫁さんめっちゃほしいだろうなあ…って思うけど、年頃の娘はちょっとヤンチャな男に惹かれるものだからしょうがないね…。

・伊坂幸太郎「ガソリン生活」

面白かった!まさかの車目線!
人間が見てない時にこっそり動き出す…とかじゃなくガチの無機物視点で話作るなんて相当難しそうなのに、車には車のネットワークがあって人間がいない時でもちゃんと話が進んでいくのがすごい。
あとは車独特の感性(?)やジョークがいちいち面白くて、思わず笑っちゃうところがたびたびありました。驚いてテンション上がった時は「それはワイパー動くね(動かない)」とか、聞いた話にズレがある、なんだか気持ち悪い違和感を覚えると発言したら「半ドアか?」とか。電車は崇拝の対象で貨物車のコンテナを数えたらいいことがあるジンクスとか、タクシーはメーターが色々あるから物覚えがいいとか、フランス車とイタリア車が喧嘩し始めても「君ら札幌と九州ナンバーなんだから国産みたいなもんでしょ」と言われて照れるとか。事故を起こす直前は今までの記憶がフロントガラスに映し出される(走馬灯)とかも、シリアスな場面なのに笑っちゃいましたよ。
こんなに個性的で面白いのに、ちゃんと無機物としての鉄則(自分で勝手に動かない)を遵守しつつ話が回ってるのがスゴイ。これで逆に土壇場でデミオに奇跡が起こって自律して動いて望月家のピンチを救う!とかなったらそっちのが興ざめですし。
荒木翠の死の真相や歯型の鑑定やら、本筋のトリックついては割とすぐ察せるんですが、とにかく車視点の考え方やコミュニケーションが面白くて読んでた気がします。あと細谷氏スーパーおじいちゃんすぎて笑う。
まあエピローグではその無機物としての鉄則(人間と直接会話しない)を若干破ってるとこありますが、幼少期の子供の特別な感性&最後の最後でスーパーハッピーエンド!と思えばこれくらいは全然いいんじゃないでしょうか。

・畠中恵「しゃばけ」

前々から気になってたしゃばけシリーズ一作目。
思ってたより妖が身近でファンタジー色濃かったけど面白かったです。一太郎と妖たちの関係も楽しいので最後まで読みたい。

・畠中恵「ぬしさまへ」

続いて二作目。短編集で読みやすかった。
どの話も良かった!「栄吉の菓子」の博打じいさんの自分の生死さえ賭ける気概は豪胆なのに、実際金の無心をされるたびに毒草を口に含んでいるところを想像すると哀しすぎる。「仁吉の思い人」はあっそういう風につながってくるんだー!ってなりました。なるほどお爺ちゃんが妖怪に理解があるのそういうことなのね!
あとは松之助兄さんがすごくいい人で良かった。こんな境遇で育ったらすごい捻くれてもおかしくないのにね…兄弟で仲良くね…。

・三津田信三「のぞきめ」

「どこの家にも~」「怪談のテープ起こし」系の実録系怖い話かと思ったら意外にもラストは刀城言耶でちょっといい話でした。
一つ目の「覗き屋敷」はまさに実録系ホラーって感じだったんだけど、二つ目の「終い屋敷」はやたら怪異が具体的というか物理的というか、ちゃんと実態がある感じがしたんですよね。それで最後は死体の連続なんで、「あっこれ怪異と思ってたやつが実は人間のやつ」と思って読んでたら、最後は作者が刀城並みに推理してくれてスッキリできました。しかも最後はいい話。
あと作中で出てきた蒼龍郷はカガグシ村があるとこだっけ?奈良の杏羅町の拝み屋は「十三の呪」の主人公のお祖母ちゃんぽいですね。色々知ってるワードが出てきて面白かったです。

・高田郁「銀二貫」

何かを強く信仰してる訳でもない私には、いくらもっともな理由があっても松吉にきつく当たる番頭が好きになれなかったのだけど(理解はできるが納得できない的なアレ)、その番頭も最終的には涙腺の弱い良いおじいちゃんになって泣いた…。
いい買い物をした、銀二貫は安かった、と言わしめるだけの努力と成果を出した松吉すごい。幸せになってくれ。

・道尾秀介「カラスの親指」

中盤までも色々と見どころはあるんだけど、基本的にはやっぱり虐げられて詐欺師に身を落とした弱者達の逃避行にすぎないので、大掛かりな作戦に出るとこらへんから一気にスピーディになって劇場映画めいてきた感じ。オーシャンズ11的な?
作戦のオチはなんだかんだ「失敗したけど見逃してもらえましたヨカッタネ」で着地し、心情的にはいちばん良かったのかもしれないけど、エンターテインメント的には「それでええんか~い」という若干の物足りなさもあった。
が、最後まで読んでみるともともとそういう作戦だったんですね。姉妹の父親がでかい男だった、という話を聞いた時は一瞬「イルカ?」と思ったけど、まさかと思って流してた。
話の内容はスリルたっぷりで、他のミステリと遜色ない程度の暴力描写だったり、汚い社会の事情が描かれるのに、最終的には(主人公周辺の大多数は)ハッピーになって綺麗に収まるのがスゴイ。

・畠中恵「ねこのばば」

しゃばけシリーズ三作目。今回も面白かった。
「茶巾たまご」で「なんで殺してはいけないか分からなかった」というガチサイコパスが出てきて「えっ」ってなりましたが、この話はここでおしまいなのかな。なんか意味深な終わり方だったのでこの後も何かあるのかなーとか思ってたけど。
「ねこのばば」ではやり手坊主とあやかし兄いの絡み(?)が面白かった。「そうですか、若旦那には殺してやりたいやつがいるのかと…(じっと坊主を見る)」のとことか。やり手坊主が襲われた時に「江戸から坊主がもう一人消えても別にいいじゃないですか(鼻ほじ)」みたいなとことか。
「産砂」は普通に長崎屋の話だと思って読んでたから「えっ!?えっ!?えーーーーっ!?」ってなってめちゃ怖かったです。まあでも若だんなもおとっつぁんも、突然湧いてきた得体の知れない金に手を出すほどの馬鹿とは思えないのでその時点で違和感はあった。特に若だんなは妖怪の怖さ知ってるはずですから。
「たまやたまや」はブチ切れ手代が面白かったのはもちろんだけど、お春ちゃんとの恋にもならない淡いやり取りが切なかった。

◆という読書感想文でした。
「しゃばけ」シリーズはほんのり名前を聞いたことがあったけど、著作が大量にあって調べるのが面倒だった(図書館で借りると帯付いてないからどれが一作目とかシリーズとか分かんないし1Fや2Fや閉架やバラバラのとこにあったりするので…)、ようやく自分でメモ書いてイチから読んでますが面白いです。けっこう長いシリーズなので、これをしばらく読んでいられる幸せ!しゃばけシリーズ以外の本もモリモリ読んでいきたいです。

最近色々とやることがあって読書のペースもちょっと落ちてきてますが、図書館の貸し出し期間(二週間で五冊)はだいたい守るようにしてるので、この感じで一か月10冊、くらいを目安にすれば健康的なペースで読書してると言えるのではないでしょうか。
やることあるししばらく図書館通いやめようかな…とも考えたんですが、なんかもうちょっとした空き時間に手元に本がないと落ち着かないんですよね…。まあどーしても二週間で五冊読み切れなかったらもう一回借りればいいし…延長も一回できるし…みたいな…。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

| 2018.12 |
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
プロフィール

早

Author:早
飽き性。めんどくさがり。
名前は「ゆう」「早(はや)」どちらでも。
とび森住人のきろく
マイデザお借りしてます

◆ご案内◆

更新のお知らせは
twitter@iiyudaneにて
趣味や日常の雑多垢です

(2013.5.21-)

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

最新記事

カテゴリ

検索フォーム

最新コメント

リンク

月別アーカイブ

  • ページトップへ
  • ホームへ