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秋だし読書感想文

2017.10.11 18:17|読書感想文
◎ネタバレ注意◎

・畠中恵「ちんぷんかん」「いっちばん」
  

感想書く前に二冊読んでしまったのでまとめて。
小紅の話が切なかった~。家を出ていく松之介、修行に出る栄吉、とどんどん人がいなくなってしまう若旦那の寂しさと、いつもそんな思いを抱えてた兄やたちの寂しさ切ない…。
続けて読んだ「いっちばん」では地獄で出会った冬吉と再会してワーーーッってなりました。
「餡子は甘いか」の栄吉の話もすっごい良かった。栄吉は根が真面目だから、菓子作りをリタイアして別の道を探すならそれはそれでやっていけると思うんですよね。菓子が不味いのも事実だし、辞めるってんなら誰も強く引き止められないんでしょうが、ようやくここで一つの才能を認められて本当に良かった。ずっと好きでい続けられることも才能だと思うのでいつかちゃんと美味い菓子を作ってほしい…。

・高田郁「心星ひとつ」

もう澪の周り優良物件だらけすぎて!引く手あまた!どこ選んでも正解すぎる!!いや登竜楼だけはひっかけだったけど!
ただ登竜楼or吉原のお店再建、でどちらも選ばずつる屋を続ける、ってのは割と最初から見えてたんですが、その次の選択肢もまたきっつい…。
好きな人と添い遂げられるのはこの時代とても幸せなこと。と、相手の妹も母親も応援してくれてるし、一足先にお嫁に行った美緒も女として幸せになってずっときれいになった。しかもずっと片思いだと思ってた小松原さまから「生きるのなら下がり眉がいい」とプロポーズ…。こりゃもう女の子なら舞い上がってそこで幸せなキスをして終了してもおかしくないもんね…。この時代だと澪ももう年増だし、ここらでいったん落ち着きたくなるよね…。誰にも責められないよね…。
でも野江ちゃんとの縁もここで切れるし、料理人としての道も途切れるかもしれないってなると、やっぱり最初から答えは決まってる気がする。というか小松原さまは料理をしてる澪が好きだと思ってたので、ストレートにプロポーズしてくれたのにはちょっとオドロキました。それとも小松原さまは、既に澪が武家の嫁と料理人を両立する未来を見てるんだろうか。
続きが気になりすぎるーーー!!あとげんさい様まさかここで終わらないよねーーー!!??小松原さまが本気出してきたんだからここで頑張らなきゃこのままかっさらわれて終わるぞーーーー!!!

・綾辻行人「びっくり館の殺人」

児童書風の装丁の不気味な雰囲気が好きだったけど、本筋のミステリに関してはシンプルであっさり。子供でも読めるミステリ、みたいなシリーズとして書かれたっぽいからかな?オチもちょっと不気味で不思議で、本格ミステリというよりホラー寄りな感じだった。

・小川洋子「原稿零枚日記」

タイトルと書き出しからしてエッセイなのかな?と今まで避けてたんですが、改めて読んでみると色んなことがおかしすぎて面白い!
主人公はもちろん周りの人間も何から何まで不気味&不思議すぎて、「その〇〇とはあなたの想像上の人物ではないですか?」と言いたくなることが度々ありました。誰の言ってることも信じられないし、主人公がどこまで正気なのかもゼンゼン分からない面白さと怖さ。
でも一応主人公が作家というのは本当…なのかな?でもあんまり売れてなくて生活保護を受けてる、という設定なんでしょうか。一冊まるまる読んでもそれすら確信が持てません。
どの話も不気味で怖面白かったけど、個人的に現代アート巡りの話は世にも奇妙な物語でやってほしいなと思った。ツアーの最中に次々消えていく人々、って怖すぎ。面白かったです。

・畠中恵「ころころろ」

いつもの短編集だけど今回は「若旦那の目が見えなくなった」事件が一冊まるまる響いてて、全体を通して切ない話が多かった。
というか「どうせ一話で解決するんでしょ?」と高を括ってたので2話の最後でも治らなかったのはびっくりしました。
個人的には小ざさの別れが特に切なかったな~…。
「物語の終わり」での神様とのやり取りではちょっと和みました。神様ホイホイを仕掛ける方も仕掛ける方だけど引っかかる方も引っかかる方だよ!その神様相手でも容赦ない兄やも厄介ごとに巻き込まれてめんどくさそうな和尚も面白かったです。

・綾辻行人「奇面館の殺人」

いつもの登場人物紹介がないのは全員が面で顔を隠す、という趣旨のせいなのか…。めんどくさいし絶対後で中身入れ替わるだろうし自分でメモ取っとくか…。と、久しぶりにメモしながら読んでましたが、今思うとやられたーって感じです。確かに顔が見えないのはまだしも、名前すら全員きっちり名乗らないのは変だなとは思ってたんですよね。種明かし後はカゲヤマイツシだらけで訳わかんなくて軽く混乱しました。

全員が顔を隠す謎の会合、雪山の山荘、シリーズ随一の狂気に満ちていた「暗黒館」との繋がりを感じさせるような「未来の仮面(暗黒の仮面)」、首と指の切断された死体…と、不穏な要素が多すぎてどんな凶悪な事件が!!??とワクワクしてたのに、まんまと騙されたーって感じです。良い意味で。

そして長らく読んできた綾辻行人の館シリーズも、これで既刊はぜんぶ読んでしまいました。これで私も新刊をじりじり待つ館ファンの仲間入り…。しかもあとがきで知ったところによると、館シリーズは全10巻で、次が最後になるって決まってたんですね。二重に寂しい。新刊待ってます…。

・京極夏彦「数えずの井戸」

登場人物が誰も彼も病み過ぎてる件。欠けてるとか数えても意味ないとかどうとか、とにかく病んでる人が多すぎてモノローグっぽいところは失礼ながらかなりすっ飛ばして読ませてもらいました。めちゃめちゃ分厚いしこの本。
そのうちの半分(播磨、菊、三平)がぼんやり無気力系なのがなおさらキツかった。読んでるだけで鬱になるというか。三者三様にそれぞれ狂ってる柴田、綺羅、主膳の方がまだ読み応えあったかな…。
けど登場人物同士が出会い、どんどん絡み合って悪い方に進んでいく様子はドキドキひやひやしました。
正直視点主になってた狂ってた人たちについては、悲惨な最期を遂げてもなんか…まあ…しゃーないね…って感じです。まあ三平は初めての恋を失った後で知り、行動に起こしたことで想い人共々死ぬという悲しすぎる結末だったと思う。
けど播磨はぼんやりしすぎだし、菊はいくら罪人の娘って言ってもやってもない罪まで私が私が言うのはどうかと思うし、主膳と綺羅は普通に性格悪いし、柴田は忠臣で巻き込まれただけ…かもしれないけどもうちょっと播磨と腹割って話せば良かったと思うし。けっこう何回も言われてましたからね、「最初からちゃんと話せばいい」とか「お前の主は真弓様なのか綺羅様なのか」みたいなそういうこと。綺羅も最初はほしいものはなんとしても手に入れる、というガツガツした姿勢と行動力が好ましかったのだけど、更屋敷に来た途端悪い方に変わったのは菊や井戸の影響だったのか。

菊のお母さんだけは本当に可哀そうだしちょっと泣いた…。実の親じゃないのに本当に菊のこと大事にして、最期は菊の亡骸を抱いて後を追うんだから、もうこれは本物だよなあ。
そんな菊や三平を影ながら支えようとしてた又吉らの後語りも切なかったです。愚図で鈍間な二人にも、ちゃんと情を持って助けてやろうとしてくれた人たちがちゃんといたのに。幸せになれるかもしれない未来があったのに。

・乾石智子「夜の写本師」

図書館をふら~っとしてる時にやたら幻想的なタイトルが並んでいる一画が目について、ちらっと表紙を見てみるとどれもすっごいきれいだったので、興味を惹かれて借りてみた。シリーズものになっててその一作目らしい「夜の写本師」。
完全本格ファンタジーなんて読むのいつぶりだろ?と思いながら読んでたけど面白かったです。あらゆる種類の魔法が出てきてかなり詳しく解説されるので、魔法な雰囲気や小物や呪い道具やら、そういったワードに憧れを抱く人にはオススメ。

本筋は愛憎溢れる復讐劇という感じで大真面目にやってるんだけど、女と男の性差についての話(女だけにあるもの/男にはないもの)も何回も出てくるので、最後のアンジストの回想のとこでは「魔女に金●かたっぽ取られちゃったの???」とかめちゃめちゃお下品なことを考えてしまった。本当に申し訳ないと思っている。
いやでも真面目に、女だけが持つ魔力をすべて奪われた結果カリュドウが男として生まれたのなら、アンジストも元々は女で魔女に紫水晶を奪われたから男になったとか…?とか考えたんだけど、回想でもアンジストは「少年」と表記されてるしそういう訳ではないのかな。まあ男尊女卑を批判的に書いてるのに魔法は女の方がすごいみたいな話になるとそれはそれでめんどくさそうだしないか。
一冊で完結してるけどシリーズは続いてるようなので、この後も単発含め色々読んでいきたいです。
「月と闇と海」が女の魔法としてテーマになってるのなら、「太陽と光と大地」の魔法も当然出てくると思うので。

ちなみにこちら、アマゾンプライムだと今キンドルで無料で読めるので興味のある人はぜひ。

・畠中恵「ゆんでめて」

一話でいきなり時間がぶっとんで、「えっ私これなんか読み飛ばした!!?それかまた誰かの夢に入ったとか幻見てるとかそういう??パラレル的な???」とかなり混乱してました。
時間を巻き戻しながら運命の日に戻っていく、という形式なんだなとは後から分かってきたけど、とにかく屏風のぞきが心配だし、妖ファンタジーといえど運命をやり直すことなんてできるのか??…とずーっとはらはらしながら読んでました。
結果的には生目神様がひと肌脱いでくださって、屏風のぞきは帰ってきたけど、当然分岐しなかった未来は消えてしまってほんのり切ないお話でした。かなめさんいい人だったのになー。返事はもう返ってこない、というのが一番切なかった…。

◆という読書感想文でした。
やることあるし読書控えよう…って思っててもなんだかんだ月10冊+αペースで読んでる。
今はもうちょっと減らした方がいいかも…と思いつつ、「月たった10冊!!?読みたい本はどんどん増えていくのにそんなん言ってたら気になってるあれやそれをいつになったら読めるんだよ!!!」みたいな謎の焦りもあって多いのか少ないのか分からなくなってきた…。
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