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十冊感想文

2018.07.07 19:10|読書感想文
六月はあんまり読めなかった。
半分くらい風野真知雄

◎ネタバレ注意◎

・畠中恵「こいしり」


まんまことのあさのすけシリーズ二作目。
ようやく腹括って結婚したと思ったらおゆうの旦那が死んで独り身になって…というとこにおすずが出くわしたのにはドキッとしましたが、そこは二人ともわきまえてるのであんまり不穏な空気にならなくてよかったです。これはタイミングが「良かった」と言うべきなんだろうな。麻之介が独身のうちにおゆうの旦那が死んでたってどうにもならなかったと思うし。
ただやっぱり麻之介はな~~…おすずも麻之介もお互い信頼しあってる理想的な夫婦に見えるけど、麻之介はその調子の良さで適当に言ってるだけにも見えるんだよな…。周囲に対してはおすずのことをできた嫁だ、きれいだと惚気てみせてるけど、本当に心からおすずの美しさに見惚れてるような描写はないというか。嘘は言ってないんだけど。今更おゆうとどうこうなるとは思わないけど、この二人の今後が気になる。

・島田荘司「斜め屋敷の犯罪」改訂完全版


地元の図書館には御手洗シリーズの最初の方が全然ないので、ふらりと寄った古本屋に大量にあったのを見て思わず衝動買いしてしまった。
というわけで久しぶりの御手洗シリーズ。最近読んだ中期~後期?あたりのシリーズはもう御手洗の名前が売れてて超すごい天才!みたいな扱いが多いので、なんか新鮮だった。
犯人については最初からかなり分かりやすく書いてくれてると思うけど、トリックはわかるはずもなく…というか最初から諦めてたのでなるほど~ってなりました。部屋の構造とかクッソややこしかったけど、最終的には「斜めになってること」だけ抑えてれば十分だったんですね。
ところで石岡君のベッドに御手洗が潜り込んできたってさらっと書いてあったのは何…?腐女子的に萌えていいの…?

・風野真知雄「新宿魔族殺人事件」


序の「ここは内藤新宿である」のところがもう切なくて痺れた~。
最初はこの男女どちらの正体も分からなかったけど、今思うとどちらも切実なものを抱えてたんだな…「ひそやかな思いを秘めている?」ってのはそういうことだったんだな…。
「ふまのもの」の正体はややファンタジーではあったけど面白かったです。おゆうはこのまま生き延びてほしいしお千代もうまく立ち直ってほしい。もしいつかお千代がおゆうに復讐しに行くことがあれば、おゆうはそのまま受け入れそうな気がするのでどうか会わないでほしい…。

・有栖川有栖「幻坂」


最初の「大阪を愛する~」の作者の前書きの時点でいつものミステリじゃないんだろうな、とは思ってたけど、やっぱりちょっと不思議な怖温かい話が中心の短編集でした。ただこれは本当に大阪が好きな人向けというか、大阪の地理や歴史の話がけっこう多いのであまり興味ない身としては退屈なとこも多かったです。

・歌野晶午「密室殺人ゲーム王手飛車取り」


歌野晶午らしいザ・悪趣味な話で面白かったです。いや歌野晶午そんなに読んでないんですが。
殺人犯の覆面会合みたいなことやってるんだから、「そのうち知らない間にメンバーを殺すんでは?」「実は知ってる人物なのでは?」というのは予想できたんだけど、やっぱ主人公の性別のとこで騙された~ってなりました。前読んだ「ハッピーエンドにさよならを」のホームレスの話もそうだったけど、こういう時に自分の偏った男女の先入観というかちょっとした差別意識みたいなのを無意識に持ってることを意識させられる。
工業高校は確かに風紀悪いイメージあるけど、別にいかしたらええやん親厳しくない?よっぽどお上品な家なのかな?とか思ってたわ。確かに女の子が工業高校行くって言ったら反対する親の気持ち分かるような…そしてここにも工業高校への偏見があるっていうね…。

すごいいいとこで終わっちゃったので先が気になる…三部作らしいんだけどこの続きから始まるのか?それとも登場人物ががらっと変わるのか?えげつないシリーズだけど次も読みたい。

・風野真知雄「人形町夕暮殺人事件」


最初からずっと根岸が寝込んでて大丈夫なの??と冷や冷やさせられたけど面白かった。猫パートが特に好き。鈴可愛い。
すっかり変な女にばっかり惚れるキャラになってる坂巻だけど次はそっちいっちまったかー!って感じで深刻な話なのにちょっと笑ってしまった。ドンマイすぎる。妖談シリーズでは頼りになるレギュラーメンバーみたいな扱いだったしめはここが初出だったのかな。

・風野真知雄「神楽坂迷い道殺人事件」


坂巻がおゆうと再会した時は「ダメだー!!死ぬ!!悲恋だ!!!!」と頭抱えたんですが、ようやくうまくいきそうでよかった…。忍びとしてサポートしてくれるのめっちゃ心強いし、おゆうも根岸のとこで密偵として働けばいいんじゃないかな…。
品川左衛門の最後のとこはちょっと泣きそうになった。でもできれば息子とのやり取りもっと見たかったな~。

・歌野晶午「密室殺人ゲーム2.0」


気になりすぎたので即続き借りてきました。
前回の五人が普通に殺人ゲームしてるので、普通に考えたら過去編?でもコロンボの遺影筆頭に前作を踏まえてるようなとこもあるし…?とそっちの方ばっか気になってたんですが、途中でその後の話が語られてそこでようやくスッキリしました。アクスがハックする!と言いつつやっぱりできませんでした~ってなるとことか納得。
前作ラストについてはまあ死ぬよね~って感じだし全員ぶっ飛んだ人殺しなのでおきれいな救出劇も似合わないし同情は皆無なんですが、ザンギャ君はちょっとトウキョウジンが好きだったのかな…とはちょっと思ってた。
しかしよく二代目コロンボみたいな人材が出てきたな。他の部分は猿真似できても推理力はそうそう真似できるもんじゃないし。

遺書替わりの論文は、本当にあるのか知らんけどちょっと納得してしまった。私は元々対人ゲーム超苦手で今はほぼやらないけど、自分が死んだ時は萎える反面(リスポーンするまでは休憩できる…前線に復帰するまでは誰にも攻撃されない…)って感じでちょっとホッとするよね。くそ雑魚だからこその思考だと思いますが。

・風野真知雄「王子狐火殺人事件」

つ…つらい…悲しすぎる…
出てくる若い娘みんなそれぞれクズなとこあったし、逆恨みで三人も殺した真犯人の立場を配慮して公にはさばきにかけず尼寺へ…というのはかなり甘いんだけど、いざこの結末になってみると桃姫が哀れすぎた…。というか最後に嫁入りと嘘ついて連れ出すとことか可哀そうやからやめたれよ!!坂巻には別の女いるんやぞ!!??とめっちゃ思ったんだけど、伊之吉はもうこの時点で自分が楽にしてやろうと思ってたんだろうな…。
伊之吉がしたことが姫様にとってよかったのかわるかったのかはちょっと分からない。このまま生きててもつらいだろうけど、一応更生の余地は残されてるんだから、それを伊之吉が独断で判断するのはどうかという点はある。でもやっぱ既に三人殺してるからなあ…って思うと、「しんどくても生きていればいつか幸せになれたはず」なんて言えないわな。三人の幸せを奪ったんだから。

というか妖談シリーズの最後の方では栗田は双子のパパになってた気がするんだけどまだ生まれてない?男かな女かな~と雪乃と話しててもなんか先に知っててゴメンネという気持ちになる。両方やで…。

・歌野晶午「密室殺人ゲーム・マニアックス」


どうせならもう一気に読んでしまおうってことで三作目。
外伝的エピソードらしいけど、たしかにネットで見ず知らずの人間と殺人チャットという前提があるなら、それを「公開する」という発想はあってしかるべきという感じ。一番の問題は「ほぼ確実に捕まってもいい」と思いながら殺人ゲームに参加するような奇特な人材の確保だけど、それをいっぺんに解決しちゃう荒業というか単純すぎて盲点というか…。

◆という感想文でした。
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