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七月だし十冊感想文

2018.07.19 19:50|読書感想文
◎ネタバレ注意◎

・風野真知雄「佃島渡し船殺人事件」


別組織の絡むけっこう大がかりな事件だったけどこれ年の瀬の数日間の話なのよね?
もう坂巻はさっさとおゆうに告白してくれ!店がうまくいってなくても自分が養ってやるって言ってやれ!根岸の部下なら給料いいんでしょ!
しかし栗田も言ってたけど、坂巻は本当に「傷付いたおなご」にめっちゃモテますね…もう毎回じゃないか…?晴れておゆうと結ばれてもおゆうはいつもヤキモキすることになりそうだ。

・小川糸「ファミリーツリー」


相変わらず表現はとてもきれいだと思う。…が、お話としてはリュウ少年のちょっと人と違うところもあるけどわりと普通な青春を描くだけという感じでとくに山もオチもなかったような…。まあどこにでもある家庭、どこにでもある青春というほどありがちじゃないけど、そこまで突拍子もないファンタジーでもないというか。ところどころ実際にありそうなリアルさ、生々しさは良かったけど、最後までそれで終わったなという感じだった。ずっと「僕」視点の回想風というか、いつになったら話が動くんだ?追いつくんだ?と思ってるうちに終わってしまった。

・島田荘司「御手洗潔の挨拶」


移動中とかにちまちま読んでた短編集。相変わらず変な事件ばっかりで面白かったです。
「疾走する死者」では珍しく第三者視点で御手洗の容姿についての描写が見れたけど、御手洗の外見ってどんな感じなんだろう…?とりあえず彫が深くて髪はもじゃもじゃ、みようによってはハンサム、くらいしかわかってない。日本人からすると超絶美形ってな訳ではないけど外国人よりの濃いイケメンって感じ?平井堅とか阿部寛系の?

・三津田信三「魔邸」


で、で、出た~~~~!!呪われし大地朱雀地方のカガクシ村!!
別荘でバイトする話あったな~とか、学生グループ皆殺し事件はなんかの作中作だったかな?とか思い出してちょっとにやにやしました。
もともと怪異の多い土地なのは知ってるけどそれにしても怪異ラッシュがすごくて、これ絶対人間がやってるのもあるだろ?と思って叔父さんは怪しく見てたので納得のネタばらしだった。それにしてもここまでヤバいおっさんだとは思わなかったけど、これくらいのホラー混じりのミステリが好きです。
最後にゆうまくんもわりとヤバいやつだったことが明かされるけど、彼にしてみれば「セイ」と同じく親に捨てられる一歩手前のギリギリに追い詰められてたんだろうなと思う。義父はユウマの語りでしか出てこないけど、小学生の子供一人残して身ごもった母親と一緒にアメリカへ~って普通におかしいもんな…。高校生か、ワンチャン中学生ならありだけどこういうのもだいたい子供が残りたがってるパターンだし、小学生の子供が一緒に行きたいって言ってるのに残す(しかも信頼して託せる保護者もたいしていない)って。

・風野真知雄「日本橋時の鐘殺人事件」


犯人視点になって二人の身元や動機が明らかになった時点でイヤーな予感はしてたけどやっぱり切ない最後だった…。
本当につくづくタイミングの悪い事件でしたね。もう少しいかもの屋の正体に早く迫っていれば、少なくとも孫六の方は手を汚すことはなかった。さらに早ければ欽介は花火を作ることができて動機自体が消えてたし、時計の親方の申し出ももう少し早ければ孫六は踏みとどまって新しい生活ができたかもしれない…。孫六が仕事をすっぽかして、欽介と一緒に歩いてるシーンがすごく切なかったです。

・東野圭吾「怪笑小説」


久しぶりの東野圭吾。サクッと読めそうな短編集だったので借りてみた。ミステリというよりややブラックな話だと聞いてはいたけど、個人的にはオチに対してモヤモヤを溜めるパートが多かったかな~というか…。「鬱屈電車」とか「逆転同窓会」とかは、俳優とか芸人がコミカルな演技しながら世にも奇妙な物語的な番組でやれば「あるあるww」って過程も笑えて面白そうだなと思った。なんていうかオチ以外は誰もが持ってる普通の「性格の悪さ」を少し誇張したくらいで、改めて本で読みたい内容じゃないというか。「動物家族」も某犬のお父さんみたいに映像にしたら面白そう。
あと「超たぬき理論」で「たんたんたぬきの『たんたん』はタンタロスに由来するのではないか?」とか言い出した時は思わず笑いました。

・荻原規子「西の善き魔女1旅立ちの巻」

有名なので名前だけは知ってたけど読む機会がなかった。荻原規子さんの名前は私がそろそろ児童書卒業かな?という歳くらいに知ったので、なんか今更借りるのが恥ずかしい…みたいなお年頃だったんですよね。それでも「これは王国のかぎ」だけはどうしても気になって読んだ記憶。

文庫本やら漫画やら色々出てるっぽいけど、私が読んだ一巻は女学校編まで。面白くて一気に読んでしまった~。
最初はなるほど「喧嘩ばかりだけどほっとけない生意気な幼馴染(ルーン)」と「憧れの王子様と思ったらやっぱ貴族って気に入らないわな若君(ユーシス)」の三角関係ね~どっちも捨てがたいね~乙女の夢だね~と思ってたら、まさか対抗馬にユーシス×ルーンが出てくるとは…!そっち方面の乙女の夢も用意してるなんて…しかもネタじゃなく普通にこっちもおいしいときた…。
アデイルの趣味についても作者の悪ふざけや小ネタかと思いきや、まさか「この同人誌が目に入らぬか」展開になるとは思ってませんでした。最初の印籠(王女の血に反応する試金石)はめちゃめちゃ王道ファンタジーだっただけにこの落差よ!萌えは世界を救う!

まあいくら心は腐ってても少女小説を読むなら最終的にはフェリエルとどっちかがくっついてほしいですけどね。四巻まであるっぽいのでしばらくはこの複雑怪奇な恋模様(?)を楽しみたいです。
しかし最初の首飾りをもらって喧嘩別れするとこではここまでルーンと深い仲だとは思ってませんでした。女学校でちゅーされるところはまさに少女漫画の定番!って感じでわくわくした~。今んとこずっとルーン優勢だからユーシスがんばってくれ。現時点だとお前フェリエルよりルーンとの方がフラグ立ってるぞ。
真面目な感想を言うとホーリーのおかみさんがいい人すぎて泣けました。

・風野真知雄「木場豪商殺人事件」


一つの事件がどんどん繋がっていくのが面白かった。これも切ない終わり方だったけど救いはあるというか、兄弟が根っから恨みあうようなことはなかったんだ…と思うとちょっとほっとします。
今回の坂巻の恋はわりとあっさりだったけど、そろそろおゆう探しに行かない??
定信さまは今回出てくるのちょっと遅めだったけど相変わらず図々しくもこざっぱりしてるところが面白くて好きです。

・風野真知雄「湯島金魚殺人事件」


あれ?男女の双子じゃなくて娘二人だっけ…覚え違いしてたっぽい…母娘で雪月花トリオとかめちゃ夢があるし名前だけで既に綺麗になりそうだし栗田は良かったねって感じです。
くじらすごい面白いキャラだったのにあっさりいなくなっちゃって残念。実写化するならたぶんマツコみたいな感じなんだろうな…と思ってた。金魚屋の主も変人すぎて面白かった。また出てきてほしい。
貴族達の遊戯「金魚釣り」はザ・裏社会って感じだし、陰間のいる大根畑のどこか怪しげで滑稽で頽廃的な華やかさは覗くだけならワクワクする世界だった。
一話で還俗した坊さんを「こっちのものではないか!」と笑うとことか、南風小僧に罠を仕掛けるくだりとか、ぴんぞろの捨松に会いに行くとことか、今回は根岸のやんちゃっぷりが色んなとこで発揮されてて面白かったです。
最後に定信様が駆けつけてきて、両方信頼してる部下なのに反射的に根岸を助けてくれるのも良かった~~。定信様ーーー!!

あと町娘が「陰間はキモいけど武家のイケメン二人がイチャイチャしてるのは物語みたいで素敵(要約)」とキャッキャしてるとこは、公式BL作品より非BL作品の方が二次が伸びる現代の業に通じるものがあるなと思いました。

・荻原規子「西の善き魔女2戦いの巻」


続きが気になり過ぎたので即借りてしまった~。この二巻はこれからヘルメスのアジトに行こうってところまで。どんどん未知の領域に踏み込んでいくのが楽しい。
三角関係かな?と思ってたらわりとガッツリルーン×フェリエル固定みたいで、ユーシス派としてはそこんとこがちょっと残念ですが…いやもともと騎士属性が好きなもので…。ユーシス×アデイルは両者共に生まれに縛られてて無自覚って感じなんですかね。でもユーシスも実際ちょっとはフェリエルのこと気になってるように見えるんだけどな~。陰険オッサンに迫られた後(君を守るために)婚約しようって言われるところはまさにファンタジー少女小説理想の展開って感じで滾っただけにこのまま終わってしまうのは物足りない…!別にくっついてとまでは言わないからもうちょっとお互いをちゃんと見てほしい…!

◆という読書感想文でした。
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