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秋だし読書感想文

2018.11.15 19:50|読書感想文
◎ネタバレ注意◎

・森見登美彦「太陽の塔」


「走れメロス」のキレッキレな文章に惹かれて借りてみたんですがこの作品も表現がいちいち面白くて、本筋と関係ないところでもたびたび笑っちゃいました。文章や表現が好きという作家さんは何人かいるけど、この人の文章はそれらの人とはまったく別ベクトルから好きになりました。メモしておきたい場所が多すぎる。ただしGのくだりは薄目で読み飛ばしました。
内容は、結局は一人の若者が失恋を受け止めるまで、という話だったのかな?すごく自然に彼女の夢に入る幻想的なとこもあってよく分かんなくなったんだけど、結局水尾さんはなんで主人公を振ったんだろう?太陽の塔といい招き猫といい、夢が主人公から得たもので構成されてるのでよく分からなかった。それともあれは主人公の夢だったんだろうか?失恋の話で、しかもライバル的存在まで現れるのに、当事者の水尾さんは一度も生身で視界に入らないところが印象的だった。あまりにも謎めいてるので水尾さん死亡説とかちょっと追っちゃったよ。

余談ですが、ARuFaさんていう超有名面白ブロガーが森見登美彦の夜は短し~をめっちゃ推してるのは知ってたんですが、この作品を読んでARuFaさんのキレッキレな文章のルーツはここにあったのかとなんか妙に納得しました。

・畠中恵「ときぐすり」


もう一年経ってたことに驚きつつ、麻之助がちょっとずつ前向きに戻ってきてよかった。やっぱりおこ乃と若干フラグ立ってはいるけどくっつくまでは難しいと思うのでそのへんはじっくりやってほしい。吉五郎の方も一葉とくっつくことになってるけど本心はどうなんだろうね?「すこたん」の家族ぐるみのしょうもない喧嘩面白かったし「ともすぎ」の丸三さんに和んだ。「ときぐすり」は今までになく麻之助がぼんやりしてるなと思ったけど、少しでも三人がうまくいけばいいなあっていう考えの下だったんだね…。

・L.M.モンゴメリー「アンの愛情」


大学編の三巻。
モテまくるけどイヤミじゃないフィルのキャラが面白かった。しかしアンはギルバートのことになるととことん疎い!!作中ではあっという間に時間が過ぎるのであんま意識しなかったけど、結婚前提みたいな感じで二年も他の男と付き合ってるのに結局振るのもギルバートを待たせ続けるのも酷すぎて、フィルが怒るのも尤もって感じだった。ギルバートはほんとに忍耐の人というか、もう完全に運命の人ロックしてたんだね…。

・有栖川有栖「狩人の悪夢」


面白くて終盤は一気に読んでしまった~。とっ散らかりまくった殺人。
最後まで読んでみるとやっぱり生前の渡瀬君と先生の関係が良好だったぽいだけに、沖田さんが余計なことしなければ…と思わずにはいられない…。いや彼女の気持ちも分かるけど、渡瀬君が自分の名前を世に出したくないってことは彼女も身をもって知ってたよね…簡単に想像できるよね…。どんな行いだろうと名前が表に出ること自体が嫌だったんだろうって過去の事件から分かるよね…。
先生も自分の作品は評価されないのにゴーストライターが書いた話はどんどん売れてハリウッド進出とか内心嫉妬の嵐だったろうに、そのゴーストに慕われてたってのはすごいと思う。まあ最終的に沖田さんにつつかれてキレちゃった訳ですが。
彼女の考え(ゴーストの存在を明らかにするor合作として発表する)が実現したら再び渡瀬君が世を騒がせることになるし、故人の考えを優先するべきだったと思うなあ。死んだ人達の生の会話がまったく見られなかったから想像するしかないんだけど、正義感に駆られて暴走した感じがする。結果的に最悪の結末になってしまった。

・ジェフリー・ディーヴァー「コフィン・ダンサー」


め~~~~っちゃ面白かったー!
前作のボーン・コレクターでは「意外な犯人」だったためか犯人パートでも徹底して顔が隠されてたのに対し、コフィン・ダンサーでは人間的な部分や弱さがわりと序盤から描写され、「顔」がよく見えるぶん犯人側の攻防にものめり込んじゃう感じだった。病的なくらいの潔癖症で何かトラウマ持ちなことは明らかだったし、特にジョーディ登場あたりから揺れまくるのがほんと面白い。
いやでも…なるほどね~~もうネタバレがんがんしながら書くけど、前作では犯人パートの主語は「ボーン・コレクター」だったのに、なんで今作は最初から本名なんだろう?とちらっと思いはしたんですよね。それ以上は深く考えませんでしたが。だから「この人がコフィン・ダンサーなんて一言も言ってないですけど???」とでもいうような終盤の怒涛の展開はすごい面白かったです。たしかにただのモブホームレスのわりに理解が早いというか上昇志向が強いというか、トボけてるのにちゃんとしてる部分があるとは思ったけどまさか…でした。

視覚的にも「えっ!?」ってなるどんでん返しポイントが三つくらいあって…ヤバそうな黒人が一瞬でよく知ってる潜入捜査官に化けるシーンもワクワクしました。あの空間にいたメンバー今思うとすごい。
満を持して真のコフィン・ダンサーが出現するところは言うまでもなく興奮したし、ケイルが窓で見た人物、依頼人の狙い等々の伏線も全部かっちり気持ち良くハマってすっきりしました。
パーシーは、狙撃されてるのにノコノコ出てきて結果バンクスが撃たれたってとこはまじ「もっと言ったれサックス」状態だったけど、その後癇癪を起したライムを言い包めるシーンは見事だった…。基本的に気丈でかっこいい女性なんですよねパーシーって…。でも私はバンクスの恨みがあるので、パーシーはもうベルとくっついて私の見えないところで幸せになってください。

・風野真知雄「四谷怪獣殺人事件」


久しぶりの耳袋シリーズ。悩みを聞いてもらいたくて根岸の視界にチラチラ入ってくる定信様かわいい。
しめと梅次がちっちゃい謎を解いていくのが面白かった。清香親分おめでとう!というか飛ぶ樽の話はどうなったんだっけ…?同時進行で大泥棒がやってくる話してるから次巻で一緒に明らかになったりするんだろうか。次からは中古で飛び飛びにしか買えなかったんだよなぁ。

・原田マハ「旅屋おかえり」


一話完結式で色んなところに旅してくれるのかな?と思いきや「旅屋」として徐々に仕事が増えていく過程がばっつりカットでちょっとびっくりした。まあそのへんはもともと旅慣れてるからいいんだよってことなのかな。江戸ソースのおばあちゃん登場あたりから一気に話が動いて面白くなったけど、いざ社長のやらかしが明らかになると「えっその程度で…?」と思ってしまった。まあ嫁さんは恨んでもしょうがないと思うけど周りがあそこまで騒ぐんだから社長が間接的に子供殺したくらいのやらかしかと思ってたわ…。まあ一目惚れでスカウトしたタレントに手付けて出来婚、という前提が既に酷すぎますがそこは両者納得して幸せにやってたので…。

別にスポンサーおばあちゃんが社長の所業を公表するぞ!とか脅したわけでもないのに、市川さんものんのも勝手に騒ぎすぎじゃないか?特にのんのさんは事情も教えないくせにいきなり冷たくなるからナンダコイツと思いました。「身内のお墓参りに行ってほしい」って依頼でなんで「社長を潰そうとしてるのかも!」って発想になるんだよ。何らかの思惑があったとしても露骨に和解の機会を与えてようとしてる方じゃん…。

・森見登美彦「ペンギン・ハイウェイ」


「太陽の塔」でも思ったけどこの人はナチュラルに不思議というか、現実からふっと夢のような展開になる話が多いのかな。日常風景の中に突然幻想的な空間が現れる感じ。アニメをちょっと見た程度だけど「有頂天家族」もそんな感じだったし。アオヤマ君はちょっと変なとこもあるけどすごく賢いしいい子だなと思いました。

・有栖川有栖「英国庭園の謎」


いつもの短編集だったのでサクサク読めた。
「三つの日付」はナスカっていう異国風の店の特徴が最大のヒントだったんだな…。犯人視点の話好きだけど「完璧な遺書」は予測変換でそんなこと言われても…とちょっと思った。でも他に証拠残しまくりだからどっちにしろ捕まってただろうな。

・畠中恵「まったなし」


清十郎の縁談ようやく決まってよかった。お安さんは麻之助と考え方が似てるから麻之助ともお似合いに見えたけど、清十郎の足りないところを補う系夫婦もいいと思う。
おゆうの方は…なんつーかこの時代この立場では問題にもならないのかもしれないけど、周りも本人も幸太の行く末と八木家での空気だけ考えて、また一回りも違う歳の男の後家になるのか…って思うとさすがに不憫。というか最初は子供できたのもほぼ自業自得だと思ってたけど実際は違ったし、まじでおゆうはストーカーのせいで普通の娘としての人生完全に終わってたんだなって。自分の人生犠牲にして訳ありの母親になるしかなかったんだなって…。
麻之助はだんだんおすずのことがいい思い出に変わってるみたいだけど今後どうなるのかなあ。

◆という読書感想文でした。
しばらくまだ読書期間中。
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