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夏は涼しい部屋で読書

2019.08.05 20:05|読書感想文
◎ネタバレ注意◎

・西崎憲編「英国短篇小説の愉しみ1看板描きと水晶の魚」



海外の小説にも慣れていきたいなと思ったのでよさげな短編集借りてみた。
文学よくワカラナイからあまりにも文学文学されると挫折しちゃうかなぁと不安だったけど、意外にも分かりやすいオチがある話が多く私でも読みやすかった。いやけっこう分からん話も多かったけど…。表題作の「看板描きと~」もよく分からんかったけど、神秘的な雰囲気がけっこう好き。「羊歯」や「鏡の中の貴婦人」の、丁寧に描写を重ねてから最後に無慈悲に叩き潰すというオチは英国っぽいなと思った。適当言ってるけど。

・乃南アサ「凍える牙」



有名な作家さんらしいので前から読みたいと思ってた。シリーズ一作目。
主人公の貴子がカッコイイので続きも読みたい。滝沢班は同僚からはいいコンビに見えたらしいけど、当人達の視点を見てる方からすると滝沢はまったくいい上司とは思えなかった。貴子の方はちゃんと謝ったけど滝沢は女は差別して当然みたいな考えのまま終わってるし。続編で滝沢が貴子を相棒として認めていく流れでもいいけど、これっきりいなくなっても全然いいという感想。

・有栖川有栖「乱鴉の島」



久しぶりに館ものでわくわくしてたけど、不気味な舞台のわりにそこまで人は死ななかった。
動機も島の陰謀の中心とはちょっとズレたところだったし。序盤「動機なんか皆ないけどもしかしたら親の仇とたまたま出会ったかもしれないし」みたいな軽口叩いてたけど伏線かよ…。
子供たち二人が既に夫婦のクローンなのでは??と予想してたのでわりと大人しいところに落ち着いたなと思った。まあ本気で二人のクローンならもっと頻繁に会える環境で育てるか。

・歌野晶午「絶望ノート」



狼少年日記の成れの果て…って感じだろうか。
もしショーンの思惑が明らかになったとして、彼は何の罪に問われるのかというと未成年ということもあってかなり微妙なとこだと思うから、まったく予想していなかったところ(しかし無関係でもない)から理不尽な暴力に晒されて終わるというのは因果応報感があった。いや天罰というべきか。

・吉永南央「紅雲町ものがたり」



七十後半のおばあちゃんがのんびり日常を送りつつ事件を解決していく話。
一般のおぱあちゃんが主人公なので派手な殺人事件とはいかないけど、そのぶん料理や古民家や着物の描写に和む。最初はおばあちゃん相手なら相手の油断を誘えて良さそうだなと思ったけど、おばあちゃんだからこその苦労(主に痴呆関連)もあり新鮮だった。

・有栖川有栖「妃は船を沈める」



癖のある悪女の話面白かった。
二つ目の方では妃がまた若い男たぶらかして手のひらで転がして…みたいなやつかと思ったけど、死んでるのが昔の男(?)の時点で旦那への愛情は本物、アリスの推測が正しいってことでいいんだよね。
最初の事件の時点で何かしらの罪を償っておけば旦那と出会うことはなく、今の幸福を自分で壊すことにはならなかったのかもしれないと思うと、猿の手で狂った人生だったなと。

・アーサー・コナン・ドイル「シャーロックホームズ全集1緋色の習作」訳:小林司 東山あかね 注・解説:高田寛



別の本を探してる時に見かけて、そういやホームズの派生やモチーフにした作品は色々見たことあるけど原作はちゃんと読んだことなかったな~と思って借りてみた。分厚いので不安だったけど注釈が大量で、本文の半分以上はある。でもいちいち本編を中断して確認しに行かなくても内容はだいたい理解できるし、びっくりするくらい読みやすかった。まったく古さを感じさせない。注釈はホームズにハマった人、もっと細々した背景を理解したい人向けって感じっぽい。

初めて読んだ原作ホームズ像は、今まで見たホームズ派生作品のどれというより島田荘司の御手洗が一番近いような気がした。この謎の躁鬱状態、謎の観察力、自分だけ分かってて説明すっ飛ばしていくとこ、手品のように犯人が現れる感じとかが。
注釈はいつかホームズにはまった時の二周目に読むことにして、まずはさくさくシリーズ本編読んでいこうと思います。

・畠中恵「ひとめぼれ」



読んだと思ったら読んでなかったシリーズ六作目。まんまことシリーズは基本平和なもののどうしようもないすれ違いも多くて切ない。
「わかれみち」のラストのところとか、それまで普通に読んでたのに「もし変な横やりが入らず何事もなく時が経っていたら、大倉屋が麻之助の義父になっていたのかなぁ…」と唐突に思い出して切なくなった。

一葉については吉五郎といい感じなんじゃないの?いきなりぽっと出の色男に目移り?と一瞬思ったものの、そりゃ十歳かそこらの時にずいぶん年上の兄ちゃんが養子として入ってきたら兄としか意識できなくなるわな、と思うとわりと同情的。まあ兄妹みたいな関係の夫婦というのもアリだと思うしいつかくっつく未来もあるかもしれない。そこはあんま心配してないけど、それより小十郎様が吉五郎を完全に跡取り息子として認めたことが嬉しかった。春四郎は現代の感覚で見るとクズなんだけど、当時の三男四男は皆必死だったろうし乙って感じ。顔の良さを生かして役者とかやればいいんじゃないかな…。

・小川糸「さようなら、私」



過去に色々あった女性たちがちょっと変わった経験を積んで悲しみを克服し、新しい人生を歩む話。って感じだろうか。切なくも優しい空気感が良かった。「恐竜の~」の美咲は、慣れない異国でヒスりがちで決していい印象ばかりではないけど、突然未開の地に飛ばされた日本人ってこんな感じなんだろうな…と納得してしまうリアルなヒスだった。異世界トリップものの主人公が馴染みすぎるだけで実際皆こんなもんだって絶対…。

・アーサー・コナン・ドイル「シャーロックホームズ全集2四つのサイン」訳:小林司 東山あかね 注・解説:高田寛



今回も半分くらい注釈なのかなと思ったらそうでもなかった。
ショルトー弟とモースタン嬢は感じのいい人だったし、兄も殺されるほどのことはしてないんだろうけど、両父親は恨まれても当然だなと思った。まあでも犯人も他人を殺して得た財宝なんだから、奪った者が奪われるのは当然といえば当然か。
しかしホームズとワトソンの関係が、というか御手洗と石岡君が被りすぎていてなんか微妙な気持ちに…。

◆という読書感想文でした。
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