古戦場だから十冊感想文
2019.11.17 17:30|読書感想文|
フルオートで読書が捗る!
以下ネタバレ注意。
・有栖川有栖「ジュリエットの悲鳴」
いつもの真面目?なミステリ短編種かと思いきやふざけ気味の話もけっこうあって面白かった。「パテオ」のオチかわいそう面白い。
「登竜門が多すぎる」はワープロソフト虫太郎で笑っちゃった。ネタ商品を推してくるのかと思いきや作家あるあるネタみたいなのも楽しい。マイルール「参考文献で文庫本をあげてはならない」に(見栄をはるなよ)ってツッコミ入ってるやつとか。やっぱプロの作家でも参考文献に難しそうな学術書がいっぱい並んでるとクールみたいな風潮あるんだろうか…。
・乃南アサ「未練」
序盤は彼氏の存在がまるっと消えてるからえっ別れたん??それとも過去の話??と不安になってたけど四つ目の話でやっと出てきて安心した。古物屋の事件は結局最後まで見届けられなかったけどこの後解決しますよということでいいのかな。
・風野真知雄「別れ船」
「雨の季節の女」が印象的だった。藍色しか着せてくれない男、それが不満な女。一見そんなことで?ってなりそうだけど、そんなことすら許してくれないってことは他にも束縛があったんだろうなあ。
本筋の方ではいよいよ小鈴屋が目付けられちゃっていよいよ危なくなってきた感。
・風野真知雄「噓つき」
一気に話が動いて面白くなってきたー!
鳥居耀蔵という人は「悪いお奉行」としてかなり嫌われてたらしいけど、おこうさんや小鈴への優しさは本物に見えるんだよな~。幽閉を経て晩年は慕われるようになったらしいから根っからの悪人じゃないんですよということかな。
・アーサー・コナン・ドイル「シャーロックホームズ全集6シャーロック・ホームズの帰還」訳:小林司 東山あかね 注・解説:高田寛
ワトソンがいきなり妻と死別しててびっくりしたけど、ワトソンはホームズと出会ってわりとすぐ結婚して下宿先から出てったから、むしろ今の状態が本来のイメージに近いのかもしれない…?
前よりいっそうホームズの名声が上がって公になるとまずい重要な案件が増えてた印象。最後の「我々にも外交上の秘密があります」っていうセリフ好き。
・歌野晶午「魔王城殺人事件」
例の「児童書っぽい雰囲気の装丁だけど中身はがっつり殺人事件シリーズ」のやつだった。
軽い感じでサクサク読めた。ただこれといった不思議が少なく小屋に絡繰りがあるのはわりとすぐ分かるから勘のいい人ならすぐ気づきそう。アリ問題で「名前があることが観察者である人間の存在を示唆している」って言われた時の方がなるほどなってなった。
・村上春樹「図書館奇譚」
むくどりや置いてきた靴、犬やら意味深ワードがたくさんでそれぞれが何を暗示してるとかはよく分らんけど、「図書館の地下には牢屋があって知識をため込んだ人の脳を吸う」「多かれ少なかれどこの図書館もやってること、知識を貸し出すだけじゃ割に合わないでしょ」っていうネタは都市伝説っぽくて好き。
・乃南アサ「嗤う闇」
なんかめっちゃ古いシリーズかと思ってたけど2001年だったんですね。いや約二十年前なら古い方か。音道というか昴一の考え方がすごく今っぽくてこんな考え方の男性は貴重だなと思った。
一番最初の冒頭に出てきた親子はその後なんか絡んでくるのかと思いきや特に何もなかった。血のつながった親子でさえ難しいのに、赤の他人が親子のように世話を焼きたがるのはもっと難しいんですよってことなんかな。
沢木警部補はまた「鎖」に出てきたみたいなお坊ちゃまエリートかと思いきや最終的に懐いてて可愛かった。一つ目に出てきた金木もまた嫌なオッサンだったし音道もたまにはいい思いしないとね…いや本人は迷惑そうだけど…。
・歌野晶午「ジェシカが駆け抜けた七年間について」
レビューで「叙述トリック」「わりと反則では?」と言われてたのを読んじゃったのでまた視点が入れ替わってる系の叙述トリックなんかな~と読んでたんだけど…たしかにわりと反則では???っていうトリックでした。いやトリックというかなんというか…騙す相手は完全に読者だけで事件自体はめちゃシンプルというか…
でもまあエチオピア時間をいつも意識してるという話は何度も出てきたから、エチオピア独自の時間の数え方があるなら当然日付も?と予測できてしかるべきだったのかもしれない…いやでも反則では???感はたしかにある。まあサクサク読めたからたまにはこういうのも全然いいんだけど。
・風野真知雄「星の河」
副題からしてあれだし星川さんの死亡フラグがガンガンに立ってたのでまあそうよねって感じ…。最後の小鈴とのやり取り良かった。
日の助の正体については同僚の遺言もあるし仲間割れとかしたら最悪だなと思ってたけど、そこはわりと寛容な感じで済んでほっとした。いよいよ次で最後か…。
根岸シリーズに出てきた粟田がめっちゃ出世して娘のことも言及されてて嬉しかった~。椀田知恵蔵ってのは剛蔵の息子かなんかなのかな?椀田が脳筋タイプだから子供には「知恵」って付けたとかいう安直なパターンだとかわいい。でも粟田が七十ってことは根岸はもちろん椀田もたぶん亡くなってるんだろうなと思うとちょっと切ない…。
◆という読書感想文でした。
以下ネタバレ注意。
・有栖川有栖「ジュリエットの悲鳴」
いつもの真面目?なミステリ短編種かと思いきやふざけ気味の話もけっこうあって面白かった。「パテオ」のオチかわいそう面白い。
「登竜門が多すぎる」はワープロソフト虫太郎で笑っちゃった。ネタ商品を推してくるのかと思いきや作家あるあるネタみたいなのも楽しい。マイルール「参考文献で文庫本をあげてはならない」に(見栄をはるなよ)ってツッコミ入ってるやつとか。やっぱプロの作家でも参考文献に難しそうな学術書がいっぱい並んでるとクールみたいな風潮あるんだろうか…。
・乃南アサ「未練」
序盤は彼氏の存在がまるっと消えてるからえっ別れたん??それとも過去の話??と不安になってたけど四つ目の話でやっと出てきて安心した。古物屋の事件は結局最後まで見届けられなかったけどこの後解決しますよということでいいのかな。
・風野真知雄「別れ船」
「雨の季節の女」が印象的だった。藍色しか着せてくれない男、それが不満な女。一見そんなことで?ってなりそうだけど、そんなことすら許してくれないってことは他にも束縛があったんだろうなあ。
本筋の方ではいよいよ小鈴屋が目付けられちゃっていよいよ危なくなってきた感。
・風野真知雄「噓つき」
一気に話が動いて面白くなってきたー!
鳥居耀蔵という人は「悪いお奉行」としてかなり嫌われてたらしいけど、おこうさんや小鈴への優しさは本物に見えるんだよな~。幽閉を経て晩年は慕われるようになったらしいから根っからの悪人じゃないんですよということかな。
・アーサー・コナン・ドイル「シャーロックホームズ全集6シャーロック・ホームズの帰還」訳:小林司 東山あかね 注・解説:高田寛
ワトソンがいきなり妻と死別しててびっくりしたけど、ワトソンはホームズと出会ってわりとすぐ結婚して下宿先から出てったから、むしろ今の状態が本来のイメージに近いのかもしれない…?
前よりいっそうホームズの名声が上がって公になるとまずい重要な案件が増えてた印象。最後の「我々にも外交上の秘密があります」っていうセリフ好き。
・歌野晶午「魔王城殺人事件」
例の「児童書っぽい雰囲気の装丁だけど中身はがっつり殺人事件シリーズ」のやつだった。
軽い感じでサクサク読めた。ただこれといった不思議が少なく小屋に絡繰りがあるのはわりとすぐ分かるから勘のいい人ならすぐ気づきそう。アリ問題で「名前があることが観察者である人間の存在を示唆している」って言われた時の方がなるほどなってなった。
・村上春樹「図書館奇譚」
むくどりや置いてきた靴、犬やら意味深ワードがたくさんでそれぞれが何を暗示してるとかはよく分らんけど、「図書館の地下には牢屋があって知識をため込んだ人の脳を吸う」「多かれ少なかれどこの図書館もやってること、知識を貸し出すだけじゃ割に合わないでしょ」っていうネタは都市伝説っぽくて好き。
・乃南アサ「嗤う闇」
なんかめっちゃ古いシリーズかと思ってたけど2001年だったんですね。いや約二十年前なら古い方か。音道というか昴一の考え方がすごく今っぽくてこんな考え方の男性は貴重だなと思った。
一番最初の冒頭に出てきた親子はその後なんか絡んでくるのかと思いきや特に何もなかった。血のつながった親子でさえ難しいのに、赤の他人が親子のように世話を焼きたがるのはもっと難しいんですよってことなんかな。
沢木警部補はまた「鎖」に出てきたみたいなお坊ちゃまエリートかと思いきや最終的に懐いてて可愛かった。一つ目に出てきた金木もまた嫌なオッサンだったし音道もたまにはいい思いしないとね…いや本人は迷惑そうだけど…。
・歌野晶午「ジェシカが駆け抜けた七年間について」
レビューで「叙述トリック」「わりと反則では?」と言われてたのを読んじゃったのでまた視点が入れ替わってる系の叙述トリックなんかな~と読んでたんだけど…たしかにわりと反則では???っていうトリックでした。いやトリックというかなんというか…騙す相手は完全に読者だけで事件自体はめちゃシンプルというか…
でもまあエチオピア時間をいつも意識してるという話は何度も出てきたから、エチオピア独自の時間の数え方があるなら当然日付も?と予測できてしかるべきだったのかもしれない…いやでも反則では???感はたしかにある。まあサクサク読めたからたまにはこういうのも全然いいんだけど。
・風野真知雄「星の河」
副題からしてあれだし星川さんの死亡フラグがガンガンに立ってたのでまあそうよねって感じ…。最後の小鈴とのやり取り良かった。
日の助の正体については同僚の遺言もあるし仲間割れとかしたら最悪だなと思ってたけど、そこはわりと寛容な感じで済んでほっとした。いよいよ次で最後か…。
根岸シリーズに出てきた粟田がめっちゃ出世して娘のことも言及されてて嬉しかった~。椀田知恵蔵ってのは剛蔵の息子かなんかなのかな?椀田が脳筋タイプだから子供には「知恵」って付けたとかいう安直なパターンだとかわいい。でも粟田が七十ってことは根岸はもちろん椀田もたぶん亡くなってるんだろうなと思うとちょっと切ない…。
◆という読書感想文でした。
スポンサーサイト






