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最近のだいたい十冊感想文

2020.01.22 22:57|読書感想文
ネタバレ注意

・荻原浩「金魚姫」


冴えないリーマンが手に入れた金魚が突然美少女に変身し――!?っていうツイで四コマになってそうな出だしだと思ったけど、中国最初の金魚による千年の復讐の歴史っていう重い話で面白かった。
林ミスリードにはすっかり騙された…過去の回想では劉は必ず他の誰かも殺してるから主人公がそのポジになるのかと思ってヒヤヒヤしてた。
主人公が劉一族の性悪さを受け継いでなかったのは何か理由あるんかな?いやまあ先祖が性悪だからって子供までそうなるとは限らないんだけどね普通に。悪事を働く劉は基本的に身分が高いエリートって感じだから、主人公が義父に追従して医者の道目指してたら性格歪んでたかも…ってのはあるのかなあ。薬売ってる劉もいたし。

思い返せば主人公は金魚姫を手に入れた時、心の中で生きるか死ぬかの賭けをやってたんだよな…。あれは一時の一人遊びだったとしても、リュウを飼うことが生きる希望になったのは間違いないし、出会ってなかったら絶対近いうちに死んでたよな…。出会わなければリュウの復讐は勝手に遂げられていたのに、結果的にリュウが救うことになったというのは運命の悪戯というかなんというか。

・今野敏「隠蔽捜査」


殺人事件そのものではなく警察内部のいざこざや縦社会のしがらみがメインの話。いわゆる内輪もめ的な。
普通の推理もので上層部の圧力とか足の引っ張り合いを持ち出されると「そんなんいいから事件解決の方メインにやってよ!」ってイラついちゃうんだけど、この作品は本当に内部のいざこざをがっつりメインに据えてるうえ、主人公の竜崎のキャラが面白くてするする読めた。
最初は家族ともうまくいかないただのエリート意識こじらせ官僚かと思ったけど、実際は自分の基準に忠実なくそ合理的人間って感じでしょうか…。その基準を熟知してるのが竜崎だけなのでどうしても他者からは変人扱いされがちなだけというか…。

「女は家を守れ」と言いながら家庭のこと妻にぶん投げるのは時代錯誤なんだけど、その後大真面目に「俺は国を守る」って言いながら自分の仕事の都合に家族を巻き込まない、負担を強いないってとこまで一貫すると格好いいなと思う。息子の自白に妻が付きそうと電話してきた時も、「いつも家のこと任せてるのに今だけ自分が仕事奪ったら信頼してないみたいで感じ悪いかも…」とか考えるとこまじで上司目線で笑っちゃった。
「女は家のことをやれ」「息子は東大以外認めないが娘の進学先はわりとどうでもいい」っていうわりとアレな発言も昭和の男尊女卑思想からくるんじゃなくて、その方が合理的、適材適所ってだけでそれぞれの役割のことは尊重してるんですよね。
竜崎が次にどう動くのかが気になるし発言も面白い。けっこう長いシリーズっぽいのでこの先読んでいくのが楽しみ。

・アーサー・コナン・ドイル「シャーロックホームズ全集8最後の挨拶」訳:小林司 東山あかね 注・解説:高田寛

・乾くるみ「イニシエーション・ラブ」


ラストのどんでん返しがすごい!と評判だったので読んでみた。
どっちかというと「ああっ!」っていうより「……は?」ってなってから「あ~~~~」って感じ。関西人特有の曖昧な感想。
ルビーの指輪とかタック…って言いかけたとことか趣味にそぐわないアインシュタインとかはすごい分かりやすいフラグだったので、言われてみればああそう…やっぱり…って感じ。
でもマユがタバコを断った理由とか、ホテルがたまたま空いてたとことかは後から解説読んでなるほどね~ってなった。面白い仕掛けではあったけど端的に言えば巧妙な二股ってだけで法を犯してる訳ではないからそこまでド悪女って感じはなかったかな…。男を手玉に取ってるようで、片方には堕胎させられた挙句振られて終わってるし…。

週末は会いに来るのを待ってるだけってのが社会人タックンから印象悪いのはその通りだと思うし。社会人と別れるのも込みで計算だったかもしれないけど別に普通に別れたらいいだけだもんね?結婚してないんだから慰謝料とか親権とかのリスクも何もないし。結局マユはどっちに本気なのか分からなかったし、学生タックンが上京して遠恋になったらまた同じこと繰り返しそう。

・今野敏「隠蔽捜査2果断」


さっそく二作目も読んだ。
相変わらず竜崎の発言にいちいち「!???」ってなる周囲の反応が面白い。一巻ではいや~な小物だった戸高もいい仕事してた。
最近視聴中のクリミナルマインドではけっこう犯人死んでるけど復讐が絡まない限りだいたい正当防衛で済む、というか何なら「こういうタイプの犯罪者は警察に撃たれたがる(からそのつもりで)」みたいな注意するくらいだから、いくら現代のバッシング社会といえどここまで荒れるんかなと思ってた。実際起こったらどんな反応になるんだろう?あれで竜崎処分したらそっちのが荒れそう。

・レ・ファニュ「女吸血鬼カーミラ」


ものすごくスタンダードな吸血鬼のお話。ザ王道というか童話寄りって感じだろうか。意外性はないけどたまにはこういうのもいいんじゃないでしょうか。カーミラがローラを特別意識してた(ように見えた)ことはなんか意味あったんだろうか?そこだけちょっと気になる。

・アーナルデュル・インドリダソン「湿地」


単純そうに見えた殺人事件から過去の忌まわしい出来事が次々明らかになる話。
まさに文字通り「自分の蒔いた種」で死ぬことになったホルベルクはいい気味だけど、犯人の方は哀れだよなぁ…「過去が追いかけてくる」ってこういう話を言うのかな。
完全に閉ざされた村社会というほど狭い範囲じゃないけど、小さな島国ならではの話だった。

あとこれはアイルランドの風潮なのか、そういう作風なのか、日本語ではうまく伝えられないニュアンスなのか分からないけど、この作品情緒不安定な人多ない?いきなりキレ出す人がけっこういて「ええ…何…?」ってなることがたびたびあった。

・今野敏「ST警視庁科学特捜班」


隠蔽捜査シリーズが面白かったので平行して別シリーズにも手を付けてみた。
こっちはこっちでまたキャラが濃く二次元感がスゴイものの面白かった。グレコ氏の日本乗っ取り計画はこの後も続くのかな?

・スティーグ・ラーソン「ミレニアム1ドラゴン・タトゥーの女 上下」
 
全然知らなかったけど世界的なヒット作みたいなので読んでみた。経済ジャーナリストとか家系図とかややこしい要素も多くて把握できるか不安だったけど面白くてするする読めた。

ただ謎の数字が聖書の章を指していたってのは(特に海外の)ミステリではわりと定番なのでそこで何十年も躓く?とは思ったが、実在する電話番号でなんとなく名前と合致する人物が住んでいたというのが警察にとって最大の不運だったのかもしれない…。
ミカエルの本来の目的(悪徳富豪への反撃)と、ヘンリックの固執する事件、一見ばらばらに見える二つの問題が二人の力で決着――!みたいなのを期待してた(ヘンリックが普通に有用な証拠を出してくれると思ってた)ので、結局ミカエルの問題はリズベットがなんとかしちゃいましたという結末はちょっと拍子抜け。まあ全部が全部繋がってるという方が創作臭いというのはあるが…一応リズベットと知り合えたのはヘンリックのおかげとも言えるし…。あとあくまでこの章のヒロイン(?)は「ドラゴン・タトゥーの女」であってヘンリックは脇役だったってことなんだろうな。
全六巻らしいので続きも読むぞー!

・今野敏「ST警視庁科学特捜班 毒物殺人」


STシリーズ二作目。相変わらずSTメンバーが自由過ぎてヒヤヒヤするけど前作よりは協力感が出てきた気もする。
普段一匹狼を主張してる赤城が「リーダーだから」付いてくると言い出した時(こういう時ばっかリーダーぶる…)と内心突っ込んでたとこが面白かった。意外とおちゃめな赤城。「味方がほしいのなら戦え。戦わなければ敵はできないが味方もできない」ってモノローグは名言だなと思った。

◆という読書感想文でした。
読みたい本次から次へと出てくるし月10冊ペースを目指してるんだけど、しばらくちょっとペースが落ちそう。
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